列車急停車、車内に悲鳴 JR架線事故、大動脈直撃
JR京浜東北・根岸線の架線事故が、首都圏の動脈を直撃した。4日夜、並走する東海道線など3線も運転を見合わせたほか、高崎線など4線に運休や遅れが出た。会社帰りのサラリーマンのほか、花火大会の観覧客も加わり、混雑した車内は、真っ暗で蒸し風呂のようになった。横浜市や都内の駅では混乱が深夜まで続いた。
架線が切れた現場に近い桜木町駅には午後9時過ぎ、駅間に停止した電車から線路に降りて歩いた乗客らが次々とたどり着いた。京浜東北線の南行き電車に乗っていたという女性(40)は、「横浜と桜木町駅間を走っている時に急停車した。車内が真っ暗になり、キャーと叫ぶ女性の悲鳴が聞こえた。びっくりした」と話した。
東京都江東区の会社員男性(30)は花火見物に向かう途中だった。「急にがたんという音がして停車し、悲鳴が上がった。車内が真っ暗になり、クーラーも切れて蒸し暑かった。泣いている子どももいた」
同じく花火大会に向かっていた世田谷区のウェブデザイナーの男性(24)は、桜木町駅の手前で停車した車内に1時間半以上閉じ込められた。窓を開けてもかなり蒸し暑かったという。男性はアナウンスの指示に従い、午後9時ごろ、10分ほど線路を歩いて桜木町駅に到着した。花火大会は終わっていた。「どうやったら帰れるのだろうか」と疲れた様子で話した。地下鉄東京メトロや東急、小田急など20社が振り替え輸送を行い、影響は首都圏の広範囲に及んだ。京浜急行の品川駅では改札に入場規制がかけられ、多くの通勤客らでごったがえした。ふだんはJRを使って横浜に帰宅する会社員女性(32)はホームで満員電車を見て「嫌になりますね」とぼうぜんとしていた。
タクシー乗り場には午後10時過ぎも100人ほどの列ができていた。東京都大田区の会社員、大長賢次さん(50)は「人が多すぎて、とても電車に乗る気になれない。痛い出費です」。会社員山口小春さん(21)は運転見合わせを知らせる駅掲示板を見て、「どうやって帰ったらいいんだろう」と途方に暮れていた。
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連日の猛暑で強く常に緊線している架線トロリーも伸びで断線したのか...こんな時は幼児、子供と一緒に大勢の人混みには出ない事の様だ。
☆経験浅い??運転手のミスこれが原因か...。
京浜東北線架線切れ問題 「エアセクション」での再発進が原因か
JR京浜東北線で、架線が切れて35万人以上に影響した問題で、JR東日本は、電車が「エアセクション」と呼ばれる、架線のつなぎ目に停止し、再び発進したことが原因とみられると発表した。激しい、さく裂音とともに飛び散る、オレンジ色の火花。
これは4日夜、JR京浜東北線の桜木町駅付近で撮影された映像。
大きな火花が散った次の瞬間、車内の明かりは消え、その後、電車は停止した。
4日夜、神奈川・横浜市内のJR京浜東北線で架線が切れ、35万人以上に影響が出たトラブル。
乗客は、「止まって、発車する時に、上のロープみたいなやつのところから火花が出て、全部(電気が)消えたみたいな」、「横を走っている送電線が、いきなり青い光を上げて、飛んだんですよ」と話した。
架線は、なぜ切れたのか。
5日午後、JR東日本が行った会見で、その原因が明らかになった。
JR東日本横浜支社は「原因は、停車した付近が『エアセクション』となっており、起動した時の電流アーク(火花)により、溶断したものと推定しております」と述べた。
トラブルを引き起こした切れた架線は、直径12mm、銅合金製の架線は、熱で溶け落ちたように切れていた。架線が切れたのは、エアセクションと呼ばれる区間。
架線が切り替わるつなぎ目にあたり、2本の架線が並行して設置されている。
このエアセクションに電車がいったん停止をし、再び動きだした場合、強い電流が流れ、架線とパンタグラフの間でショートが発生、架線が溶けて切れる可能性がある。
このため、本来、エアセクションは停止できない区間とされている。
エアセクション内での停止を避けるため、表示板が設置されている箇所もあるが、今回トラブルが起きた区間には、表示はなかった。今回、電車はなぜ、エアセクションで停止してしまったのか。JR東日本は、会見で「先行列車が、今回、花火大会ということもありまして、お客さんの混雑で、列車が詰まっているという状況だったということから。ATC(自動列車制御装置)を使うかぎりでは、そのエアセクションのところに止まるということは、ほぼ想定されないので。ATCのシステムそのものは、正常に作動しておりました。ただ、運転士が自分の意思で、その手前で止めるということは可能になっておりますので」と述べた。
電車の自動制御に任せていれば起こり得なかった事故で運転士への教育不足があったと、陳謝した。JR東日本によると、エアセクションは、首都圏の在来線では、およそ900カ所。
2007年には、さいたま市のJR宇都宮線で、エアセクション内に電車が止まり、架線を切断、およそ18万5,000人に影響が出るトラブルが起きている。今後の再発防止策について、JR東日本は「エアセクション内に停車しないように乗務員教育を再徹底いたします。また、エアセクションの位置を、音声で乗務員に知らせる乗務員支援システムを、京浜東北・根岸線に導入いたします」と述べた。
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たまたま緊急停止したヶ所がエアセクションヶ所も有りうるだろう。この時はパンタグラフを下げて別の電車に牽引して抜け出してからパンタグラフを上げなければダメなのか。
たまたま猛暑も重なり変電所負荷がエアコン等で増大し線路間の電圧差が大きくなったものやら。