eつれづれ管理者(66kV特高変電所、技術者)

電気の出来事を技術者向けに適宜up中。
質問等はコメント欄にて。

電力各社は再稼働バンザーイ

2015年08月10日 | eつれづれ
<川内原発再稼働>「ようやくここまで」電力各社は歓迎
九州電力川内原発1号機(鹿児島県)の再稼働に対し電力各社は「ようやくここまで来た」と歓迎している。各社は再稼働の流れを確実なものとし、収益を改善させるシナリオを描くが、敷地内で活断層の存在を指摘されるなど課題を抱える原発も多い。政府や電力会社が目指す「原発回帰」は簡単には進まない。
【川内原発1号機が再稼働】2年ぶりに「原発ゼロ」状態終わる
電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は「川内原発のプロセスがひな型になり、効率的な審査につながってほしい」と繰り返してきた。電力各社は、原発停止に伴う火力発電燃料の増加や、原油高騰時の負担増のすべてを電力料金に転嫁することはできず、収益性が低下していた。燃料費の安い原発を再稼働できれば、火力発電の運転を減らして石油などを節約できる。九州電力は川内1、2号機の稼働で月150億円の収益改善効果を見込む。
しかし、電力各社の思惑通り進む保証はない。川内原発以外で原子力規制委員会の安全審査をクリアしたのは関西電力高浜原発3・4号機と四国電力伊方原発3号機の計3基のみ。このうち高浜は福井地裁が運転差し止めの仮処分決定を出しており、再稼働の時期は見通せない。
他の原発も課題が多い。東京電力福島第1原発と同型の沸騰水型(BWR)の原発は、新規制基準で設置が義務付けられたフィルター付きベント(排気)装置の審査などが難航している。敷地内で活断層の問題を抱える日本原子力発電敦賀原発(福井県)や北陸電力志賀原発(石川県)は、規制委の審査次第で廃炉も余儀なくされる。
廃炉が視野に入るのは老朽化炉も同じだ。今年4月には運転開始から40年前後になる5基の廃炉が決まった。30年以上経過する原発は全国で16基。各社は運転を続けても巨額の安全対策費の回収が難しい原発の見極めを急ぐ。
政府は、2030年に温室効果ガスを13年比26%削減する目標を掲げるが、発電量全体の20~22%を原発でまかなうことが前提だ。それには「30基台半ばの再稼働が必要」(宮沢洋一経済産業相)で現状では「絵に描いた餅」となる可能性もある。安易な原発頼みを続ければ、温暖化対策も巻き込んで政策が破綻を来す懸念もある。