目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

凍ったトラバース道、奥日光・高山

2019-02-24 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

高山 1667.7m 栃木県

2019年2月17日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:45竜頭の滝上駐車場9:07--高山登山口9:14--10:10休憩10:20--11:10高山山頂(昼食)11:40--12:10アイゼン装着12:35頃--12:45熊窪分岐--スノーシュー装着--13:38幕張峠--14:00石楠花橋--14:15駐車場

スノーシューで歩けるお気楽山行と思って計画した割には、ちっともそんな山行にはならなかった。Webで見つけた2,3年前の山行記録どおり、山頂への急登あり、凍結したスリル満点のトラバース道あり、むき出しの舗装路ありで、気の抜けない(?)バラエティに富む山行になった。

自宅は5:30に出発。もともとの計画が5:20出発予定だったので、やはり10分遅れだった。東北道に入ると、意外なほど空いていて、拍子抜けするくらいだった。それだけ最近はスキーをする人が減っているということなのだろう。

佐野SAで朝食をとり、順調に進んで日光宇都宮道路に入る。怖ろしいほど交通量はない。清滝ICを出てすぐのところにあるファミマで本日の昼飯を買出しして、一路、竜頭の滝を目指した。

 
左:竜頭滝上駐車場 右:駐車場から至近距離にある高山登山口。でっかい指導標がある

8:45竜頭の滝上の駐車場に到着した。すでに何台か停まっていて、お隣さんはザックを出して準備中だ。てっきり同じ高山かと思ったのだが、結局高山では誰ひとり会わなかった。

9:07駐車場を後にする。まず下山路に使う山の家の道が出てくる。それをパスして、高山登山口と大きく標示されたところから登山開始となる。 

 
左:増えすぎた鹿が入れないように柵が設けられている 右:全体に雪は少なかった

雪はそれほどなく坪足で十分。さくさく上って行くと、すぐに鹿フェンスが出てきてウワサに違わず鹿害が深刻なのがわかる。

日影の道を進んでいたものの、高山まで1.5Kmの標示のところで、山の神は着込み過ぎたのか暑いから1枚脱ぐわといって足を止めた。

 
左:ここで山の神レイヤー調整 右:陽だまりでティータイム

そこからほどなくして、ティータイム休憩にした(10:10)。なかなかの上りで汗ばんだのと、乾燥しているせいかやたらと喉が渇く。もってきたテルモスのお茶とチョコレートで元気をつける。

このあと、登山者がまったくいなかったこともあってか動物や野鳥を幾度となく目撃した。まずは進行方向向かって左手から現れ、登山道を矢のようなスピードで横切っていったテン(おそらく)。山の神にほらっと声をかけたときには、すでに姿は見えなくなっていた。しばらく進むと、枝から枝へと飛び回る野鳥たちに気づいた。かなりの個体数で、近くにも止まっていた。最初シジュウカラかと思ったが、胸にネクタイがなく、ヒガラのようだった。ヒガラの宴会場をしばらく上り続けていると、急登が目に入った。

 
左:高山の最後の急登。新雪が積もれば、雪崩が起きそう 右:誰もいなかった高山山頂

左に巻いている道もあるが、そちらには踏み後がない。踏み後のある直登コースのすぐ上方にピンクテープを発見した。間違いない。斜度はスキー場の上級者コースくらいの30度以上はありそうだ。雪は比較的締まっているが、積雪量は多く、ときどきズボッと踏み抜くこともある。キッついなあとぼやきながらも、11:10標高1667.7メートルの無人の高山山頂に着いた。

山頂では樹間から写真を撮ってみたが、あがりはやはり今イチだった(下2点)。芽が吹いて葉が出たら、まったく展望なしの山頂なのだ。

 
左:山頂から男体山を望む 右:山頂から白く輝く中禅寺湖を望む

さて、お昼にしようかと山の神に声をかけると、ここは風が冷たいから、もっと下に行こうとのたまう。でも下山路も等高線が詰まっているので、ここで食べたほうが無難じゃないかと話し、腰を落ち着けることになった。 

 
左:下り始めると凍結してつるつるの怖ろしい所も 右:アイゼン装着に悪戦苦闘する山の神

山の神のいうとおり、じっとしていると身にしみる風の冷たさだ。そんなこともあり、サクッと昼食を済ませ、11:40に下山を開始した。歩き出すと、凍結していて慎重に歩かなければならない箇所が多く、山の神が業を煮やしてアイゼンを着けようといいだした。あともう少し耐えれば、熊窪分岐に出てアイゼンは不要になるのだが、、、

安全第一。着ければ安心ということもあり足を止めた。私が8本歯のアイゼンを装着し終え、山の神を見やると、マニュアルを広げ、まだ片足も着けることができずに6本歯アイゼンと格闘していた。どれどれと私もそのマニュアルを見るが、パッと見ではよくわからない。8本歯も6本歯も同じだろうと、こうつけるのだと説明してみたものの、6本歯はちょっと違っていた。結果ここで25分くらいはいただろうか。でもアイゼンを着けたのは正解で、この安心感は絶大だった。

 
左:平坦地に出てアイゼンをはずす 右:雪深くなってスノーシューを装着

先ほどまで神経をすり減らしながら、慎重に下ったのが馬鹿らしくなるほど、アイゼンは楽チン。サクサク下って12:45に熊窪分岐。もうアイゼンははずしてもだいじょうぶそうだけど、もっと下まで行ってからにするか。そういいつつふと視線を前方の木に移すと、何か目の前を横切って飛んでいくものに気づいた。先ほどたくさんいたヒガラではなく、今度はのど元のオレンジ色が鮮やかなウソだった。次から次へとウソが何羽も現れては飛んでいった。

まもなく平坦地に出て、アイゼンをはずしてザックに仕舞う。スノーシューは今回は使わないで済むかと思っていたら、ズボッと何度も足を深みにとられる。いよいよスノーシューの出番だ。


まっすぐの雪道をスノーシューで進む

履きなれたスノーシューを機敏に装着し歩き始めたけれど、あっという間に幕張峠に到着し、その先もスノーシューと思っていたのに幕張峠からの車道はなぜか除雪されていて路面がむき出しになっていた。まさかこんな道を歩くことになるとは思わなかった。スノーシューをはずして、単調な道(左下写真)を消化していく。

やがて石楠花橋に到着。何人かの登山者の姿を見つけ、もうその辺が駐車場なのだと実感する。

 
左:幕張峠。除雪してあって鼻白む 右:石楠花橋に到着。ここを右折して川沿いに進めば竜頭の滝

竜頭の滝へとつながる川沿いを下り、14:15駐車場へ戻った。帰りは、この駐車場からほど近い三本松茶屋に足をのばし、甘酒を飲もうということになった。 1杯350円の温かい甘酒で山の神とほっこりする。

帰路は首都高で少し渋滞にあったものの、さほど長いものではなく18:15頃には無事帰宅。その後静岡おでんを供する店へ山の神と繰り出したのだった。

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塩原へのんびり山旅?Part2~新湯富士・大沼園地

2018-12-08 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

新湯富士(富士山) 標高1180m 大沼園地 980m 栃木県

2018年11月25日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:35大沼園地駐車場9:45--10:28新湯富士10:36--11:01麓分岐--大沼園地散策--11:30駐車場

前泊は、上塩原温泉まじま荘。快適な比較的広めの露天風呂に浸かってくつろぎ、とちぎ牛のしゃぶしゃぶを堪能した。ごっつあんです。

その宿を9:20頃チェックアウトし、大沼園地に向かった。宿から大沼園地までは目と鼻の先で、日塩もみじラインへ入って道標に従い左折すると、あっという間に着いてしまう。もともとの計画では、新湯から登って、新湯富士を縦走し、大沼園地を散策し、巻き道で戻る予定だったのだが、前日の安戸山でくたびれてしまったこともあり、ゆるゆるの山歩きに変更していた。

 
左:大沼園地駐車場。奥はトイレ。道路の反対側にも駐車場はある 右:新湯富士登山口

駐車場にはいちばん乗り。紅葉も終わった冬枯れの大沼園地は静かだった。冬季(12月から)は閉鎖するというトイレに寄って、9:35山の神とともに出発する。静かな山行のはじまりだった。車道をちょっぴり歩いて登山口に到着する。

 新湯富士への九十九折の道のスタート

葉が落ちた森は見通しがよすぎて、すぐに急斜面が目に入った。見るからにしんどそうだが、登りやすいように九十九折の道が付けられているし、昭文社の山地図によれば、山頂まで50分だから、それほどの長丁場ではない。

 
左:向かい側には前黒山 右:冬枯れの森は見通しがいい

途中で山の神が着込みすぎていて、レイヤー調整。向かい側には前黒山のでんとした山容が見えた。

 
2点とも:頂上付近は北八ツのような景観(下山時撮影)

どんぐりが大量に散らばった道を上がると、最後のひと登りに入る。鬱蒼とした森になり、樹下では苔むした岩がごろごろしていて、まるで北八ツのようだった。そんななかを横移動していくと、あっさりと新湯富士の山頂に着いた(10:28)。山頂には、巨大な標示板がある(左下写真)。

残念ながら、まったく展望はない。とりあえず休憩しようと、傍らの根方に山の神と腰を下ろした。まもなく新湯方面から人の声が聞こえてきて、年配の夫婦が登ってきた。だれにも会わないと思っていたから、ちょっと驚きだった。3連休だから、ハイカーや登山者がいないことはないか。

 
左:薄暗い新湯富士山頂 右:大沼園地に足を踏み入れる

元来た道を引き返し、 11:01先ほどの登山口、大沼園地との分岐に出た。そこから園地へ向けて歩いていくと、駐車場にはわれわれの車以外にも2台ばかり停まっているのが見えた。そのうち前から観光客然としたカップルが歩いてきた。1台は彼らの車なんだろう。

草紅葉となっている大沼の湖畔に入っていく。沼のほとりに出ると、あきらかに水量が少なく、水草が露出していた。まもなく雪に閉ざされ、覆い隠されるのだろうが、痛々しい感じだ。


水が少なかった大沼。撮影地点の木道は水没することもある

「ほらほら、魚がいっぱいいる」と山の神を手招きする。木道からふと下を見たら、小さな魚たちがたくさんいたのだ(冒頭の写真)。やはり冬枯れた景色ばかりのなかで生き物を見るとなごむ。


大沼園地からお椀を伏せたような新湯富士を見る

木道からは新湯富士を一望できる。たしかに富士山と呼ばれるにふさわしいお姿。形状からいって火山活動で激しく隆起したものなのだろう。この沼もそのときにできたのか。 

帰路では、ここまでお散歩に来たのか、犬連れの奥様とすれ違う。そして木道の一直線の道を抜けると、もう駐車場だった。

 
左:寒々とした園地の森は人が少なかった 右:一直線の木道を歩いて戻る

11:30駐車場に戻った。駐車場では、新湯富士の山頂で会ったご夫婦を見かける。これから園地に向かうようだった。

山の神と私は、このままサクサク帰れば、東北道の渋滞に巻き込まれずに済むなとお気楽気分で園地を後にした。前日の安戸山山行で車を停めた、アグリパル塩原(道の駅 湯の香 しおばら)に立ち寄り、野菜などを買い込み帰途についた。

都内に入って自車の200メートル先くらいで事故が起きてノロノロ運転になったが、すぐに通過できて、15:30頃に帰宅。塩原初日の安戸山は難行苦行を強いられたが、2日めの新湯富士ゆるゆる山行はこれで無事完了した。

塩原へのんびり山旅?Part1~安戸山へ戻る
 

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塩原へのんびり山旅?Part1~安戸山

2018-12-02 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

標高 1152m 栃木県

2018年11月24日(土) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:17アグリパル塩原(道の駅 湯の香 しおばら)8:37--鷹八幡宮--9:27休憩9:36--林道歩き--御野立所碑の道標から上がって道迷い--10:36小広場(安戸山分岐)--10:56尾根11:06--11:29安戸山山頂(昼食)12:00--八汐ダム方向へ道迷い、引き返す12:36--12:46分岐--13:15休憩13:20--13:58蟇沼(ひきぬま)集落14:05--15:00道の駅

11月の3連休は1泊2日でゆっくりしようと山の神と相談し、塩原の温泉宿を予約していた。それにあわせて、登れる手ごろな山はないだろうかと調べていたら、たまたまこの安戸山に出合った。自宅にあった昭文社の山地図「那須・塩原」2006年版には出ていなかったのだが、図書館で借りた最新の2018年版に登山道が実線で記されていた。Web検索してみると、山行記録もあって、道標完備で迷うことはないと出ていた。安心して出発したのだが、、、

この日、自宅を5:04に出た。東北道佐野SAで前日に買っておいた菓子パンで朝食にする。3連休の中日だけあって、そこそこの人出で、そんな観光客を目当てに屋台の店がまだ6時台だというのにオープンしていた。気合が入っている。

 
左:アグリパル塩原(道の駅 湯の香 しおばら) 右:肩切地蔵

朝食後は東北道を順調に走り、西那須野・塩原ICで高速を下りた。見慣れた千本松牧場横を通り抜ける国道400号をまっすぐ進み、セブンイレブンで今日のお昼と行動食を買出し。ほどなくしてアグリパル塩原(道の駅 湯の香 しおばら)の広大な駐車場に入った。ここにはキャンピングカーで宿泊していた人もいて、歯を磨いたり、伸びをしている人を何人か見かけた。彼らを横目に、予定より早く着いたこともあって、のんびりと準備し、山の神と8:37道の駅を後にした。

いちご狩りのビニールハウス横を抜けると、すぐに肩切地蔵が出てくる。ほとんど自然のままの、人の手が入っていないであろうお姿だ。ここを道標どおりに左に進む。やがて電気柵に囲まれたりんご畑を通過。鷹八幡宮の鳥居が目に入る。そこを左へ入っていく。

 
左:鷹八幡宮 右:薄暗い杉の林道が伸びている

しばらく陰気な杉の薄暗い道がつづき、辟易したころに登山道になる。雑木林は、だいぶ葉を落としているものの、紅葉がところどころに残っていて、目を奪われる。

9:27歩き始めて50分ということもあり、小休止をとる。自宅からもってきた、温かいお茶でひと休みだ。

 
左:紅葉が残る登山道 右:林道に出たと思ったら、地図に記載されていた林道はこの先だった

やがて林道に出てまあまあ順調だなと地図を見ながら山の神と話していたのだが、その道を進んでいくと、目指すべき本来の林道に行き当たった。道幅がもっとあって、路面が平らに整えられている。

この林道の左側に登山口があるはずと、気をつけながら進むことになった。しばらくして「御野立所碑」の矢印案内板の上に「安戸山」のものも見つけた。てっきりここを左に上がるのかと思ってぐいぐい登高していったら(左下写真)、とんだ間違いだった。あるところで右へと道が切り開かれていて、その先は行き止まり。林業関係者がつけた作業道のようだった。

引き返して元の林道を進むが、結局安戸山の尾根に上がる道はわからなかった。ただ1箇所だけ、なんの道標もないものの左手に上がっていく道があった。山の神がしきりに行ってみようと提案してきたのだが、また違う道だったら、ここまで引き返してこなければならないと思い、あえて冒険をおかすことは避けることにした。

 
左:御野立所碑の道標から上がった道は間違いだった 右:小広場から左へ上がっていく。路肩には霜柱

冷え込みの激しい日影の林道を飽きるほど歩き、小広場に出た。安戸山の道標が出ている。左へヘアピンカーブになっていて、そこを上がっていく。山の神はしきりに「寒い、寒い」とこぼし、ピッチを上げて歩き始めた。路肩の霜柱を撮影しているうちに、山の神の後姿は小さくなっていた(右上写真)。

すぐに、あまりにもプリミティブな、アキレス腱が伸びきる直登コースになった。もともと登山道なんてなかったのだろう。やけに飛ばす山の神の背中を追い続け、山頂と思しきところで、やれやれ着いたかと思ったら、そこはただのピークで山頂ではなかった。老夫婦とすれ違い、まだ山頂は先だとわかる。

 
左:山頂と思いきや、ただのピーク 右:安戸山山頂からの見晴らしはない

途中でいい加減休もうと山の神を呼び止めて、お茶タイム。前回休憩から1時間20分が経過していた。

でもそこから山頂まではすぐだった。最後のひと踏ん張りの末、11:29狭くて展望のない地味な安戸山山頂に到着した。山の神とおにぎりを食べていると、後から若いカップルと単独のおじさんがやってきた。

 下山路もすごい急坂

12:00下山開始。ピストンではなく、反対側の尾根筋を下る(はずだった)。登ってきたときと同じように、とても原始的な道でまっすぐな急坂を下るだけで難儀する。それから笹原の道になり、北側斜面に付けられた右に大きく旋回していく薄暗い道に誘導されたのだが、どうも方向が違うような気がして、戻って直進してみた。

途中踏み後がおぼろげになるも、人工物が出てきて、間違ってないのではとさらに奥へ進む。 

 
左:快適な道だったが、踏み跡がおぼろげ 右:間違いとわかり、引き返す。奥に見えるのは安戸山

しばらくして振り返ると、安戸山と那須塩原の街並みが見えた。地図を出して方向を確認すると、明らかに間違いだとわかる。このまま進むと八汐ダムに出そうだった。 

 
左:北側の登山道から回りこむ 右:林道に出たが、はて下山路は?

12:46元の道に戻り、遅れを挽回すべくピッチを上げた。薄暗い道は短く、すぐに快適な道に早がわりして山の神も私も足どりは軽い。その後すぐに林道に出て、小広場かと思ったが違うし、下山用の道標もどこにもない。安戸山への矢印はいっぱいあるのに、こっちに下りたらどこに着くのか、そうした道標はなかった。まっ、ここまで来たら、下るのみだ。

下り始めて、これは蟇沼(ひきぬま)方向に向かっているなと感じ始め、もしかしてさっきの林道を上がっていくべきだったのか。そうすれば、小広場に戻れたのかと、ああでもないこうでもないと考えていた。 

 
左:蟇沼集落に下山 右:ニホンザルが民家で食事中

結局下山地は蟇沼の集落だった。予定の全行程をゆっくり歩いても14:00には下山するはずだったのだが、ここにたどり着いた時点ですでに14:00にならんとしていた。集落の入口で休憩したのちGoogleマップのアプリをたよりに道を進んでいく。途中車道を横切っていくニホンザルの群れに出会った。何をしているんだろうと観察すると、民家の植栽の実を摘んで食べていたり、何か葉物をつまんで食べていたりした。

車道を南下していくと、酪農家がいくつもあって、乳牛たちが牛舎のなかに何頭も見える。こんなところに牧場があったのか。そこからただひたすらまっすぐな単調な道に入ると、左手に巨大な送電線の設備のようなものがあり、山の神が電力中央研究所だという。 「進撃の巨人」に出てきそうな場所だ。思わぬ余禄に遠回りも悪くないなんて思っていると、今度は道の駅手前まで来て古民家カフェを見つけた。概観は普通の農家で、中もおそらくそのままなのだろうと予想しながら、広大な庭に入っていくと、本日はお休みだった。残念。

だいぶ道に迷った割には、道の駅に15:00に到着。この日は軽く歩く予定だったのに、ガッツリ山行になって、疲労困憊だった。そのせいもあって甘いものがほしくなり、中のカフェコーナー(セルフ)で、私はアップルパイとコーヒー、山の神はイチゴチーズタルトとコーヒーをオーダーした。コーヒーを飲んでいるうちにようやく人心地ついた。

新湯富士・大沼園地につづく

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雨の古峰ヶ原高原

2018-10-14 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

古峰ヶ原(こぶがはら)峠 標高 1144m 栃木県

2018年10月8日(月・祝) 雨

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:50ハイキングコース入口駐車スペース8:04--へつり地蔵--8:50古峰ヶ原峠9:00--9:20深山巴の宿(じんぜんともえのしゅく)--古峰ヶ原高原ヒュッテ--9:38古峰ヶ原峠(昼食)10:13--10:45駐車スペース

台風25号の影響で7日(日)は強風が吹きそうだから、避けようということで、翌8日の体育の日に山行計画を立てた。天気は晴れの予報だ。紅葉を見たいねの山の神のひと言をきっかけにブックマークを入れていた紅葉情報に久々にアクセス。地域を関東にして検索したら、ここが「色づきはじめ」として出てきた。まったく聞いたこともない。いったいどの辺りなのだろうとGoogleマップで見てみると、鹿沼市ではあるものの中禅寺湖に近いところだった。しかも、古峰と書くのに、「こぶ」と読む。

古峯(ふるみね)神社の駐車場から延々と車道を歩くコースが一般的なようだが、車道をがっつりとカットして歩いているパーティの山行記録をたまたま見つけた。駐車スペースがあって、即登山道に入れるのだから、絶対にこのほうがいい。

 
左:ハイキングコース入口の駐車スペース 右:ハイキングコース入口

4:35フォレスターに乗り込み、自宅を出発した。東北道佐野SAに入り、朝食をとる。パンをかじっているとき、何げなくついていたテレビに視線を移すと、ちょうど天気予報をやっていた。栃木の今日の天気は曇りだという。え~、それはないよなあ、昨日は強風というから今日にしたのに。今日が曇りだって! 実際のところ、昨日は東京では風は強くなかったから、栃木も同じだったかもしれない。ツイてない。

その後、北関東道に入ってすぐの都賀ICで下りた。道すがらセブンイレブンで昼食の買出しをし、ナビに目的地古峯神社をセットする。交通量はさほどでもない。石切り場の奇観が遠くに見える。やがてたわわに実った稲穂が続く田園風景となり、山に分け入っていく。古峯神社の駐車場を越えてから、そろそろかと身構えていると、ハイキングコースの入口が出てきた。そしてカーブを曲がると10台程度は停められる駐車スペースがあった。満車だったら、古峯神社に戻るしかないなと山の神と話していたのに、ガランとしていて拍子抜けする。

山支度をして、8:04この駐車スペースを後にした。この間、誰も来ない。

 
左:橋がかかっているなど、よく整備された道 右:霧雨に濡れないようにと、ザックカバーを装着

相変わらず青空はかけらもない。クマ鈴を鳴らしながら、沢沿いの道を山の神と進んでいく。すぐに元の林道(旧道)なのか、広い道に出た。そしてまさにその場所に巨岩があり、その上にへつり地蔵が安置されていた。ぐるりと回りこんで、山行の無事を祈りまた歩き出した。

決して歩きやすい道ではないのだが、道幅が広い分見通しが効いていい。やがて危惧していた、いや考えたくもなかった雨が落ちてきた。小糠雨だ。こういう霧状の雨は油断していると濡れるので、まずはザックカバーを装着して、やり過ごすことにした。

 長い階段が続く

階段や、クネクネした急な登山道を登っていき、8:50古峰ヶ原峠に到着。ここは車道が通じているので、容易に車で上がって来られる。ただ駐車スペースはあまりなく、数台程度だ。到着したときにすでに車が1台停まっていたが、持ち主はいったいどこへ向かったのか、この後この車の持ち主に会うことはなかった。

 
左:車道に出るとともに古峰ヶ原峠 右:東屋で休憩

峠の東屋で休憩をとった後、深山巴の宿(じんぜんともえのしゅく)に向けて、山の神と車道を歩き始めた。小糠雨はちゃんとした雨粒に変わり、ザックカバーだけではもう雨はしのげない。私はレインウェアの上だけをはおり、山の神は折りたたみの傘をさした。時折車が横をすり抜けていく。日光市の看板が出てきた直後にヘアピンカーブのようにぐいんと左へ入ることになる(左下の写真)。

 
左:深山巴の宿への分岐 右:深山巴の宿

曲がった100メートル先に深山巴の宿の跡はあった。てっきり、建物があるものと思っていたから、あれっ何もないやと肩を落とすことになる。さらに間抜けなことに勝手に旅館と決めつけていたが、そうではなく、修行の場だったようだ。


古峰ヶ原湿原は霧に霞んでいた

つい先ほど後にしてきた古峰ヶ原峠に向けて歩みを進めていくと、古峰ヶ原湿原が右手に現れた。色づき始めた紅葉がきれいだ。これに青空が見えていたら、最高だったのだが。


古峰ヶ原高原ヒュッテ前は草紅葉

古峰ヶ原高原ヒュッテの前庭からの景色もなかなかよかった。後からジモティに聞いた話では、あまり県外の人には知られていない紅葉スポットなので、人が少なくて穴場ということらしい。 


古峰ヶ原峠への道

9:38古峰ヶ原峠へ戻って昼食にした。というのも雨がまったく上がる気配がないところにもってきて、腹が減ったからだ。東屋で食べているうちに雨が上がらないかな、などと淡い期待を抱いていたのだが、そうなるどころか事態はさらに悪化し、辺りは白い霧にすっぽりと包まれてしまった。こうなると諦めもつくというものだ。峠から三枚石・方塞山をピストンしようと思っていたのだが、またの機会だ。近いからまた来ればいいよと10:13峠を後にした。来た道を戻り、10:45駐車スペースに戻った。

時計を見て、このまま帰るのもなと古峯神社を少し見学し、あとは道の駅にしかたでお買い物となった。北関東道都賀ICから高速に上がり、東京にたどりついたのは、15:00を回っていた。

古峰ヶ原高原ヒュッテとへつり地蔵の怖いエピソードへつづく

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シロヤシオ&ヤマツツジ満開の八方ヶ原・大入道

2018-06-02 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

大入道 標高 1402.4m 剣ヶ峰 1540m 名無しのピーク 1590m 栃木県

2017年5月20日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:22山の駅たかはら8:40--9:00頃 小間々台分岐--10:00大入道10:10--11:10剣ヶ峰--11:35八海山神社(昼食)12:20--13:10大間々台13:22--14:10山の駅たかはら

5:06自宅を出る。今日は平日なのかと錯覚するくらい東北道の交通量は少なめ。順調に進み佐野SAで朝食をとる。建屋から出て、いままでまったく気づかなかったが、なんともすっきりとした富士山が見えていた。たまたま好天に恵まれ、日が昇っている時間帯で、レストラン側に足を運び、人が少なかったから気づいたのだ。山の神に嬉々としてそのことを伝え、ほれほれ、あそこと指差して眺めていると、それと気づいてご夫婦がやってきた。富士山見えるのねと奥さんが感嘆の声を上げていた。

矢板ICで東北道を下り、コンビニで昼食や行動食を買出し。一路大間々台を目指した。前に1台車がいて、同じ方向へ進んでいく。目的地は同じかといっているうちに、後ろにも車が。皆大間々台らしい。沿道をツツジが埋め始めた頃、「ツツジの季節は渋滞します」と注意を促す看板が出てきた。マジか。

 
左:山の駅たかはら(トイレあり) 右:山の駅からの登山口

小間々台のあふれる車を横目に大間々台へ向かうと、早くも路肩に車列ができていた。この分だと、間違いなくもう満車だろうな。Uターンして、山の駅たかはらに停めようと予定を変更した。

8:22小間々台よりも下の駐車場、山の駅たかはらに車を停めた。こちらは登山者ばかりなので、比較的空いていた。車外に出ると、ひんやりしていて、気温は高くない。8:40準備万端、山の神とともに駐車場を後にした。

 
左:ヤマツツジのトンネルを抜ける 右:小間々台の分岐を過ぎると、「クマ出没注意」の看板

後ろから来る家族連れの声に追い立てられるように森の中を進むと、ヤマツツジのトンネルが出てきた。思わずすごいねといわずにはいられない。すぐに小間々台の分岐に差し掛かり、ハイカーが来ない大入道側へ入っていく。すぐに現れたクマ出没注意の看板に身がすくむが、左手のほうに大間々台へ向かう大集団を見つけて、その多さにクマのことはすっかり忘れてしまった。

 
左:シロヤシオ登場 右:大入道への登りはヤマツツジのオンパレード

やがてシロヤシオが枝いっぱいに花をつけている場所に出た。反射的にカメラを構えてパチリパチリと撮りはじめたのだが、その後にこれでもかこれでもかと撮影ポイントが大量にやってくるとは、このときは知らなかった。

山の神がここで1枚脱いでいくわと足を止めると、後ろから来た年配のジモティが話しかけてくる。2,3日前にも来たんだけどね、もう1回見たいと思って。この先にまたきれいなところがあるよと教えてくれる。

 
左:薄暗い大入道山頂 右:前黒山

大入道までは、ヤマツツジが至るところで咲いていて、明るい樹林帯の中に鮮やかなオレンジの絵の具を点々と落としたような感がある。やがてそれがフェイドアウトした頃、とっても地味な大入道の山頂となる(10:00)。ここで水分補給をして一休み。

なぜか大入道には人が少なかったが、その理由はすぐにわかった。リピーターたちは、ビューポイントを知っていて、ここをあえてスルーしているのだ。山頂直下には三角錐のきれいな山がよく見える場所があった(写真右上)。休憩しているジモティの方が、私のお気に入りの場所なんですという。この方に山の名前を尋ねている人がいて、「マイクロさん」と聞こえた。「舞う」に「黒」かとか、My KURO、ミランダ・カーのサントリーウーロン茶のことかとかへんな想像が頭の中をぐるぐる巡った。あとから地図を見て、前黒山と判明。残念ながらそこへの登山道はついていなかった。


ツツジ街道の始まり始まり

このあたりから、ツツジの競演が始まった。このルートにしてよかった、こんなに咲いているとはねえと、大群落の登場に、山の神と感激の嵐だった。


大きな木になるシロヤシオ

シロヤシオの花にも目を奪われる。こんな巨木になるのかと見上げもする。山の神と私同様、ところどころで足を止めて花を愛でる登山者たちも。


新緑の道がさらに気分を高揚させる

ツツジの合間に新緑の道も出てきて、鮮やかな色彩に気分は爽快。


次から次へシロヤシオ

シロヤシオを堪能したあとには、急登が待っていた。剣ヶ峰への上りだ。反対周りの登山者が続々と下ってくる中、息を切らしながら、ガツガツ登り11:10剣ヶ峰に到着した。これまた大入道に負けず劣らず樹林帯の中の地味な山頂だった。ここで昼食の予定だったのだが、大量の小さな虫が辺りを飛び回っていて、即退散を決めた。

 
左:地味な剣ヶ峰をスルー 右:お弁当広場の八海山神社

剣ヶ峰をスルーし、釈迦ヶ岳方面へ向かう登山者を見送りながら、どこか適当な場所でごはんにしようと、ピークに向けて登って行く。剣ヶ峰到着で気が抜けていた分、きつい上りとなる。

直射日光が暑いなと不平をぶつぶついいながら、ピークを通過。ここまで来て適当な昼食場所がないなら、あとは八海山神社かと、私は昔ここに来たときの記憶をたどり始めていた。


八海山神社前から筑波山を望む

11:35見晴らし抜群の八海山神社に到着した。お弁当を広げるには絶好の場所だけあって数多くのパーティが陣取っている。山の神と私は、栃木弁全開でマダニの話で盛り上がる団体様のご近所に腰を下ろした。前方には関東平野そして筑波山、右手に足尾の山々、左手に那須連峰が見える贅沢な場所だ。

12:20十分くつろいで下山開始。当初の計画では、ミツモチ山に行く予定だったが、スタートが山の駅たかはらに変わったことと、標準コースタイムより遅れ気味だったことから、カットすることにした。


大間々台から那須岳

カッコウの声にはげまされながら、大間々台へ向けて徐々に高度を下げていく。でもそのカッコウは、まるでのどにイガイガを感じているかのようなへんな声を発するようになり、その調子っぱずれの声にこちらはズコッケながら歩くことになった。

ようやく林道に出てダラダラと下り、13:10大間々台に到着した。まだだいぶ車が停まっているなと観光客を見渡しながら休憩し、まだつぼみのままのレンゲツツジの群落を尻目に最後のひと行程を山の駅たかはらへと急いだ。

14:10疲れた~とそのまま倒れこむように山の駅に到着。帰途は山の神の希望で道の駅やいたに寄っておみやげを物色したのち、東北道に上がった。往路はあんなに空いていたのに、復路は渋滞にはまって(とくに首都高)18:30の帰宅となった。

参考:当ブログ高原山(釈迦ヶ岳)

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