戦後70年談話「おわび」に言及へ 安倍政権幹部が明言
安倍晋三首相が14日に閣議決定する戦後70年の談話(安倍談話)で、戦後50年の村山談話や戦後60年の小泉談話に盛り込まれたアジア諸国への「おわび」の文言を入れる方向で調整していることがわかった。政権幹部が10日、明らかにした。
この政権幹部は朝日新聞の取材に対し、「『おわび』は入っている」と明言した。安倍談話をめぐっては、首相が7日夜に公明党の山口那津男代表らと都内で会談して原案を提示した際、公明側が談話ではおわびの気持ちを伝えるとともに、「侵略」という文言も明確に位置づけるよう注文をつけている。
村山談話では歴史認識について「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」とした。さらに「ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫(わ)びの気持ちを表明いたします」と記した。
別の政権幹部によると、談話は過去の談話を踏襲する部分と首相の思いを述べる「未来志向」の部分からなる。談話は、6日に首相の私的諮問機関である有識者会議「21世紀構想懇談会」が首相に提出した報告書をおおむね下敷きにしているという。報告書は先の大戦における植民地支配と侵略の事実を認め、当時の政府や軍の指導者の責任にも言及している。
首相は14日の臨時閣議で談話を閣議決定し、その後に記者会見を開き、趣旨を説明する予定だ。