阿部ブログ

日々思うこと

ジャクソン・ポロック展とイラン

2012年05月05日 | 日記
ジャクソン・ポロック展が東京国立近代美術館で開催されている。明日で展示は終わりだが、入場者数も10万人を突破したという。

ジャクソン・ポロックは、言わずと知れた20世紀のアメリカを代表する画家で生誕100周年。
不幸にも44歳の時、自動車事故で亡くなっているが、その彼を描いた映画「ポロック―2人だけのアトリエ」も製作されている。アカデミー賞・助演女優賞受賞作品だ。

以前のブログでも書いたが現代画家では、ジャン・ミッシェル・バスキアとジャクソン・ポロックが好きだ。

しかし、今回のポロック展で不思議な点がある。それはイラン大使館が後援している事。
ポロックはアメリカ人だからアメリカ大使館が特別助成するのは理解できるが、何故、後援がイランなのか?
関係者に聞いたところ、ポロックの最高傑作との呼び声が高い1950年製作の『インディアンレッドの地の壁画』はイランのテヘラン現代美術館に、実は所蔵されているのだという。
所蔵はされているが展示はされておらず、これは退蔵というべきか。しかし、実に勿体ない事で至極残念だ。

どうもパーレビ国王の奥さんが様々な美術品を買っていた愛好家だった。モジリアニやジャコメッティ、ピカソなどの現代美術の巨匠の名品と共にポロックの作品も買って鑑賞していたようだ。
パーレビ時代のイランとアメリカの関係は良好だったので、現代アメリカ美術を代表する傑作も王妃が買うと言えば当時は買えたのだろう。一体幾らで買ったのだろうか?

稀代の悪女とも言われるファラ王妃だが、集めたのは絵画だけでなく、宝石の収集も凄いとか。彼女の宝石コレクションは、国立銀行の地下にある「宝石博物館」として展示されていると言う。宝石に興味が無くとも一見の価値ありとか~

しかし、革命後のイランも親日国であり続けている国で、アメリカは喧嘩腰だが、大切にしたい国である。
ジャクソン・ポロック展は、明日までだが、時間が許せば、是非とも鑑賞される事をお薦めする。
皇居の緑も濃くなり、特に「江戸城・二の丸跡」の雑木林は散策するに最適の季節である~