目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

国師岳・北奥千丈岳・朝日岳

2011-09-21 | 山行~奥多摩・奥武蔵

国師岳 標高 2591.8m 北奥千丈岳 2601m 朝日岳 2579m 山梨・長野県

2011年9月18日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 大弛峠手前路肩8:30--トイレ8:40--9:40朝日岳山頂9:50--10:45大弛峠10:55--夢の庭園--11:43北奥千丈岳(昼食)12:15--12:25国師岳12:33--13:10大弛峠

3連休の中日に天気がよさそうな山域を探して、ここを選んだ。7月に富士見平から金峰山・瑞牆山に行っているので、コースを変えて1998年以来の大弛峠からのダブルピストンを試みることにした。ただし今回は、金峰山までは足をのばさず、朝日岳までで峠に戻り、そこから逆側の国師・奥北千丈を目指した。

5:00過ぎに中央高速にのったが、すでに交通量は多かった。まだまだ休日¥1,000の余波は続いているようだ。談合坂SAで朝飯を食べ、勝沼ICで高速を下りる。塩山を通って牧丘町へ。そこから林道をひたすら走り続ける。途中コンビニに寄っているが、勝沼ICから約1時間半で大弛峠近辺にたどり着いた。峠までのアクセスについては大弛小屋のHPがわかりやすい。

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左:大弛峠のトイレ 右:金峰山・朝日岳登山口

事前にネット検索して道路状況をチェックしていったが、誰かのブログで読んだとおり、道はいつの間にかきれいに舗装されていて、そのせいか車は多かった。98年当時は、未舗装でえぐれた箇所があり、四駆以外の車は四苦八苦して歩くようなスピードでそろりそろりと走っていたのだが、今やスイスイ何の足カセもなく走っていける。

峠近くに着いた時には間が悪く、峠の駐車場に車を置けなかった人が、回転場所から再び降りてきたところだった。路肩にはもう車がバンバン停まっていたから、当然すれ違うことはできない。そのうち後ろからも車が来る。お互いに立ち往生となり、車を降りて状況をきき、われわれが延々バックして戻る羽目になった。後から来た車にも事情を説明しバックしてもらう。山の神はそれを聞くや勢いよく道を駆け下っていき、後続の車をシャットアウトした。すばらしい。でも登る前からこれで疲れてしまった。

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左:北八ヶ岳のように縞枯現象 右:朝日岳頂上直下の露岩地帯。展望がいい

峠の立派なトイレを利用して、8:40出発。まずは朝日岳を目指す。ここからの上りはゆるやかですぐ稜線歩き、横移動となるから、かなりの楽チンコースだ。そのため山初心者が多く、マナーの悪い人が目立った。登山道をふさいで休憩していたり、後ろから追いついてきているのに、まったく意に介さず道を譲らない。ひどいもんだ。山の神もプンプン。

朝日岳への途中で、目の前が開けた露岩地帯(右上の写真)があった。ここからの展望はなかなかのもので、ちょっとしたビューポイント、そして休憩ポイントだ。

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左:朝日岳山頂 右:朝日岳山頂から富士山を望む

朝日岳山頂には9:40に到着した。先着の若者パーティがおしゃべりに夢中になっている。足ならし山行なのか、だいぶのんびりしていて、われわれが出発してもまだ山頂にいた。ここからの展望もよく、富士山がばっちり見えた。

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左:大弛小屋 右:木道がつづく国師・北奥千丈への道

朝日岳からはピストンで大弛峠に下った。ハイカー、トレッカーと続々とすれ違う。よくぞまあ、これだけの人がというくらいやってくる。峠まで下りて一服する。樹林帯の中に大弛小屋が見える。ここではコーヒーを供しているので(もちろん有料だが)、くつろぎたい方はどうぞ。

小屋を越えると、すぐに木道が現れた。登り始めてすぐに思い出したのだが、この木道に前回は苦しめられた。前回は金峰まで行ってからのピストンだったからなおさらだ。今回も同様に息は切れ、あごがあがってくる。

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北奥千丈岳。右に富士山

開放的で眺めのいい「夢の庭園」を経由して、まずは北奥千丈岳へ向かう。木道が終わると、すぐに国師との分岐点に出る。そこから山頂まではすぐだ。北奥千丈岳には11:43に到着した。7月に行った金峰山ほどではないが、人は多めだ。目の前には、金峰の五丈岩が見えている。すぐにそれとわかる突起物だから、まず晴れているかぎり、金峰山とすぐにわかる。

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左:北奥千丈岳山頂 右:金峰山と山の神

山頂でお昼ご飯にする。見渡すかぎり青空が広がっているのだが、周囲の山に雲がだいぶかかっているのがちょっと残念だ。北アルプス方面は全滅だった。でも先日まで雨に祟られていたことを思えば、贅沢はいえない。

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左:国師岳山頂 右2点:山梨百名山の碑の前で

北奥千丈から10分ほどの移動で、国師岳に到着した。ここも人が多く、ほとんどの人がランチタイム。ちょっとだけ腰を下ろしてお茶を飲み、下山開始だ。歩きにくい木道を再びたどり、大弛峠には13:10に着いた。

そしてまたもや車の転回に気を遣うことになった。動かす前に2、3台通過していったから、峠に上がって転回しようとしたら、またバックすることになりそうだった。しかたなく、なるべく近くのスペースで車をちょこちょこ動かして向きを変えた。これって結構なストレスになる。駐車場を増設してほしいけど、そんなスペースないしムリだろうね。

帰りは、往路同様1時間半ほどで勝沼ICに着いた。高速にあがって、あれ、たいして混んでいないと思ったのは気のせいで、すぐに渋滞にはまった。でも、プラス1時間15分くらいだったから、まだましか。 

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ブログスタート1周年を記念して

2011-09-19 | このブログについて

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HPをつくろうとして最初にセレクトしたカバー写真

早いもので、ブログを始めて1年余り。もともと山に関するHPをつくりたかったのだが、どうも自分でつくり始めてみると、仕上がりがダサい。昨日までつくっていた作業途中のファイルを開くと、デザインは悪いし、写真もよくないしと自己嫌悪に陥る。その点、ブログは極端なダサさに陥ることがないのがいい。あらかじめ多くのテンプレートが用意されていて、自分のブログのテーマに合ったデザインを選択できる。このテンプレートのおかげで、素人臭がだいぶ軽減され、見目麗しく装えるからね。結果、HP作成を2度も中途で投げ出したこの私も、ネットデビューを果たせることになった。

ところで、フツーならブログのスタート時に、このブログはああでこうでと、これから始めるブログの中身を懇切丁寧に説明するのであろうが、本ブログはいきなり山行記録を書き始めるという暴挙に出てしまった。第1回目は祖母山。いま冷静に考えると、そら恐ろしい始まりだ。さも何年も前からやってますよ的でだしだ。というわけで、もう今さらいらない! 必要ない! といわれそうだが、このブログのテーマや掲載している記事について、ちょっとだけ記しておこう。

まず最初に山の神。なんのこっちゃと思われるが、我が妻(さい)のことをこう呼んでいる。歌舞伎に登場してくる口うるさい女房を指しているわけではないので、念のため。山の神とは2001年ごろから頻繁にいっしょに登るようになった。その後いつの間にか人生のパートナーとなっている。このブログでは基本この2001年の山行記録から現在までをとりあげていくつもりだ。だから最近アップしていても、じつは10年前の記録だったりするわけなのであしからずそのときどきの気分で、時間を前後して過去の山行を書いていくという気まぐれも起こすのでご注意を。いらぬ誤解を招かぬよう、山行記録の冒頭に訪れた年月日を入れているので参照されたい。

とりあげる過去の山行記録の基準は、データがまずまずそろっていること。カメラを忘れて写真がないようなものや、手帳にコースについて何も書いていない、記憶をたどっても何も思い出せないものは、原則載せないつもりでいる。まあ、写真がなくとも面白いエピソードがあれば、載せるかもしれないが……。

おおまかにいえば、このブログは、訪れた山の記録であるが、それ以外に本についても書いていく。以下の2大要素で構成される。

  • 山行記録(標高、場所、日付、天候、コースタイム、登高の状況など。2001年から現在まで)
  • 読書日記 山好きのアンテナに引っかかるようなネイチャーものや冒険譚、ルポ・小説など

場合によっては、街歩きの記録も登場する。今年の8月に雨で立山を断念しているが、断念後に能登を経巡った話をアップしている。いずれ毎年正月恒例にしている七福神めぐりについても書いてしまうかもしれない。

カヌーも2度ばかりやっているので、いずれ登場させようかと思う。カナディアンカヌーの操船はなかなか難しかったが、かなり楽しめた。

最後にサイドバーについて説明すると、好き勝手にDVDや高山植物ガイドなどを載せている。加えて、私がブックマークしている山関係のアドレスを載せている。カテゴリーは山域別に分けているので、過去に掲載した記事はここから見られる。履歴は1年分が表示されているが、これはあまり使えないかもしれない。一応過去の山行記録はその月に入るようにはしているが、多少のずれはある。

では、ひきつづき「目指せ! 標高1122メートル」をよろしく!

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火打山・妙高山Part2

2011-09-14 | 山行~信越

Part1のつづき

コースタイム 2001年9月9日(日) 黒沢池ヒュッテ7:00--7:20頃 大倉乗越7:25--8:50休憩9:05--9:35妙高山山頂--9:40祠9:55--10:50燕新道分岐10:55--11:10長助池(昼食)12:05--12:50黄金(こがね)清水13:05--13:50大倉沢14:10--15:00燕温泉

黒沢池ヒュッテは八角形のドーム型でなかなかイカしたデザインだ。でも、公式HPにリンクを張ろうかとネット検索していたら、最近の悪評がヒット。私が泊まったときには、そんなことは微塵もなかったのだが。スタッフが代わると、評判も変わるわね。すべて人で変わるのだよ。

最近はそのせいか空いているらしいが、私が山の神と泊まったときにはごったがえしていた。3Fで宿泊。素泊まり¥4,500(当時)。ちなみに公式HPは見つからなかった。

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左:奇抜な外観の黒沢池ヒュッテ 右:ヒュッテ内部

5:00過ぎ起床。小屋内は混んでいたが、だいぶ疲労していたため目を閉じると即睡眠に入っていた。そのせいか疲れもすっきりとれ、さわやかな目覚めだった。でも、そのさわやか気分もつかの間、外に出てみると、どんよりとした曇り空が広がっていた。お昼くらいまで天気がもつといいのだが……。

001p9090769今はいるのかどうか知らないが、シェパードが2頭、番犬のように入り口のところにいた。常に腹を空かしているようで、登山者が近づくと、何かくれるんじゃないかと落ち着きがなくなる。

このときは、よほど腹が減ってたんだろうね。私が朝飯の準備を始めると、さっそくシェパード君がやってきて、私の周りをくんくん嗅ぎまわりながらうろついている。カップに固形スープを入れて、かたわらでお湯を沸かしていると、いつの間にやら、シェパード君はカップの中に鼻を突っ込んでいた。その時悲劇が訪れた。たら~りとヨダレがカップの中に…。ああ。なんてことだ。

でもいいんだ。お湯を注げば、熱湯消毒。今見たシーンは忘れることにして、カップにお湯を注いだ。味は同じだよ。山の神は笑い転げていた。

黒沢池ヒュッテは7:00に出発。もうすでに天候は怪しげな状態になっていて、結局もったのは20分ほどだった。大倉乗越で雨具を出す羽目になる。そのうち小雨まじりの風も受ける。挙句には、辺りに白くガスがたちこめてきた。

ただ一瞬だけガスが晴れると、長助池の向こうに太陽光を浴びている街が垣間見えた。もしかして、ここだけ悪天なのか?

急登の連続に息をはずませながらも、9:35妙高山山頂に到着した。小雨ではなく、ごくフツーに雨が降っていて、まったく止む気配はない。早々に退却だ。山頂手前にあった祠まで戻って休憩にする。同じことを考えたパーティがあって、同じ祠の前で休憩する。 

 

004p9090771_2 005p9090774 左:妙高山山頂 右:山の神と長助池

帰路は、黒沢池への分岐から燕新道に入る。長助池には11:10着。ここで昼食にする。ほかの登山者が、ぽつりぽつりとここを通過していく。こんな雨の中を歩いているのは、昨日のお泊り組みだけだろう。日帰りだったら、こんな雨の中歩かないだろうからね。

006p9090776 大倉沢

黄金清水、大倉沢でそれぞれ休憩をとり、ふもとの燕温泉へは15:00に到着した。立ち寄り湯が可能な宿を探して、きょろきょろしながら歩いていくと、シャレた外観の山の湯宿 針村屋に登山者が続々と吸い込まれていくのが見えた。これは混んでいそうだと、脇をすり抜け、あさひやで一風呂浴びることにした。¥500。浴室には誰もおらず、独占して殿様気分を味わえた。

湯浴みの後は帰るだけだ。16:30発のバスでまず関山駅へ移動する。電車に乗り継いで高田駅18:36到着。駅前にあった高田ターミナルホテル1Fの大黒屋で刺身を肴に一杯やり、あとは高速バスの出発時間22:45まで2時間くらいひたすら待った。長~い1日だった。

Part1に戻る

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火打山・妙高山Part1

2011-09-11 | 山行~信越

000p9080747 火打山 標高 2462m 妙高山 2445.9m 新潟県

2001年9月8日(土)~9月9日(日) 9月8日 晴れ 9日 雨

メンバー 山の神と私

コースタイム 9月8日 8:00頃 笹ヶ峰バス停8:17--(8:30登山口)--9:15黒沢出合9:30--10:05十二曲り標柱10:15--11:08林道11:20--(富士見平)--12:15高谷池ヒュッテ(昼食)13:00--13:50ライチョウ平14:00--14:30火打山山頂14:55--16:00高谷池ヒュッテ16:15--17:00黒沢池ヒュッテ(泊)

10年前はすこぶる元気で毎週のように山へ行っていた。今回とりあげる火打・妙高は、行きも帰りも深夜バスを使うという猛烈ぶりで、よく体力がもつなと今さらながらに思う。まだ30代だったからなあ。

25:50発の深夜バスで5:20頃高田駅に到着。ここで、電車に乗り換える。信越リレー妙高号で妙高高原駅6:11着。駅で朝食を済ませ、路線バスに乗り継ぎ笹ヶ峰へ向かった。40分ほどで到着。下界を見下ろすと雲が湧いてきているが、ここは快晴で澄み渡った青空だった。

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左:笹ヶ峰バス停 右:黒沢

バス停で伸びをして(冒頭写真)、さあ出発。一緒にバスを下りた面々はやはり山のぼらーで、われわれ同様ここ笹ヶ峰から山に入る。歩き出しはなだらかだ。しばらく歩いていくと、橋が架けられた黒沢を渡る。渡ると樹林帯の中に吸い込まれるが、ここでまず1回目の休憩をとった。

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左:十二曲りは序の口 右:三角屋根が高谷池ヒュッテ

黒沢を渡ると徐々に厳しい登高が始まる。第一関門は、うねうねの十二回曲がる(本当か?)急な上りだ。それをほぼ制圧した地点に「十二曲り」の標柱がある。ここでザックをおろす。厳密にはザックではなく、昔なつかしのキスリングなのだが(証拠写真、左上)。

さらに登高をつづけると、木道が出てきて、湿原間近のサインだ。期待がふくらむ。何せ写真で見る限り、天上の楽園なのだから。頃合をみて木道で休憩をとる。

黒沢池への分岐である富士見平は通過し、黒沢岳の裾を、高谷池方向へトラバースしていく。足元のぬかるみが気になりだすと、そのうち樹間から湿原と高谷池ヒュッテが見えてくる。ヒュッテを指さしながら、あそこへはいつ着くんだあ?と山の神に問う。ヒュッテがすぐそこに見えているのだが、なかなか着かないのだ。

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遠くに見える赤ポチはテント

高谷池ヒュッテでは多くの登山者がお弁当を広げ、休憩していた。目の前に広がる湿原と池塘の眺めは圧巻。ここにはテント場があるけど、さぞかし気持ちいいだろうねえ。この眺めに酔いしれながら、ビールや焼酎で一杯なんて。

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木道の先に火打山

高谷池ヒュッテから火打までの道は絶景の連続で、登山者を飽きさせない。1歩進むごとに刻々と変わる風景に心おどる。

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天狗の庭

絵のような景色が続く。 おばちゃんたちも立ち止まって、景色に見入る。

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これも天狗の庭

こんな景色も。。。

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妙高山のシルエットがイカしている

天狗の庭からちょっと退屈な上りがあるが、振り返れば、妙高山の雄姿を拝める。これがまたすばらしくいい眺めなのだ。

ライチョウ平までくれば、もう山頂はすぐそこだ。14:30火打山山頂に到着。さあっとガスが流れてきて、あれよあれよという間にたちまち辺りは真っ白になってしまった。展望消滅。真っ白の山頂写真を撮って14:55下山開始。さっきまでの青空を返してくれえ。

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左:ライチョウ平 右:火打山山頂

移動中ガスが濃くなり視界は閉ざされていった。高谷池ヒュッテでの休憩をはさんで、本日の宿泊場所、黒沢池ヒュッテには17:00に到着。黒沢池は、おおかたガスに覆われてしまい、うすぼんやりと姿を現しているだけだった。

Part2へつづく

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苗場山

2011-09-04 | 山行~信越

000p9020739 苗場山 標高 2145.3m 長野・新潟県

2001年9月2日(日) くもりときどき晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:25小赤沢コース3合目駐車場9:35--(9:55 4合目)--10:30休憩10:40--11:25 7合目11:35--(9合目12:00)--12:08平太郎尾根分岐(昼食)13:00--13:40苗場山山頂14:20--15:15 7合目15:25--16:05 5合目16:15--17:00駐車場

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美しい高層湿原と池塘の山、苗場山は、山の神ご推奨の山だ。山頂までの最短コースであり、日帰りコースである小赤沢コースをピストンで登った。

4:30頃に都内を出て、関越を走る。塩沢石打ICで下り、津南町へ。405号に入り中津川渓谷沿いに車を走らせる。山中の狭い道をしばらく進むと、ようやく山あいに小さな集落が出てくる。予想以上に山深いところだ。

左折して登山口への道を上がっていく。途中から未舗装になるが、登山者はそんなことはものともせず上がっている。3合目の駐車場(写真)に到着してみると、かなり広い駐車スペースに、もう車はあふれかえっていた。かたわらに立派なトイレがある。

9:35駐車場を出発。曇り基調の天気で、ときおり青空がのぞく。登山道は間断なくぬかるんでいて、スパッツ嫌いのわれわれのズボンの裾に泥は容赦なくポチポチと跳ね上がる。

途中2度ほど休憩をはさんで、山頂一帯の高層湿原帯に入った。平太郎尾根と合わさる分岐で昼食にした。池塘がそちこちに点在し、湿原の風景はいつ見ても癒される。

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左2点:苗場山頂上 右:高層湿原が開ける

山頂あたりに来ると、だいぶガスに包まれてしまっていた。13:40苗場山の山頂に到着した。山頂といっても、ピークといった感じはなく高層湿原の真ん中で、山頂ヒュッテとか遊山閣(現在休業中のもよう)のあたりの平地っぽいところにぽつねんと山頂碑が立てられている。

ヒュッテのきれいなトイレを借りて(¥100)、ヒュッテ前の簀ノ子状のウッドデッキで休憩する(冒頭の写真)。ここに少なくとも30分くらいはいて、今思えば長居しすぎだな。

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山頂近辺の高層湿原。白いのはワタスゲ

まだ9月になったばかりだが、草紅葉が始まったようだ。茶を帯びたこの湿原の色。グラデーションがかった色合い(2段下の写真)も遠目にみると、なかなか風情があっていい。

山頂付近にはなぜか役行者の碑が岩の上につくられていた。この山にも役行者伝説があるのだろうか。ちょっとだけ興味をそそられる。

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左:リンドウ。やっぱりもう秋の気配 右:この山にも役行者(えんのぎょうじゃ)

あたりにはさらに白くガスがたちこめて、たちまち薄暗くなった。14:20これを潮時に山頂をあとにする。もう夕暮れのような暗さで、心細くなってくる。

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山の神はご満悦で木道を下っていく

来た道を忠実に戻っていく。同じ道でも視線の方向が正反対だから、池塘の位置も違って見え、違う場所を通っているようで面白い。

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草紅葉チックな湿原と池塘。これに澄み渡った青空があれば最高だったのだが

17:00駐車場に戻ると、車は5,6台を残すのみで、帰り支度の人が3組いた。われわれが靴をはきかえていると、1組下山してきた。登山者で大盛況の山も、静寂をとり戻し始めていた。

山の神と私は、赤茶色の湯が特徴の小赤沢温泉、楽養館に立ち寄り、汗を流した。¥500。今なら考えられないくらいののんびりモードで、湯から上がると、当然ながら外は真っ暗だった。

帰り道は今まで経験したことのない恐さだった。楽養館を出て車で走り出すと、あっという間に民家は途絶え、電燈などの明かりがいっさいない真の闇につつまれた。ときおり、車道に出てくるタヌキや鹿の目が車のヘッドライトで照らされて異様に光る。あれは、ホラー映画に出てくる悪霊の目だ。そのうち廃村跡の横を通る。秋山郷には、浅間山噴火によって起きた天明の飢饉で餓死し、村がまるごとなくなった廃村跡があるのだ。道端にぼろきれをまとった農民がうずくまるシーンが脳裏をよぎる。思わず背筋が寒くなった。日が暮れてから一人では通れない道だ。

 

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