会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

「令和」の御代を迎えて 柴田聖寛

2019-05-02 12:08:33 | オピニオン

 新元号の令和の「令」について、命令の「令」ではないかという人がいますが、「令兄」といったように、他人の親族に対する敬称としても用いられるほか、「令名」はよい評判という意味です。

 令和の御代になった今こそ、理不尽な言葉や横柄な態度で人に接するのではなく、柔和な生き方が求められているのではないでしょうか。どんな人でも成仏できるというのが伝教大師最澄様の教えですが、高邁な教義を説くだけでなく、相手に寄り添うことが大事なのです。そうでなければ、誰も話に耳を傾けてはくれないからです。

 間もなく私は73歳になりますが、昭和、平成と生きてきて、忘れることができないのは、平成23年3月11日の東日本大震災です。3分20秒も揺れていたのが、昨日のことのように思い出されます。想像を絶する事態であり、今もなお東北地方は、復興の途上にあります。16日に私は滋賀県に出かけ救援物資を集め、20日には車を運転して福島県の被災地を回りました。今と比べて若かったと思います。

 令和の御代を迎えて、私は平和で災害のないことを祈っていますが、たとえいかなる困難があろうとも、信仰の力で乗り切っていかなければと思っています。

                        合掌

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