八重洲ブックセンター本店 標高 数メートル(地ベタはそうでも、8Fにいた) 東京都
2018年2月22日(木)
会社帰りに八重洲ブックセンターに足を延ばした。お目当ては8Fギャラリーで行われる「皆川典久氏×真貝康之氏対談トークショー」だ。聞いたことないけど、それは誰?と思われる方が多いことだろう。下の本の写真を見れば、一目瞭然。そうです、あの「ブラタモリ」にも出演したスリバチ学会の面々です。皆川氏は元祖、東京スリバチ学会会長であり、真貝氏は皆川氏の了解をとって東京の西側で、多摩武蔵野スリバチ学会をつくり会長を務めています。
『東京「スリバチ」地形散歩 多摩武蔵野編』皆川典久・真貝康之(洋泉社)
19:00スタートの10分前に会場に到着。本を購入し、着席した。定員は50人(だったか?)で満席ではなかったものの、そこそこ席は埋まっていた。圧倒的に男性が多く、年齢層は高い。皆川氏がまず説明し始めた。
江戸時代の東京の地図、そしてそこに重ね合わせられた地形図、東京は建物が多くて、ふだん公共交通機関で移動していると、まったく地形がどうなっているか気づかないし関心が向かないが、目の前で地形の説明をされると、そうなのかとうなづかされ、新鮮かつ驚きの連続だった。やがてフィールドワークの実際の写真が次々に紹介されて、私はもう完全にスリバチワールドの虜(とりこ)になっていた。元々小川が流れていたところは、現在暗渠になっているところが多いというのは初耳で、なるほど写真を見ると、そうなっている。これから小路の見方も変わるというものだ。
とくに渋谷の地形説明は興味深かった。地名に宇田川とあるのは、実際に宇田川が流れているし、その水源は、元森永製菓社長宅の池だという。もう1本渋谷に流れ込んでいる渋谷川の水源は新宿御苑なんだとか。東京にもうかれこれ30年くらい住んでいるというのにまったく知らなかった。
後半は、真貝氏がマイクをとり、活動の成果でもある今回の新刊の内容を語り始めた。多摩・武蔵野は、皆川氏がフィールドワークしている都心部に比べ、平坦なところが多くドラマチック性に欠けるという。でも、そうはいってもフィールドワークをする場所はあちこちにあり、写真がどんどん紹介される。興味深かったのは、この地域では標高50メートル付近に湧水ポイントがあって、そこを起点に川となって東京湾に注いでいるということ。大きくは4箇所あって、以下のようになる。
・三宝寺池(石神井)
・善福寺池(西荻窪)
・井の頭池(吉祥寺)
・深大寺湧水群(調布)
ほかにも、川の浸食に取り残された丘の存在や、この地を舞台にした小説「武蔵野夫人」など、面白い話がいくつも出てきた。
トークショー終了後にサインをもらった。本の購入者は缶バッチのプレゼントも
トークショー終了後は、サイン会。サインもらってもなと思ったが、記念になるかと本を差し出して、さらさらと書いてもらった。皆川氏にまたブラタモリに出演する予定はありますかと問うと、いまのところはないという。でも、NHKからこの地域に詳しい人を紹介してくれないかという問い合わせはよく来るそうだ。
購入した本は、カラー写真満載でとっても楽しげ。少しずつ読んでいくとしよう。