目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

お花見。野川そぞろ歩き

2018-03-25 | 日記

2018年3月25日(日) 晴れ

今日は絶好のお花見日和。山の神と野川の桜を見ようと繰り出した。ところが、先日の雪が祟ったのか、満開にはほど遠い状況で5~6分咲きといったところだった。

野川に架かる橋から見渡せる桜は、黒ずんで見えた。まだつぼみが多く、咲いていない枝が黒々として見えているのだ。だいたい開花から1週間で満開といわれているけれども、今年はそうではないようだ。

それでも川沿いの遊歩道を歩けば、意外とつぼみには目がいかず、華やかな気分になれた。


野川の桜はまだ満開にはほど遠かった

 花を間近に見れば、華やかな気分に

昼ともなれば、お花見客がレジャーシートを広げ始め、にぎわいをみせ始めた。

今年のライトアップの日程はまだ決まっていないが、「マツコの知らない世界」の特番でどうやらこのことがとり上げられてしまったようだ。それでなくとも口コミでかなり広まってしまって、すごい人が押し寄せるようになっているから、さらにすごいことになりそうだ。

5~6分咲きとはいえ、こうして花を愛でられるのはラッキー。それにしても桜の時期は落ち着かないものだ。

 

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御岳山の怪異譚『神座す山の物語』

2018-03-20 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

 『神座(いま)す山の物語』浅田次郎(双葉社)

浅田次郎氏の母方の実家は、御岳(みたけ)山の神官の家ということだ。この小説の巻末にインタビューが収録されていて、それを明かしている。だからこそ書けた異色の怪異譚。実際に御岳山であった不思議なものがたりを脚色して短編に仕立てている。

例によって、まるであの傑作小説「天切り松闇語り」の一節のように、次はどうなるのだと期待に胸膨らませ、あるいはどきどきしながら、語り手のおばあちゃんの言葉に耳を澄ませることになる。冴え渡る浅田節にどんどん引き込まれ、息もつがずに読んでしまう面白さだ。

たとえばこんな話が出てくる。タイトルは「聖」。少し引用しよう(注:ネタばれあり)。

夜目にも白い鈴懸衣(すずかけごろも)の背中に、大きな笈(おい)を担いでいる。金剛杖を立て、正座しているのではなく勇み立つように片膝を立てていた。坊主頭には烏天狗のような頭襟(ときん)を載せており、首からは太い念珠と、法螺貝の赤い緒が下がっていた。

聖の登場シーンだが、ごっついヤツの姿が目に浮かんでくるだろう。この聖は、御岳山で修行を積み、満行(まんぎょう)を迎えるのだが、常人の及ばないような験力は得られなかった。この小説世界では、もともと備わっているものを磨くことはできても、備わっていないものは、いくら修行しても、生まれもしないし、磨くこともできないとしている。結果、聖は岩場から天狗よろしく身を空中に投げ出し、あちらの世界へと旅立ってしまう。衝撃的な話だ。

狐憑きのものがたりもある。

ちょっと前の日本、昭和の時代までは、当たり前のように狐憑きの話が転がっていた。それは、身近に狐の存在があったからだ。いつも狡猾そうに見える狐。だからこそ、狐に憑かれれば、正気ではいられなくなると人は信じていた。いまでいえば、たんなる精神疾患なのだろうが、社会の慣習やならわしとは恐ろしいものだ。小説では、狐憑きを落とすために、真面目に神官さんを訪れて、お祓いを頼む。そしてエクソシストのような闘いがクライマックスとなる。

ほかにも、ミステリアスな短編がこれでもかと詰まっているのがこの本だ。そこここに八百万の神の存在を感じる。東京では、アクセスもよく身近な御岳山であるからこそ、親近感も湧く。いちどこの小説の舞台である、御岳山の宿坊にも泊まってみたいものだ。そういえば、前の会社で、お正月に泊まった人がいたっけ。静寂にして清浄な趣があって、期待以上だったとその人は推薦していた。宿坊でこの本を読むのも一興。眠れなくなるかもしれないが、、、 

神坐す山の物語 (双葉文庫)
浅田 次郎
双葉社
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GWお山のプランニング

2018-03-11 | 山雑記

 『名古屋周辺の山 ベストコース200』で行き先を検討

例年2月の連休を過ぎると、GWの計画を練り始めるのだけれども、私の転職や腰痛があって、だらだらとここまで来てしまった。とはいっても、何もしなかったわけではなく、おおざっぱな計画はある。

当初は、去年行きそこなった氷ノ山や扇ノ山を検討していた。でも5月の3,4,5,6の4連休で行くには、慌しくなる。初日は東京からの移動だけで終わってしまうだろうし、4日と5日で山に登って、帰りに渋滞にあわずに余裕をもって出発するとすれば、6日早朝出となる。仮に4日、5日のどちらか、あるいは両方とも雨にでも降られたとしたら、ダメージはでかい。下山後の温泉宿でのゆったりくつろぎの1泊も確保したいところだ。

去年も検討した、伊勢方面の山や大峯奥駈はどうだろうか。やはり名古屋近郊で渋滞にはまるだろうから、初日は行っても低山か。電車や長距離バスという手もあるのだろうけど、やはり楽チンな車、買ったばかりだし。さてとどうしたものか。

名古屋近郊で渋滞にはまって時間をロスするなら、名古屋を越えるのをやめればいいか。そうすれば、時間を気にせず、ゆっくりできる。そう結論した。山梨はいつでも行けるから、諏訪から名古屋の間か。伊那谷から入るか、木曽谷から入るか。まあ、ぼちぼち行き先を決めることにしよう。節約してテント2泊と温泉宿で1泊。行き先によっては、久々にアイゼンも持って行くとしようか。

改訂新版 名古屋周辺の山 (週末登山コースの百科事典)
クリエーター情報なし
山と渓谷社
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死の谷の「動く石」

2018-03-09 | 山雑記


八幡平の八幡沼で発見した、さも動いてきたように見える石

本日(3月9日)付で受信したナショナルジオグラフィック日本版のメールマガジンに、「石がひとりでに動く? 驚きの現象3選」と題するリンクがはられていた。サイトに飛ぶと、2ページ目にお目当ての記事が掲載されていた。

死の谷の「動く石」
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/18/021300004/030200003/?P=2

米カリフォルニア州デスバレー(死の谷)の干上がった湖に動く石があるというのだ。どうやって動いているのかを2年間に渡って研究チームが調べ、そのメカニズムがわかったのだとか。

それは、、、

降った雨が夜間の寒さで凍結し、薄い氷の板ができる。その後、日光の熱で板が割れていくつかの破片に分かれる。その破片に突風が吹きつけて動く際に、石も一緒に押されて動くのだった。 (原文ママ)

ということだった。わかってしまうと、なんだこれは!と思った刹那の大興奮が一気に冷めるというものだ。でもこの記事を読んで、思い出したのが、昨年八幡平を歩いたときに見つけた石(上の写真)。これも沼の中を移動してきたように見える。これはいったいどうしたことなのだろう。研究チームはできないのだろうか(笑) 

八幡平山行記録:当ブログ「ブナの森と大湿原の八幡平」

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ブラタモリに出演した「スリバチ学会」会長たちの楽しいトーク

2018-03-06 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

八重洲ブックセンター本店 標高 数メートル(地ベタはそうでも、8Fにいた) 東京都

2018年2月22日(木)

会社帰りに八重洲ブックセンターに足を延ばした。お目当ては8Fギャラリーで行われる「皆川典久氏×真貝康之氏対談トークショー」だ。聞いたことないけど、それは誰?と思われる方が多いことだろう。下の本の写真を見れば、一目瞭然。そうです、あの「ブラタモリ」にも出演したスリバチ学会の面々です。皆川氏は元祖、東京スリバチ学会会長であり、真貝氏は皆川氏の了解をとって東京の西側で、多摩武蔵野スリバチ学会をつくり会長を務めています。

『東京「スリバチ」地形散歩 多摩武蔵野編』皆川典久・真貝康之(洋泉社)

19:00スタートの10分前に会場に到着。本を購入し、着席した。定員は50人(だったか?)で満席ではなかったものの、そこそこ席は埋まっていた。圧倒的に男性が多く、年齢層は高い。皆川氏がまず説明し始めた。

江戸時代の東京の地図、そしてそこに重ね合わせられた地形図、東京は建物が多くて、ふだん公共交通機関で移動していると、まったく地形がどうなっているか気づかないし関心が向かないが、目の前で地形の説明をされると、そうなのかとうなづかされ、新鮮かつ驚きの連続だった。やがてフィールドワークの実際の写真が次々に紹介されて、私はもう完全にスリバチワールドの虜(とりこ)になっていた。元々小川が流れていたところは、現在暗渠になっているところが多いというのは初耳で、なるほど写真を見ると、そうなっている。これから小路の見方も変わるというものだ。

とくに渋谷の地形説明は興味深かった。地名に宇田川とあるのは、実際に宇田川が流れているし、その水源は、元森永製菓社長宅の池だという。もう1本渋谷に流れ込んでいる渋谷川の水源は新宿御苑なんだとか。東京にもうかれこれ30年くらい住んでいるというのにまったく知らなかった。

後半は、真貝氏がマイクをとり、活動の成果でもある今回の新刊の内容を語り始めた。多摩・武蔵野は、皆川氏がフィールドワークしている都心部に比べ、平坦なところが多くドラマチック性に欠けるという。でも、そうはいってもフィールドワークをする場所はあちこちにあり、写真がどんどん紹介される。興味深かったのは、この地域では標高50メートル付近に湧水ポイントがあって、そこを起点に川となって東京湾に注いでいるということ。大きくは4箇所あって、以下のようになる。
・三宝寺池(石神井)
・善福寺池(西荻窪)
・井の頭池(吉祥寺)
・深大寺湧水群(調布)

ほかにも、川の浸食に取り残された丘の存在や、この地を舞台にした小説「武蔵野夫人」など、面白い話がいくつも出てきた。

トークショー終了後にサインをもらった。本の購入者は缶バッチのプレゼントも

トークショー終了後は、サイン会。サインもらってもなと思ったが、記念になるかと本を差し出して、さらさらと書いてもらった。皆川氏にまたブラタモリに出演する予定はありますかと問うと、いまのところはないという。でも、NHKからこの地域に詳しい人を紹介してくれないかという問い合わせはよく来るそうだ。

購入した本は、カラー写真満載でとっても楽しげ。少しずつ読んでいくとしよう。

凹凸を楽しむ 東京「スリバチ」地形散歩 多摩武蔵野編
皆川 典久,真貝 康之
洋泉社
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