会津天王寺通信

ジャンルにこだわらず、僧侶として日々感じたことを綴ってみます。

光孝天皇の御詠みになられた和歌の碑を境内に建立  柴田聖寛

2019-05-22 08:01:56 | 天台宗

 皇室ゆかりの寺という言い伝えは、会津地方では天王寺だけです。私どもの天王寺の縁起によりますと、第58代の光孝天皇の皇子である僧観裕が元慶2年(883)に開山したといわれます。そこで光孝天皇が御詠みになられ、『古今和歌集』と『小倉百人一首』に収録されている下記の和歌の碑を、篤志家の方の御協力を得て、今年の秋までに天王寺境内に建立することになりました。

 

君がため 春の野に出でて 若菜摘む

 我が衣手に 雪は降りつつ

 

 あなたのために春の野に出て、雪に降られながらも若菜を摘むというのは、優しさが感じられてなりません。若菜というのは、春の七草のセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)を指します。

 僧観裕が都を離れたのは30歳のときで、行基作の十一面観音像を背負って東を目指し、菩薩のお導きによって、会津高田の地を選んだと伝えられています。   合掌

 

 光孝天皇の和歌の碑が建立される予定地(天王寺境内)

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