あるひのあひる

sometimes"♯",sometimes"♭" ,and always"NATURAL”
猫とハーブと酒と音楽

たった2時間のウチの子

2025-02-17 15:28:50 | 植物・動物いきもの全般

本当に久しぶりのUPです
うみ&そらも、きょんのダンナも私も
おかげさまで変わりなく、元気に暮らしています


今回は
うみとそらのきょうだいとしてウチの子になって
ほんの束の間、たった2時間という短さで虹の橋を渡って行った
愛おしい“レオ”との出来事を記しておきます
※すごくすごく長くなります。すみません・・・


※この写真はイメージであり、本猫ではありません
(実際は右耳がサクラカット、毛色はほぼ同じ、尻尾は短く丸いお団子しっぽでした)

2月3日、節分
早朝6時に仕事のために家を出たきょんのだんなを玄関で見送り
2度寝をしようとベッドに潜り込んですぐ
ガチャと玄関ドアが開き
「あひょ!ちょっと来て」
きょんのダンナのどこか緊張した声が私を呼びました
瞬間、ものすごく嫌な感じがして・・・

パジャマ姿のまま、厳しく冷え込んだ表に出た私の目に飛び込んできたのは
家の前の道路の端に横たわる、キジトラ猫の姿でした
「え、どうしたの!?なんで!?」強いショックで悲鳴のような声になりながら
きょんのダンナに声をかけると
「短しっぽくん。まだ生きてる。」
目は開いており、意識もありましたが、苦しそうな呼吸で口を開き、喘ぐような荒い呼吸で
しかも、小さな痙攣を繰り返していました。
家の周りでもよく姿を見かける、顔なじみのさくらねこでした。
直接の接触はなかったのですが、我が家で「みじかしっぽくん」と呼んでいた子でした
「なんで・・・こんなことに・・・」

腹部にかなり大きな怪我をしているのはすぐ分かりましたが
どうして良いのかわからず、でも、この寒空の下でこのまま放っておくわけにはいかない
「バスタオルかなんかない?道路冷たいからとりあえず敷いてあげないと」
きょんのダンナに言われ、家の中にもどり、オロオロしながらもバスタオルを2枚持って
パジャマの上から防寒着を羽織り、再び外に出ました

きょんのダンナが、できるだけ身体に衝撃を与えないように怪我をしている腹部をバスタオルでくるみ
このままだと危ないからと移動させることに。
そっと身体を持ち上げると、腹部から腸がはみ出していて・・・
思っているよりかなり深刻な状態であることが分かり、さらにショックが広がりました
もう、ダメかもしれない・・・

「痛いよね」「辛いよね」「ごめんね、苦しいよね」
半泣きで声をかけながら、大き目のガーデンバスケットに寝かせ
さらに上からお腹の部分にバスタオルをかけてから、家の中に運び入れました

すでに遅刻しているのに、なおも心配して出社せず付き添ってくれたきょんのダンナに
「後は私がやるから、大丈夫だから、仕事に行って」と送り出し
万一の感染症対策として、うみ&そらとは隔離した1室で付き添いました。
時刻は6時半・・・
夜間救急センターの受付は5時まで、やはり電話は繋がらず
どこでも良いからと、市内の動物病院にあちこち電話しましたが、やはり繋がらず・・・

長い、長い時間でした・・・
目の前で苦しむ姿を見ても、何もしてやれない
ただただ、頭や背中をなで、手を握り、声をかけるしか出来ませんでした・・・
時折、大きな呼吸をして、起き上がろうとする瞬間もあり、
それでも、痙攣と喘ぎを繰り返し、声は全く出ないようでした
少しでも目を離すと、逝ってしまうかも
せめて看取ってやりたいと、トイレ以外ずっと傍についていました。

そして、7時半過ぎ
依然として苦しみ喘ぐ状態ではありましたが、まだ頑張って生きていてくれたので
自分でも無謀で強引だとは思いましたが、ダメもとで病院に連れてゆくことにしました

うみ&そらのかかりつけのお医者様
生後1か月でふたりが我が家に来たときからずっとお世話になっているY先生
診療開始は9時からでしたが、待っていられず
バスケットを助手席に乗せ、本院へ向かいました(Y先生は分院の院長先生)

8時少し過ぎに到着し
ちょうど出勤されたスタッフの方を見かけ
半泣きになりながら状況を説明しました
まだ診療前だけど、なんとか診てもらえないか
9時まで待つ覚悟ですが、もし可能であれば少しでも早く・・・と

大きなご迷惑をおかけすることは十二分に分かっていたのですが
目の前で苦しむ姿を見ると、なんとか、なんとかという思いで必死にお願いしました

そして、それから間もなく
まだ開院準備前の状態にも関わらず、Y先生が来てくださいました
もう本当に本当にありがたくて、既に涙腺が崩壊状態で・・・

事情を説明し、もし治るなら助けて欲しい
生き延びることができたら、たとえどんな状態になっても
死ぬまでウチの子としてお世話をする覚悟でいることを伝えました

Y先生から
できる限りのことはさせていただきます
お預かりして、処置をして、状態が確認できたらまたご連絡しますので
一旦ご自宅へ戻ってお待ちください と言われ、どれだけ安堵したか・・・
どんな状態にせよ、もうこれ以上彼は苦しまずに済むんだ、と
本当に感謝しかありませんでした・・・

8時半頃、受付の方から
これからカルテを作りますので、お名前を決めていただけますか?と言われ
「レオ」と名付けました
ジャングル大帝のレオ、どんな困難でも逞しく生き抜いた男の子
どうか生き延びて欲しいと、そんな願いを込めた名前でした

突然我が家の子になった、レオ
祈るような気持ちで彼を病院に託し、一旦家に戻りました
ふと我に返ってみると
顔も洗わず、歯も磨かず、髪はボサボサ、パジャマに防寒着、スッピン眉ナシの状態
帰宅してすぐに、来ていた服をすべて洗濯機に放り込み、シャワーを浴びて浴室を出たタイミングで
Y先生から電話がありました

腹部の損傷が激しく、内臓だけでなくお腹の皮も大きく欠損していて
生命を維持するのは難しい状態であること
今は、麻酔の状態で気管挿管して酸素吸入をしているが、既に呼吸も心拍もかなり弱っている
これ以上延命することは、却ってレオの苦しみを長引かせるだけなので
管を抜き、亡くなった時点で身体を清め、傷口の縫合をして綺麗な身体にしてからお迎えにと考えているが
どうされますか?のことでした

レオがどれだけ酷い怪我をしていたのかよく分かっていたので
先生には本当に感謝しかありませんでした。
精一杯のお礼と、30~40分後にはお迎えに行けると伝え、電話を終えました

なんとも言えない気持ちでしたが、気持ちを鎮めて身支度を整え
ほったらかしになっていたうみとそらのご飯の準備をしました

腹ペコだったのでしょう、無邪気に喜びながら
ムシャムシャごはんを食べているうみとそらを見ていたら
急にぶわーっと涙が溢れてきました
レオ、ごめんね、ごめんね、何もできなかったね
苦しかったよね、辛かったよね、怖かったよね・・・

おそらく、私が病院に迎えに行った時には
レオはもう亡くなっているだろうと確信しました
家に連れて帰るより、そのまま葬儀場に向かうことにして
電話で受付の手配を済ませ、途中で花屋さんに寄り、紫色のストックと白菊の花束を買って病院に向かいました

早朝にレオを発見した時には、まだ周囲が暗くてよく分からなかったのですが
日が昇り明るくなった道路には、かなりの流血と臓器の一部かと思われるものが残されていました
レオ、本当にすごくすごく痛かったよね・・・

10時半頃病院に着き、受付を済ませてしばらくすると診察室に呼ばれました
院長先生がいらして
「よく頑張りましたよ。もう今は辛かった身体から抜けて、痛みも苦しみもない状態で
このへん(私たちの頭の上あたりを示しながら)から見てますよ
レオくん、苦しかったけど最後は幸せだったと思いますよ」
と声をかけてくださいました。
担当のY先生は分院での診療のため不在でしたが、しっかりと伝えてくださっていたようで
ガーデンバスケットの中に、きれいにお腹を縫合され、穏やかに目を閉じて横たわっているレオがいました
レオの身体の周りには、カーネーションの花数輪とキャットフードのサンプルが添えられていました



先生とスタッフの皆さまのご対応と温かな心遣いに心から感謝し
穏やかな顔で眠るレオを助手席に乗せて葬儀場へ向かいました

もう痛くないんだ、辛くないんだ、よかったね、レオ
でも何もできなかったね、ごめんね
もっともっと姿を見ていたかったよ
苦しむ姿や、普段見かけていた我が家の周りで昼寝をしていた彼の姿が頭の中で浮かんでは消えを繰り返し
でもなぜか喉が詰まって号泣ができない苦しい状態でした

レオは、志摩のペット霊園 動愛園さんで葬ってもらいました
きょんのダンナと「みじかしっぽくん」と呼んでいたレオ
普段から彼を見かけてはいましたが、近くても2mくらいまでしか寄れず
ご飯をあげることはもちろん、撫でたことさえなかったのですが
名付けた以上はウチの子として供養をしていただくことにしました


レオ、今度はね
こんどまた猫生を迎えるときには
ずっとのおうちで暮らせるように祈っているからね
きょんのダンナもあひょも、ちょっとジジとババになりかけてるから
タイムリミットはそんなに長くないけど
もし近いうちにお着換えできるなら、待ってるから
2代目レオとして、いつでも帰って来てね


余裕がなくて、あまりにも突然で
当初はロードキル(交通事故)かと思っていたのですが
後日、ある事実が分かり
どうやら、車によるものではなく
野生動物(多分ハクビシン)との死闘によるもののようです

長くなったので割愛しますが
Y先生にお話ししたところ、
実は怪我の状態からみて交通事故とは考えにくかった、
野生動物なら腹部の損傷の酷さも納得できる、と言われたので
動物の種類はともかく、原因としてはほぼ間違いないと思います

外で暮らす猫がいかに過酷な状態でいるのか
改めて痛感しました

レオ・・・ずっとずっと忘れないよ、愛してる・・・

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クリスマスのこころ

2022-12-19 20:50:36 | うみそら通信

なんと1年近くも経っておりました・・・
我が家のニャコム、うみ&そら、きょんのダンナ、私はみな元気です!
今年の春頃からいろいろと動きがあり、ブログをなかなか更新できないまま・・・
インスタもちょろっとやっているので、余計に間が空いてしまいました。

もうじきクリスマス
キリスト教徒でなくても、この時期はとても楽しみ
どうかみなさま、よきクリスマスを



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このココロ、“親知らず”。~完全水平埋伏智歯 抜歯譚その3~

2022-01-28 11:06:47 | 日々のできごと

行く1月。早いです。
比較的暖かめの日が続いています。
うみそらの額ほどの庭では、少しずつ春の気配が・・・

ミモザアカシアの花芽が、少しずつ丸くふくらみ、黄色味をかもし出してきました。
ん~。今年も早々にやる気やね。


ラベンダーもそろそろ雨後の筍状態。
小さな蕾が次々に伸びてきております。


ローズマリーに至っては、お花畑状態になりつつあり・・・

いや~、ハーブは強いね!
今後強い寒波でも襲来しない限り
彼らは着々と勢力を拡大してゆくことでしょう。
明るく暖かな黄色い春まで、あともうひと踏ん張り。

*************************************
(前回の続き)
ヘタレでチキンなあひょでも、開き直ると少し強くなる。
どうせ逃げ切れないなら、覚悟を決めて立ち向かってやれ。
大げさなようだけど、本当にそのくらいの重大事で。

・・・歯科医院からの紹介状と、診療記録(画像等)が保存されたCDを持参し
こわごわ歯科大病院を訪れたのは、11月に入ってすぐ。
一昨年9月に建て替わった、広々としたとても綺麗な病院にびっくり。気分が少し上がった。
大学病院って歴史ある建物が多いから、なんとなく古くて薄暗いイメージをもっていたので・・・(←あくまでも私見です)

内心ドキドキと震えながら待つことしばし。
受付モニターに受付番号と診察ブース番号が表示され、診察室へ入る。
さすが歯科大。診察ブースの数がすごい。
パーテーションで仕切られ、ずらりと並んだ内の一つの椅子に腰かける。
やって来たのは、若い男性の先生と数人の白衣の方々。学生さんかな?

まずはイケメン先生に口の中の状態を確認され、時間をかけてゆっくりと問診された。
その時とにかく根掘り葉掘り聞かれたのが、医薬品アレルギーについて。
抗菌剤2種類がNG、そして鎮痛剤による蕁麻疹のこと。

一通り説明し、問診終了して待つことしばし。
いよいよ担当の先生が登場した。
口調も動作もとてもテキパキした、女性の先生。年齢は私より二回り近く若いかな?
とにかくサバサバ、ズバズバ、でも真摯に私の質問に答えてくれ
「うん!これはイケる!この体育会系先生ならきっと大丈夫!(←失礼やね)」
不思議と不安がなくなった。

サバサバズバズバのS先生からの説明では次の通り(要点のみ)
・2回法はやらない。1回で抜いてしまう。今回は2回法のメリットがない。
・抜歯後30%くらいの割合で麻痺が残るリスクがある。その場合はペインクリニックで治療する。
・骨も削るので、かなり大がかりになる。抗菌剤と鎮痛剤の服用は必須。
・アレルギー専門医を紹介するので、服用できる抗菌剤と鎮痛剤を特定して欲しい。抜歯はそれから。

むむむ・・・そうか~。
イケメン先生からは既に術後の注意事項の説明を受け、同意書にサインまでしていたので
次回の予約ですぐに抜歯になるかと思ったら
またもや新たなハードルが~

そんなわけで、またまた紹介状を受け取ったあひょ。
早速次の週にアレルギー専門外来の診察を受けることになった。
(つづく)

「負けるな!闘えあひょ!オレのように!」


「あたちも負けないなのよ!」


・・・うみくん、負けてる?
そらちゃんのキックとパンチ、炸裂?


5年前の今日の写真。そらちゃん、ちょっとスリム。
ソファの上が散らかっててごめんなさ~い

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このココロ、“親知らず”。~完全水平埋伏智歯 抜歯譚その2~

2022-01-24 14:02:27 | 日々のできごと

抜歯から17日。
おかげさまで、ずいぶんと平常運転に戻ってきました。
頬の腫れもほとんどひき、ほんの少しのしこりを残す程度までに回復。
ウチのニャコムのふたりのような大口を開けての思いっきり欠伸にはまだ至らないけれど
食事の度の痛みのストレスからはぐっと解放され
少しずつアルコールに対する色気も・・・むふふ~。
とはいえ、断酒継続中。やればできるじゃん、私。


***************************************
(前回の続き)
結局、のらりくらりと抜歯から逃げ続け、早20数年。
その間、体調を崩したり疲れが溜まると少し疼いたり、歯磨き時に少し出血したりはしたけれど
まあ何とかうまく誤魔化しながら日常を送っていた。

それが、そろそろちょっとヤバいかも・・・と思い始めたのが3年ほど前。
異常を感じる頻度が増えてきたからだった。
ちょっと試しに自宅近くの歯科医院に行ったところ
速攻で歯科大を紹介された。
紹介状までもらったけれど、急に怖気づいてしまい、保留。
うだうだとしているうちに、今回の感染症騒動。
気持ちは完全に冷え切ってしまった・・・。

そして、昨年の秋。
3月末で仕事も辞めたことだし
今後新しいことにチャレンジするにあたって
身体をメンテナンスしておこう、という思いがふつふつとこみあげてきた。
更年期とか五十肩とか、お年頃の自分の身体にはツッコミどころは満載だったけれど
やはりその中でも最も厄介な大物である親知らずと対決する覚悟が、この時にようやく固まったのだった。

できるなら、抜かずに済ませたい。
セカンドオピニオンということもあり、別の歯科医院で改めて診てもらうことにした。
車で20分。矯正歯科、口腔外科を専門とする比較的新しい医院で評判も良く
もしかしたら歯科大に行かずに済むのでは・・・という淡い期待を抱いて訪れたのだった。

レントゲン、そしてCT診断の結果
歯茎の中で炎症を起こし、ある程度広がってきているため
できるだけ早めに抜歯をした方が良い、ということだった。
神経のすぐ近くに居座っているうえに、もしかすると歯の一部が顎の骨と癒着しているかも・・・とのこと。
「歯科大を勧めるが、もしどうしてもウチを希望されるのであれば『二回法』でやります」と説明された。
んん?二回法???初めて聞いたぞ。なんだそれ!?

超簡単に説明すると、親知らずの頭の部分だけを分割して取り出し一旦終了。
残りは状態を見ながら数ヶ月後に取り出す、というもの。
親知らずが神経近くにある場合に、その損傷による抜歯後の麻痺のリスクを小さくするための方法だった。

いいじゃん、それ~!!・・・と内心大喜びしたのもつかの間
改めて電子カルテを見た先生の表情が曇る
「あひょさん、抗菌剤と鎮痛剤のアレルギーがあるんですか?」
「はい。そうなんです。
 抗菌剤は、ペニシリン系、マクロライド系がNGなんです。
 鎮痛剤も過去に蕁麻疹が出たので、もうずいぶんと長い間服用していません」
この私の答えが、決定打だった。

セカンドオピニオンでもやはり、歯科大での抜歯という結論となった。

・・・ただでさえ臆病者の怖がりなのに・・・
歯科大、怖いじゃないか~!!!!
あひるのクセに実はチキンでヘタレなあひょ心は千々に乱れるのであった・・・
(つづく)

当時の気持ちを写真で表現してみたよ!

↑砂浜


↑地震雲??

「・・・なに?イミフ・・・」
「ぜんぜんつたわんないなのよ」



コメント (2)
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このココロ、“親知らず”。~完全水平埋伏智歯 抜歯譚その1~

2022-01-15 22:46:46 | 日々のできごと

年明け間もない、1月6日。
二十数年に亘って逃げまくってきた右下の完全水平埋伏智歯を、抜いた。

地元の歯科大で、麻酔時間を除いて正味1時間10分という長丁場。
10日近く経った今、顔の腫れはほとんど目立たないくらい落ち着いてきたけれど
抜歯後の後遺症ともいうべき、ジクジクした痛みと開口障害に結構やられている。
口を開けると、まるで顎関節が固まってしまったかのように動かず
また、無理をして大きく開けようとすると、激痛と言っても良いくらいの痛みが走る。
おかげさまで、自然と食事量が減り、また、継続する痛みから6日以降断酒状態ということもあり
体重は順調に減少している。
普段体重計に乗る習慣がないので正確には分からないけれど
抜歯の日から2kgは減ったと思う。大変ラッキーである。うひょひょひょ。

そんなわけで、ただでさえやっかいな医薬品アレルギー持ちのあひょが
これまたやっかいな親知らずと闘ってきた道のりを記してゆきたいと思う。
万が一、同じような状況を抱えたどなたかの参考になれば、体を張った甲斐があったというもの。

長き語りになるかと思いますが、興味のある方はゆるりとお読み下され・・・・

**********************************************

時は過去に遡り、1999年(平成11年)。
「左も右も、見事に完全に埋伏した親知らずですね。横向きに生えてます。」
当時住んでいた東京は世田谷区。勤務先近くの歯科医院。

なんとなく左の奥歯あたりが疼くので訪れたところ、思いがけない歯科医の言葉。
歯茎が炎症を起こしているので、抜いたほうが良いとのこと。
当時の私には自覚する医薬品アレルギーはあまりなかったし
歯を1本抜くくらい大丈夫だろう、と気軽に考え、抜くことにした。

「フーッ!!!やっと取れましたよ・・・」
抜歯を開始してから、2時間後。
かち割られた歯の、最後の欠片がやっと取れた時に歯科医がついた大きな溜息を、未だにはっきりと覚えている。
初めて抜いた親知らずが、こんなに大変なものだったとは・・・
遠い昔のことなので、痛みがどうだったかはよく覚えていないが
とにかく顔の腫れがすごくて、抜歯中にガンガンやられた精神的なダメージもかなりなもので
事前申請していた有給休暇を1日延ばしてもらい、2日間寝込んでいたことは覚えている。

若いコトもあり、経過は順調だったように思う。
抜糸の後で「1カ月くらい後に、右も抜きますか?」と歯科医に聞かれ
「いえ、結構です!様子を見て、異常が出たらその時に改めてお願いします」と即答。
もう、こんな辛い状態は2度とゴメンだ。歯磨きをしっかりして、ずっとずっと逃げ切ってやる~!!!
そう固く胸に誓った。(次回へつづく)

*******************************************

さて。
話は全く変わるけれど・・・

生きていると、どうしても二者択一の決断を迫られる状況が何度かやってくる。
ある意味、今はまさに世界的にそうなのかもしれない。

私の場合、その基準は明確だ。
基本的に、直感を重視する。
私の中に根付く、本能的なセンサー。
もちろん、やみくもに直感に頼るワケではなく
自分なりに様々な情報を収集して決定するわけだけれど
本当に迷ったとき、最後の決め手は
『どちらが後悔しないか』

選んだ方が良いかもしれない答えに対して
どうしても自分の本能が拒否をしてしまうような場合に
繰り返し自分に問いかける。
それを選ばなかった場合の最悪のケースを想定し、また同時に
選んだ場合に訪れてしまうかもしれない最悪のケースを想定し
究極、死んでから振り返った時に後悔しないのはどちらか?
・・・ずっとそれで決めてきた。悔いはない。

あの時選ばなかった道を、もし選択していたら
今の私はどうだったのだろう。
残念ながら、捨ててしまった選択肢、つまり、選ばなかった未来を見ることは誰にも出来ない。
だからこそ、少しでも後悔する要素があれば
周囲を傷つけようが、無茶だとか無謀だとか我儘だとか言われながらも
自分の気持ち(直感)にだけは正直に生きてきた。(自己中だね、ホント。)

本当は、間違っていた(いる)かもしれない。
もっと素晴らしい未来が開けていたのかもしれない。
それでも私は、今がベストだといつも思っている。どんなに苦しんだとしても。
後悔だけは、したくない。

ちょっと若い頃は「棺桶主義」なんていう意味不明な言葉で表現していたけれど
要は、この世を去るときに
「いろいろあったけど、本当に良い人生だった。後悔はひとつもない」
というのが人生の究極の目標だと思っていた。それは今も変わっていない。
「あの時、ああしていれば・・・」と後悔することは、自分の中では負けだと思っている。
誰と比べるということでなく、自分自身の中で。


う~ん・・・大いに無駄な脱線をしてしまった・・・

今回、長年の逃亡を終了して真っ向勝負に臨んだのも
今抜かないと、先々後悔するな、とようやく覚悟できたから。
本能のささやきがMAXになったということで。

そんなわけで
口を開けても、痛みのない大きさだと指が縦に1本くらいしか入らず
食事の度に苦痛を味わいながらも(顎の関節もこめかみもキツ~)
不思議と気持ちの上では清々しいのです。
・・・それにしても、本当に治るんかいな????

「ほら、あひょママ、口ってこんな風に開けるんだぜ。」


「あたちも見てなのよ~!」

はいはい。ありがとう。
あなたがたのために、あひょママ、耐えるよ。

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