阿部ブログ

日々思うこと

北朝鮮によるGPSジャミング攻撃~5日連続で航空機と船舶に影響

2012年05月06日 | 日記
韓国の中央日報は、北朝鮮が5日連続でGPSジャミング攻撃をしていると報道している。

イランのステルス RQ-170 捕獲 と GPSジャマーの脅威」でも書いているが、韓国の中枢機能が38度線に近接している為、北朝鮮のGPSジャミング攻撃には脆弱で、民間は勿論のこと韓国軍も含め対策が急がれる。

北朝鮮は、韓国国防部発表によれば開城(ケソン)にGPSジャマーが配置されているとしている。この開城からのGPSジャミング攻撃は、4月28日6時14分に開始されて、仁川空港と金浦空港、烏山空軍基地でGPSに障害が発生。その後も間歇的に攻撃が続き、国防部によれば5月2日10時までに252機の航空機にGPS障害が発生。その大部分は大韓航空など韓国内航空会社の航空機241機で、それ以外は、外国民間航空機9社の11機。

北朝鮮のGPS攻撃は、海上交通にも影響を与えており、仁川海洋警察署によると、GPS妨害が始まった4月28日午前8時から5月4日午前1時35分までに漁業情報通信局と海上交通管制センターが受理したGPS被害船舶は122隻に達したと発表している。この中には海洋警察の警備艇8隻も含まれると言う。

国防部は、韓国軍に影響は無いと、当然発表はしているが、経費削減の為に、商用GPSを多用している韓国陸海空軍の兵器・装備類への影響は当然ある。

現状では北朝鮮により単純なGPSジャミング攻撃だけだが、今後はGPS以外でのサイバー攻撃も行われる可能性が高い。北朝鮮にはまともな社会インフラは無くは失うものが無いため、貧者特有の捨て身のサイバー攻撃を計画しているだろう。
北朝鮮によるGPSジャミングやサイバー攻撃は、今後高度化し、巧妙化する事は必然であり、特に電力システムなど社会インフラへのサイバー攻撃の準備も、北朝鮮国内のサイバー部隊、及び韓国国内に浸透している工作員などにより準備されていることを考えると、今後の抜本的な対策が必要である。

もし、サイバー攻撃で社会インフラが攻撃され機能不全となった場合、韓国が失うものは余りにも大きい。

米陸軍のサイバー部隊 「第780軍事情報旅団」

2012年05月06日 | 日記
米陸軍は2011年末、第780軍事情報旅団を創設し、米戦略軍の隷下に配された。

第780軍事情報旅団は、陸軍のサイバー司令部/第2軍(ARCYBER/2nd Army) 指揮のもと陸軍情報保全コマンドの9個旅団の内の一つ。因みに情報保全コマンドの隷下旅団は、以下の通り。

①第66軍事情報旅団、②第300軍事情報旅団、④第470軍事情報旅団、⑤第500軍事情報旅団、⑥第501軍事情報旅団、⑦第513軍事情報旅団、⑧第704軍事情報旅団、⑨第780軍事情報旅団。

第780軍事情報旅団は、一番新しい部隊だが、従来の軍事情報収集ではなく、サイバー空間における諜報活動と防諜を担当する部隊で、軍事システムだけでなく、将来の紛争に備えて、仮想敵国の電力システム、民間通信システム、交通関連のシステムなど社会インフラそのものへのサイバー攻撃も行う。

部隊編成されて間もない事もあり、また従来の軍人にもとめられていたスキルセットで対応出来ない分野の為、まだ本部と1個大隊程度の戦力だが、他の旅団と同様に順次部隊編成を進め、数個大隊、約1200人程度の規模となると想われる。

NSAや空軍、海軍、海兵隊のサイバー部隊と共ともに、同旅団の動向を注視していきたい。