2015年2月1日(日) 雪(下界の天気は晴れ)
昨年末に行った雫石スキー場で、スノーボードの右足ブーツは地下足袋のようになってしまった。なぜかって、リフトを降りてスケーティング体勢になったときに、こともあろうに靴底がものの見事にはがれたからだ。まるでまっ黒い足跡をそこにつけたようだった。左は板に固定しているから、壊れてもどうってことないのだが、右はそうはいかない。それからはリフトに乗るたびにゴムの靴底をポッケに入れて、乗る羽目になった。山の神は笑いこけていたが、意外なことに周りの人は、この事態に気付いていなかったようだ。
こんなこともあって今シーズンは、まだ1回しか滑っていないのに、もう終わりにしようかと思っていたのだが、ビクトリアのクリアランスセールのチラシを見てしまった。とにかく安い! しかし、つい今シーズンはスノーシューを買ってしまったしなと思い悩むこと、数分。結局山の神とビクトリアに行くことになった。
買ったからには使わねばということで、行く先探しになった。気分一新、どうせ行くなら、まだ行ったことがない所にしようと日帰りで行けるめぼしいところを調べていく。そういや、四阿山に行ったときにゴンドラに乗ったなと思い出した。スキー場だったはずと検索すると出てきた。パルコール。行ったことはない。雪質がよくて、コースがそこそこ充実しているようだった。
ここだと山の神とともに勇んで出発した。行ってみてわかったが、東京から行くにはアクセスがすこぶる悪い。碓氷軽井沢インターで下り、有料の鬼押しハイウエイを通って45kmもある。しかも大失敗した。上信越道の甘楽PAで朝食をとり、出掛けになにげなしにカーナビの設定をしたのだが、高速を走っていたので、有料優先と入力してしまった。高速を下りると中軽井沢ではないほうに誘導される。こっちのほうが近いのかとそのまま走っていくと、有料道の白糸ハイランドウェイに入ってしまった。ひえ~。見かけた車はたった2台で優雅ではあったものの、しっかり¥400とられた。
白糸ハイランドウェイを出てすぐに鬼押しハイウェーに入る。容赦なく2回もお金をとられた。¥270+¥370。裏技があるようだが、しばらくはもう行かないだろう。むしろ渋川伊香保インターから行ったほうがいいという人もいる。鬼押しハイウェーは、浅間山の麓を抜けていくのだが、あいにく山の大半は雲に覆われていた。
スキー場に到着すると、見覚えのある建物が目の前にそびえていた。山の神はちっとも覚えておらずがっかりしたが、ここに来たのは、四阿山登山の2010年の夏以来だった。ゴンドラ乗り場でバブル期を超える30分以上も待たされて、ようやく10:30頃ゴンドラに乗り込んだ。相乗りになった地元のご年配の方は、平日はガラガラなのだが、、、とコボしつつ、コースの説明などをしくれる。ゴンドラが上へ進んでいくほどに風は強くなっていき、ゴンドラは揺れる。そのうち地元のご年配者は、今日は1本滑ったら帰るかなとつぶやいていた。左腕には、シーズン券が輝いていた。
ゴンドラの終点に着き外に出るとなにか見覚えのある鐘があった。「愛妻の鐘」と書かれている。鐘はもっと上にあったはずだけどなあ。名前も違っていたような気がするが、最初からこの名前だったのか。帰りがけに下のほうで愛妻の丘というのがあったので、それに合わせて名称を変更したのかもしれない。たしか2010年の夏は、ここから直登して、尾根に出て四阿山に登ったと記憶している。そんなことを思い返しながら、上のほうで滑っていると、ゲレンデの端っこに夫婦らしき登山者がいた。この日は、下界は晴れていたのだが、山には雲がかかりゲレンデの大半は雪が舞っていた。ゴンドラ終点あたりは強風が吹き荒れていて、ホワイトアウト寸前だった。こんな天気なのに行くのか? いや帰るんじゃないのかなどと山の神と話していた。
上のほうのコースは、強風で粉雪が吹き飛ばされてガリガリの箇所が多いし、視界も悪かった。気温はマイナス11度で風が強い分、体感温度が著しく下がっている。コンディションは最低だったが、すぐに帰るのはもったいないと何本か滑った。ただゴンドラがまともに稼動していないおかげかコース上の人は少なくストレスなく滑れた。
ゴンドラ内で地元の方と話題になったウェーブコース。行ってみようと山の神を促して突入したのだが、とんだ笑い話になってしまった。前を滑っていたボーダーに釣られてちょっと大きめに見えたウェーブに入った。傾斜のトップに赤い線があり、前の人がやったように、そのあたりで軽くジャンプすると、ものすごい急斜面が目の端に入った。あれ、これはジャンプ台じゃないかと、アホなことにこの時点になってようやく気づいた。肝を冷やすとはこのことだ。着地どころではなく、たちまち怖くなって自ら腹ばいにこける。上からずるずるとズリ落ちてようやく止まった。後からリフト上で現場検証をしたのだが、事前に知っていれば絶対に行かないところだった。恐れ知らずの中年になってはいけないと肝に銘じた。その後さらに笑ったのだが、コースガイドを見返してみたら、そこはウェーブコースではなく、隣のスノーパークだった。
14:00、近くにいたグループが寒すぎるから帰ろうといっているのに後押しを受け、山の神と私も帰ることにした。今まででいちばん早い(?)撤収になったかもしれない。駐車場に行くと、早々と帰途につく人たちがいた。われわれと同類。