目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

霞沢岳Part3

2014-09-29 | 山行~北アルプス

標高 2645.6m 長野県

2014年9月15日(月・祝) くもりときどき晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 徳本峠テント場5:55--8:15上高地バスターミナル

昨晩は強風が吹き荒れていて、恐ろしいくらいだったが、ここは峠の樹林帯の中。風の直撃を受けることなく、事なきを得た。稜線上のテント場だったら、とても寝ているどころではなかっただろう。

4:30山の神とともに起床。昨日ほどには冷え込んでいない。

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寝ぼけまなこでトイレに向かうと、徳本峠小屋の前で三脚を立て朝焼けを撮影している人がいた。私もカメラをテントに取りに行って、さっそく真似をする。しかし残念ながら、朝日が昇ってくるのは、この方角ではないんですと山小屋の人がいう。

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穂高がくっきりと見えているが、あいにくと曇り空

山の神とそそくさと朝食をとり、いちばんにテント撤収を始める。今日が3連休最終日ということもあり、昨日よりはテントの数は少ない。

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左:徳本峠テント場 右:河童橋と焼岳

5:55下山開始。霞沢岳を目指して登ってくる人たちとすれ違う。水場まで下ると、昨日徳本峠小屋で宿泊を断られて、嘉門次小屋に泊まったのだという老夫婦が休んでいた。嘉門次に泊まると、行程が1時間半は増えるので、たいへんだ。昨日の山の神と私の疲労度を考えると、身震いしてしまう。

梓川沿いの道に出ると、下山者の群れがつぎつぎにやってきた。健脚者が多く、どんどん追い抜かれる。しばらく行くと、上高地のホテルに宿泊していたのか、ハイカーの姿も見えるようになる。8:15上高地バスターミナルに到着した。次の沢渡行きのバスが8:25発というから、あわただしく、トイレに行く。山の神はしきりにお腹が空いたといい、観光センターでコロッケを買っていた。

005img_7793 さわんど温泉木漏れ日の湯

ほぼ満席になったバスは、沢渡に向けて定刻に出発した。8:55頃岩見平の駐車場に着く。車にザックを積んだら、さあ、どこか温泉に浸かっていこうと、山の神がスマホで検索を始めた。手っ取り早いのは、すぐお隣のさわんど温泉木漏れ日の湯だ。カーナビでも真っ先にここが出てくる。でも行ってみてびっくり。狭い湯船に、山帰りの男たち5,6人が所狭しと入浴していた。山の神によれば、女湯は貸しきり状態だったというから、男ばかりのパーティ。予定より早かったので、その分空いていると思ったのだが、甘かった。

さてあとは家に帰るだけだ。すでに交通量の増えてしまった道を移動し、松本から高速にあがる。しばらく順調に移動したものの、中央道は3連休最終日で当然ながら渋滞した。けれど時間がまだ比較的早かったこともあって、渋滞も短く、予想よりも早く15:00頃には家に到着できた。

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霞沢岳Part2

2014-09-28 | 山行~北アルプス

標高 2645.6m 長野県

2014年9月14日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 徳本峠6:24--7:15ジャンクションピーク7:23--9:00 K1ピーク取り付き9:08--9:25 K1ピーク9:41--10:23霞沢岳山頂(昼食)10:55--11:35 K1ピーク11:40--12:30小湿地手前12:40--13:45ジャンクションピーク13:50--14:32徳本峠

朝方かなり冷え込んでいて、まったくシュラフから出る気がしなかったのだが、起きなければ出発できない。4:57エイヤと起床。私はスリーシーズン用のシュラフをもってきていたのだが、経年劣化でだいぶヘタってきていて、スリーシーズンとは名ばかり、完全に夏用と化していた。昨晩は寒すぎて、サバイバルシートをその上にかけて寝ていた。サバイバルシートは通気性ゼロなので、かなり温かいのだ。ただちょっと動くだけで、カサカサ音が出るのが難点だが。

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左:早朝徳本峠のテント場から穂高を望む 右:左からジャンダルム、奥穂高岳、前穂高岳

5時台にはもう皆が続々と霞沢岳へ向けて登り始めた。山の神と私も早く出発しようとバタバタと準備をしていたのだが、明らかに出遅れた。小屋のトイレには行列ができていた。そのせいもあって出発は、6:24。しかしまだ小屋周りには大勢の登山者がいた。

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左:徳本峠のテント場を出発 右:ジャンクションピーク見晴らし台からの眺め

すぐに急な登りになる。改めて地図を見ると、このジャンクションピークへの上り、そしてK1ピークへの上りが等高線が詰まっていて、たいへんそうだ。

7:15あっけなくジャンクションピーク見晴らし台に到着した。歩き始めたばかりだから、山の神も私もまだ元気いっぱいなのだ。見晴らし台からの眺めはといえば、雲海が遠くまで広がっていてすばらしい。後からやってきた方は、カメラを左から右へと動かし、雲海を派手に連写していた。

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左:突然現れた崩壊地 右:梓川と蝶ヶ岳・常念の山並み

ジャンクションピークから、しばらく下っていくと、白く光るものが見えた。近づいていくと、意外にも小さな池、小湿地だった。そこから体力を奪うアップダウンが続く。突然台風で崩れたのか、採石場並みに山肌をえぐられた崩壊地に出る。登山道も崩れたようで、新しく草木を刈って付けた道をたどることになる。振り向くと、梓川が下方に見える。

そのうち狭い登山道の傍らで休憩をとる2つのパーティに出くわした。追い抜いてはいくものの、われわれもそろそろ休憩をとりたい。斜面にトリカブトが群生している草地を登っていく。適当な休憩場所はない。そうこうするうちにK1ピークへの取り付き点まで来てしまった。強引に岩場の上に乗り、そこで休憩をとることにした。途中で追いついた単独行の年配の方も、休憩できるところがないと嘆いていた。

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雲がかかってきた笠ヶ岳

激しい上りを制すると、K1ピークに達する。見晴らしは抜群だ。笠ヶ岳のとんがりや上高地の帝国ホテルの赤い屋根が遠望できる。奥穂の灰色の山塊も見える。

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K1ピークから奥穂高岳

もう霞沢岳を登って下山してくる人が、K2ピーク方面から息を切らしてやってくる。彼らをやりすごしてから出発だ。それにしても人は多い。徳本峠小屋ではふとん2枚に3人で寝たといっていたから定員より多い人数。そうした小屋泊まりの人たちや、めいっぱい張られたテント泊の人たちも、ほぼここに押しかけて来ているのだから、当然なのだろうけど。

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K2ピークと霞沢岳

K1ピークから一気に下って、稜線を移動していく。右手に焼岳が迫る。崩壊地が生々しく地肌を見せている。

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焼岳が目の前に迫る

霞沢岳の狭い山頂には10:23に到着した。ちょうど霞沢あたりから白いガスが巻きあがってきて稜線を越え、やがて焼岳もその姿を隠すほどの勢いであたりを覆いつくした。山頂では、北関東なまりの方々が昼食中だった。山の神と私も奥の隙間へ移動して昼食にすることにした。腰かけていると、後から1組のパーティが到着する。途中追い越した単独の年配者も到着して、立錐の余地もない混み方になる。早々に食糧を腹に詰め込み、山頂を後にした。

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左:霞沢岳山頂 右:小湿原にはサンショウウオ(?)がいた

下り始めると、ガスがとれ、日が差してくる。隠れていた山々が再び姿を現し始めた。K1ピークには11:35着。あれだけ大勢いた登山者も潮が引いたようにもういない。登ってくる人もまばらになる。

K1ピークからの長い急な下りを慎重に進み、その後アップダウンを繰り返す。ヘトヘトだよと山の神に声をかけ、休憩にした。今回の山行では、初めて行動食として、ドライフルーツを持って来ていた。山の神がチョイスしてきたもので、歯ごたえがあって見た目よりもイケル。そんな行動食を口に入れると、エネルギー充填、元気が湧いてくる。

再び歩き始め、すぐに小湿原に出る。池のなかに黒いものがうごめいているのが見えた。近づいていくと、大きなおたまじゃくしのようなものが何匹も泳いでいる。サンショウウオなのか?

13:45まだかまだかといって、ようやくジャンクションピークにたどり着いた。あとは下り一辺倒なので、山の神とともにホッと一息つく。テント場に着いたのは14:32。ほんとうにクタクタになった。ザックをテントに放り込むやいなや、徳本峠小屋に入って350ml缶のビールを購入。山の神とグビグビやって、多少なりとも生き返った。

霞沢岳Part3へつづく
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霞沢岳Part1

2014-09-21 | 山行~北アルプス

標高 2645.6m 長野県

2014年9月13日(土) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:50沢渡市営第4駐車場(岩見平)9:25--9:55上高地バスターミナル10:00--10:54明神館(昼食)11:15--12:15休憩12:25--水場--13:15徳本峠

20数年ぶりに上高地に足を踏み入れた。途中釜トンネルはきれいになっているし、大正池はバスの中から見えていたのかなど、へえと感心することしきりだった。着いてみれば、人の多さもさることながら、巨大な建物がバスターミナル周辺にできていたのには驚かされた。

さて、時間を巻き戻して、出発から書き起こしていこう。

3連休ということで、渋滞を避けようと4:40家を出た。いつものようにモタモタして予定より10分遅れだ。それが影響したのか中央高速にあがると、もう結構な交通量になっていて、3連休のすごさを思い知らされた。甲府近辺では、車が1台横転しているのに出くわした。前後に追突した(された)と思われる車が1台ずつ。突然私の前を走る車がハザードランプをつけるので、なぜと思ったらこんな事故が起きていたのだ。まだ救急車も警察車両も来ておらず、事故は起きたばかり。1車線がふさがれていた。頭から血を流している人も見受けられたが、大事には至っていないようだった。当事者たちは呆然と路肩に座り込んでいた。私たちが予定どおり出発していたら、この事故に巻き込まれていたかもしれないと考えると恐ろしい。

境川PAで朝食をとり、その後は順調に高速を走り、松本ICで下りた。さあ、山間部に入る前に買出しだと、山の神とコンビニに入る。しかし観光客の多さのせいなのか、時間のせいなのか、棚におにぎりやパンがない。では次だと移動したのだが、そこも似たようなもので、さびしい品揃えだった。その次のコンビニも同じじゃないか、行ってみてないと困るなと腹をくくり、ここで必要なだけ食料を調達した。

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左:沢渡市営第4駐車場(岩見平) 右:上高地バスターミナル隣接の観光センター(お土産店)

沢渡(さわんど)には、8:40頃到着した。手前の駐車場はすべて満車。市営第2駐車場に行くと、日帰りですか、泊まりですかと聞かれ、泊まりだというと、第4に行ってくださいといわれる。予想以上にすごい人だ。指示された第4駐車場に車を停め(1日¥500)バス停に向かうと、バス待ちの人がまばらにいる。上高地バスターミナルまでの往復チケットを購入し(¥2,050/人)、やれやれと思っていると、来るバス、来るバス満席で、補助席にお願いしますといっている。しかも2,3人ずつしか乗車できないから3台くらいをやりすごすことになった。そしてようやく乗れたバスは、さわんどバスターミナルからの乗客が満車になって途切れたようで、ガラガラだった。

上高地バスターミナルに着いてみると、すごい人だった。トイレも人だらけ。案内板の前や、観光センター前はハイカー、登山者であふれかえっていた。10:00頃山の神と梓川沿いを歩き始めたのだが、われわれの前後にも多数の人。のんびり歩くハイカーを追い越すと、今度は後ろから来た健脚の登山者が追い越していく。

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左:梓川沿いのお散歩道を行く 右:明神館前で昼食

小一時間で明神館に着いた。ここも人だらけ。空いているベンチに腰かけて、ちょっと早いが昼食にした。なにせ早朝に軽く朝食をとっただけだったので、お腹が空いていたのだ。山の神とサムいコンビニの棚からチョイスしてきたおにぎりを食べる。「私はなぜエビマヨを選ばなかったのかしら」と私の手元を見て、つぶやく山の神。「それはね、ひとつしかなかったエビマヨを私がとったからだよ」。

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左:徳本峠への分岐 右:デビューしました、山の神の真っ赤な新品デカザック

明神館を出ると、すぐに分岐にさしかかった。前を歩いている人につられて行き過ぎてしまうところだ。山の神がここだと指差す。誰もここを折れていく人はいないが、山の神と私は徳本峠に向けて薄暗い道を進んでいった。

すると、前から年配の夫婦が下山してくる。やっぱり歩いている人はいるよ。そのうち後ろから超高速の長身20代単独行者。しばらく歩いていくと、ぽつりぽつりと下山者とすれ違う。

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左:トリカブトがいたるところで咲いていた 右:徳本峠小屋

山の神いわく、「徳本峠小屋は水が乏しいから、水場で汲んでいくといいよ」。水場、水場と。そう思って登っていたのだが、もののみごとに見落とした。まさにその場所に大勢の人がいたのと、予定よりも早く着いてしまったのが影響した。水場は、もっと上にあるはずだと思い込んでしまった。こんなに早く着くわけがないと。2日後の下山時にその水場にさしかかり、「最後の水場」の標示を見つけた。人がたくさんいたら、見えないし、まず気づかないだろうなとそれを見て思った。

13:15徳本峠に到着。徳本峠小屋でテント泊を申し込む。1人¥700/日。この時間でもう狭いテント場はほぼいっぱいになってしまった。後から到着したテント泊のパーティは、小屋裏のヘリポートにテントを張ることになった。むしろそのほうが広くてよさそうだったが。水は水場に戻って汲まなくとも、小屋で販売していた。ただ¥200/?とガソリンより高い。ヘリで荷揚げしたミネラルウォーターのようだった。

テントを張ったあとは、昼寝したり、もってきたシングルモルトをなめたり、文庫本を読んで過ごした。瞬く間に時間は過ぎる。周囲が夕餉の支度に取り掛かる中、山の神と私も17時過ぎ、アルファ米にお湯を注いだ。家からもってきたビールを開け、乾き物をつまみながら、ささやかな晩餐がスタート。明日はいよいよ霞沢岳だ。

霞沢岳ピストンにつづく

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鷲羽・水晶・雲ノ平・三俣蓮華・双六エピローグ~遭難考

2013-10-21 | 山行~北アルプス

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雲ノ平山荘から満月を見る(9月20日早朝)

2013年9月19日(木)に雲ノ平山荘に泊まった。そのときに同室の年配夫婦から聞いた前日の遭難騒ぎについて記しておこう。同室の年配夫婦は、この日で2泊目ということだった。

18日(水)16時半頃、70代男性が雲ノ平山荘に到着。女房があとから来るからと2人分の宿代を払って到着を待ったという。たまたま同室となったこの年配夫婦は、なかなか来ませんねえと、案じたものの、男性は意に介することもなく、いつものことだからと平静を保っていた。しかし、日が暮れてきても、いっこうに到着しない。

さすがに食事も済ませてしまうと、皆が心配になってきた。年齢も70代。山の神と私も前日水晶小屋に泊まっていたときに、小屋のスタッフが無線で応答する一部始終を聞いていた。「道に迷っている? こちらには来ていない」と。だれかが小屋に到着できずにいる。たいへんだ。遭難なのか?と思ったわけだ。

日がとっぷり暮れてから、捜索活動は始まった。雲ノ平山荘のスタッフが3人で、ご主人が口にしたコースをたどっていく。二重遭難を避けるため、ご主人には山荘に残ってもらう。その日は月の明かりが皓々と辺りを照らしていて明るかったのが、幸いした。

70代の奥さんは、祖父岳のふもとでうずくまり、誰かに見つけてもらいたくて、笛(ホイッスル?)を吹いていたという。日没後は冷え込んだから、防寒着を重ね着し、ビバークするつもりになっていたようだ。山荘のスタッフが笛の音に気づいて、無事保護。山荘には、22時半頃到着した。

そもそもなぜこんなことになったのだろう。聞いてみると、ご主人の亭主関白ぶり、横暴に驚かされる。奥さんと一緒にいたのは、三俣山荘までだという。そこから自分だけ振り返りもせず、スタスタ歩いて雲ノ平山荘に来たのだ。まるで単独行ではないか。

その話を聞いて、山の神とあきれ返ってしまった。いまどきそんな人がいるとは……

この話をしてくれた年配夫婦は、いたって仲良しで、最後にこう締めくくった。うちの女房はひざが悪くてね、調子が悪いとどんどん遅れるから、今日は何度も何度も振り返ったよと旦那さん。照れ笑いをしていた。

けれど、遭難しかかったこの70代の奥さんは、今後どうするのだろう。ご主人とはもう2度と山に行かなくなるのか、あるいはご主人が心を入れ替えて再びいっしょに山に行くのだろうか、どちらなのだろう。

夫婦で歩かれている方、奥さん(旦那?)が後ろから、ちゃんとついて来ているか、時々振り返りましょうね。

 

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鷲羽・水晶・雲ノ平・三俣蓮華・双六Part4~三俣蓮華岳・双六岳

2013-10-20 | 山行~北アルプス

000img_6972三俣蓮華岳 標高 2841m 双六岳 2860m 富山・岐阜・長野県

2013年9月20日(金) 晴れ   9月21日(土) 晴れ

コースタイム 
9月20日 雲ノ平山荘6:11--雲ノ平キャンプ場水場--雷岩6:50--7:28祖父岳分岐7:37--日本庭園--8:40黒部源流8:50--9:26三俣山荘分岐9:36--10:20三俣峠10:25--10:39三俣蓮華岳(昼食)11:20--12:32双六岳12:50--13:30双六小屋(泊)

9月21日 双六小屋6:16--7:14弓折岳分岐7:20--7:55鏡池8:03--9:30秩父沢越えた地点9:40--10:38わさび平小屋10:58--ニューホタカ(入浴)12:50--13:00新穂高ロープウェイ駅

5:00頃起床。5:25には雲ノ平山荘のスタッフから朝食の用意ができましたと伝えられ、宿泊者が続々と食堂に集まった。暗いうちに出発している夫婦や単独者もいて、こぢんまりとした食卓となる。

朝食後、皆三々五々出発していく。

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左:凍てつく雲ノ平山荘前 右:霜柱がいたるところに

6:11私も山の神とともに山荘を後にする。外は冬の様相を呈していた。至るところに霜が降り、霜柱も立っている。空気も張りつめ冷え込んでいる。しかし、足元の木道は危惧したようにすべることもなく、スタスタと歩けた。まっすぐ雷岩へ向かい、そこに荷物をデポして、昨日と同じように水汲みに向かった。水を容器2つにいっぱいに詰めて雷岩に戻り、6:50再出発。いよいよ雲ノ平ともお別れだ。

スイス庭園からぐるりと回りこんで祖父岳の分岐へ来ると、雲ノ平山荘で一緒だったアーティスト氏がスケッチブックを広げていた。早朝の薬師岳をスケッチ中。いい作品に仕上げてください!

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左:祖父岳を巻く 右:黒部源流を渡る山の神

7:37分岐から祖父岳を巻いて、日本庭園に入る。名前は立派なのだが、そんな風情は微塵も(!?)なく、いつの間にか荒地になる。そこから黒部源流をはるか下方に見る急斜面に出て、ひざをガクガクさせながら、下っていった。源流に出ると、三俣山荘のスタッフなのか、イワナ釣りの人がいて、ポイントを探して上流に移動していった。

源流を渡って、山の神としばし休憩をとり、三俣山荘につづく道に入る。すぐに「黒部川水源地標」の石碑(冒頭の写真)が出てきた。けっこう立派なものが建てられていて驚いてしまった。そこを過ぎると、登山道に水があふれている箇所が何度も出てくる。足場を選んでどんどん上っていく。しかし、ふと気づくと、山の神がいない。いつの間にやら、はるか後方を歩いていた。

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左:三俣蓮華のガレ場を登る 右:三俣蓮華岳山頂

昨晩もいまひとつ熟睡できなかったとこぼす山の神。今回の山行はすこぶる不調だ。それでも三俣山荘の分岐まで上がり、9:26休憩にした。予定より遅れ気味だが、本日の行程はさほど長くないので、影響はほとんどない。

山の神はその後もバテバテだった。調子があがらず、いらだつ山の神をなだめながら、三俣峠から急なガレ場を一気呵成に上る。三俣蓮華岳の山頂には、10:39に到着した。今日も快晴で、山頂からの見晴らしは抜群にいい。

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左:目の前に黒部五郎岳 右:双六岳への道。右奥に笠ヶ岳

時間はまだ早いものの、昼食にした。目の前に黒部五郎岳が見える地点に腰を下ろし、雲ノ平山荘でつくってもらった、弁当を食べる。けっこうなボリュームだ。腹がくちくなったところで、山の神も元気が出て、エンジン始動だ。

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左:双六岳標柱 右:双六岳山頂の巨石

昼食中に黒部五郎岳へ続々と登山者が向かっていったが、山の神と私はもう帰途につかなければならない。黒部五郎はまたの機会ということで、11:20双六への稜線を歩き始めた。明らかにこれから核心部へという9人パーティともすれ違う。うらやましい。

双六岳山頂には、12:32に到着した。先着様が2,3人いて、今日は双六小屋に泊まるんだと会話をしている。考えることは皆同じ、計画も似ているのだ。でも、このまますぐに下ってしまうと、時間をもてあましそうだ。

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槍へと続く道

12:50下山を始める。一本道の先にちょうど槍の穂先が見えてくる。面白いねと、パチリ(上の写真)。平坦地から一気に下降していくと、軽装の登山者が何人も登ってくる。ピストンで双六岳のようだ。今日は双六小屋泊まりで、明日西鎌尾根を行くのだろう。

13:30今日のお宿、双六小屋に到着した。ザックを小屋に入れたあとは、外のテーブルで山の神と生ビールだ。ゴクゴクやっていると、昨日雲ノ平山荘で写真談義をした彼が現れた。今日は、鏡平山荘に泊まるという。じゃあね。

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2点とも:双六小屋。右は小屋のスタッフに撮ってもらった

双六小屋は、定員いっぱいにはならず、ゆとりのスペース。相部屋になったのは仙台から来たというご夫婦だけだで、あまり気兼ねせずに過ごせたのはラッキーだった。しかも夕食の双六小屋名物、野菜天ぷらは美味。山の中で天ぷらが食べられるとはね。

翌朝は5:00前に起床。5:15食卓はすでに登山者でにぎわっていた。80代のおじいさんもいて、意気軒昂。今日は槍へ向けて出発とのことだ。6:16双六小屋を後にする。今日も晴れていて気持ちがいい。見上げるとハケ雲が出ていて、秋の空を思わせる。

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ちょっと色づく道。弓折乗越手前

7:55鏡平まで下ると、登山者が大勢休憩していた。山の神に人が多いなあといっていたが、鏡平は序の口だった。3連休初日だけあって、来るわ来るわ、登山者の波。次々に登って来て、そのたびに下山組は、待ち、待ち、待ち。静寂の山が好きな人は、これを避けんがために、人の少ないルートを選ぶのだろう。竹村新道なんて、ほとんど人がいないようだし。

10:38わさび平小屋に到着。ザックを下ろして、甘いジュース(¥200)を飲んでパワー充填。気分はもう、林道歩きだけなので、下山したようなものだ。

林道のゲートを出ると、目の前にニューホタカがある。ここで一風呂(¥500)浴びることにした。風呂場に行くとだれもいない。手足を伸ばして温泉に浸かれた。そこからロープウェイの食堂に移動し昼食。麺類をつるつると食す。ごっつあんでした。

さて、それからゆるゆると平湯温泉に移動し、旅館たなかにチェックイン。温泉三昧で翌朝東京への帰途についたのだった。

 

エピローグ~遭難考へつづく
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