目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

満願!与野七福神

2023-02-05 | 七福神めぐり


与野七福神 埼玉県

2023年1月3日(火) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 11:35 与野本町駅--鈴谷大堂--圓福寺--天祖神社--御嶽社--円乗院--13:06そば処大むら(昼食)13:35--一山神社--氷川神社--14:10頃 北与野駅

昨年、一昨年とコロナ禍のため、1か所で七福神巡りができるところを探してお参りしていたけれども、それではどうもご利益が薄い感じがしていた。今年は山の神とともに3年ぶりに7か所を巡って参拝。ご利益ましましになるか!


左:与野本町駅西口を出てすぐの時計台 右:さいたまアートストリートのオブジェ

山の神と10:00過ぎに自宅を出発した。今日は久々の電車山行、ではなくまち歩きだ。新宿で埼京線に乗り換えて北上する。浦和・与野・大宮の位置関係がよくわからないままに電車に乗り、スマホで検索して目的地の与野が浦和・大宮の中間にあることを知る。

11:35与野本町駅に到着し、西口を出ると、時計台そして「彩の国さいたま芸術劇場」の案内板がある。さいたまアートストリートと名づけられた道を行くが、花壇ばかりでアートは少ない。


左:鈴谷大堂(すずやだいどう)の阿弥陀堂 右:阿弥陀堂内の毘沙門天

最初の鈴谷大堂の場所はわかりにくかった。手前に七福神とは無関係の鈴谷天神社がある。参拝の人が吸い込まれていくので、てっきりここが鈴谷大堂と思ったのだが、七福神の幟がなく、毘沙門天の標示もないので、間違いと気づく。Googleマップを見て、目的地はもっと先であることがわかり、なんとかたどりついた。

境内は参拝者で混んでいて、阿弥陀堂の前には列ができていた。毘沙門天は堂内の右手に鎮座していた。参拝を済ませ、ここで色紙1000円を買う。スタンプは1回100円。


左:やっと見つけた円福寺 右:山門横に布袋尊と七福神のマップ

円福寺は私のマップの見方がおざなりだったせいで、少し遠まわりしてたどりつくことになった。彩の国さいたま芸術劇場と山の神と私がいた場所の位置関係を見誤っていたため、新大宮バイパスをそれと気づかずに渡ろうとしていた。信号待ちをしているときに山の神が誤りに気づいて方向転換。その後難なく円福寺の標示を見つけた。


左:本堂の正面手前に布袋尊 右:釈迦堂の前にも布袋尊。背後には毘沙門天も

円福寺は布袋尊のお寺で、なぜか3体もいらした。布袋尊は弥勒菩薩の化身であり、笑顔を絶やすことはない。お姿を見るだけで気分も晴れる。


左:与野公園にある天祖神社 右:天祖神社の寿老人

円福寺から与野公園に出るまでの途上、住宅街の3ブロック先のどんづまりにそれらしき森が見えた。遠そうだが、歩いてみるとそうでもない。道路を横切り公園に入ると、公衆トイレ、左手には朱塗りの鳥居が見えた。天祖神社だ。

鳥居をくぐってまずは石造の大きな寿老人に参拝。


左:社殿内におわした寿老人 右:御嶽社の鳥居

次に社殿に参拝すると、小さな木彫りの寿老人が鎮座。なんとなく木彫りのほうがありがたさが増すような気がする。

いったん公園を出て御嶽社へ。間違いようのない「与野七福神」の大きな幟が出ている鳥居をくぐる。


左:御嶽社の弁財天 右:弁財天の掛け軸やレリーフも

すぐに石造の弁財天を見つけた。石像はすべて同じ作者によるものなのか、雰囲気やタッチが非常に似ていた。また石像の隣に建っている社務所には弁財天の掛け軸やカワイイ系のレリーフも展示されていた。


左:円乗院入口 右:仁王門と多宝塔

御嶽社からいったん交通量の多い本町通りに出て円乗院へ移動する。仁王門の外から偉容を誇る多宝塔が見えている。


多宝塔前に据えられた六牙白象(左)、六波羅蜜(右)

境内に入ると、多宝塔の前に何かを象徴しているような6本の牙を持つ象が2体据えられていた。それぞれ調べてみると、まず左の六牙白象は、「ろくげのびゃくぞう」と読み、釈迦の母、摩耶夫人がこの白象を夢にみたのち、釈迦を身ごもったことから釈迦の入胎を象徴する。普賢菩薩の乗り物ともいわれる。右の六波羅蜜は「ろくはらみつ」と読み、簡単にいえば6つの修行をして悟りを得ることを指す。その6つとは、 布施=施しをする、持戒= 戒律を守る、 忍辱(にんにく)=耐え忍ぶ、精進=努力する、 禅定=第三者の目で自己を見つめる、智慧=前述の5つを実践し得られる悟り、となる。しかし、それぞれの意味はわかったが、この2体がセットで置かれているのはなぜなのか、よくわからなかった。


左:境内の大黒天 右:本堂には「大黒天」と提灯が下がっている

六牙白象の隣にはお目当ての大黒天が鎮座していた。お参りして本堂に行くと、大黒天と提灯が下がっている。もしや堂内に大黒天があるのかと思わせるが、実際にはないようだ。本尊として五大明王が収められている。


左:昼食はそば処大むら 右:一山神社参道

円乗院を後にするころには、もう13:00になろうとしていた。山の神とどこか営業しているお店があったら入ろうといっていたのだが、円乗院前の店はお休みだった。一山神社に向けてしばらく歩いていくと、のれんが出ている店を見つけた。そこはそば処大むらだった。看板ねこが来店者をなごませる大衆食堂として有名な店だった(ペタコンちゃんねる@oomurapetakon)。山の神とかつ丼を食べている間、猫たちは我が物顔で店内を歩き、やがて横たわると客になでられるがまま、かたや棚の上にのぼって丸まって寝ていた。

腹がくちて、山の神と店の反対側にある一山神社へ向かった。奥へ奥へと続く細い神社の参道を歩く。


左:一山神社社殿 右:社殿内に恵比須様(中央の釣り竿を持った像)

社殿の中を覗くと、右手に小さな恵比須様の像がちょこんと置かれていた。漠然と参拝すると見逃してしまうほど目立たない佇まいだ。


左:一山神社のクスノキの巨木 右:氷川神社の鳥居

参道を戻る際にクスノキの巨木を見上げ、こんなに狭いところでもこれだけ大きく育つのだと感心しつつ、最後の氷川神社へと向かった。

車がびゅんびゅん走っている本町通りをまっすぐ進むと氷川神社だ。鳥居を次々にくぐっていくと、なにやら石柱が見えた。近づいていくと、そこに彫られた「百度石」の文字が目に入る。ここはお百度参りの神社なのだ。なにか大変な念が込められているようで恐ろしさを感じる。


左:百度石があって、ちょっと引く 右:社殿内に福禄寿

社殿におわした福禄寿にお参りし、山の神が係の人にスタンプを押してもらう。「満願、おめでとうございます」と言われる。七福神をすべて巡れば、満願なのか。ちと違うような気がするけれど、まあ、ご利益ましましな感じでよしとしよう。

ああ、疲れたなと山の神と言いつのりながら、家路につく。与野本町駅には戻らず、北与野駅に出て、喫茶店にも寄らず、わき目もふらず帰宅した。

蛇足 今回の記録は山の神も私も写真に写っていないようにみえるけれども、1点写っている写真がある。どれでしょう?
〔解答〕
円乗院入口の写真。カーブミラー2つに写り込んでいる。

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昨年につづき1か所で廻れる七福神へ~三鷹井口院

2022-01-04 | 七福神めぐり

井口院(いこういん)別称:三鷹不動尊 東京都

2022年1月4日(火)晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 10:35頃バス停 塚--10:37井口院11:25--バス停 曙住宅11:33--12:00すぎ 深大寺

我が家恒例の正月七福神めぐり。新型コロナ感染症がまたもや拡大し始めたことを受けて、また山の神ともども歩く気力が失せていることもあって、去年に引き続いて1か所で七福神すべてに参拝できる場所を探した。

去年候補に挙げていた中から選ぼうとしたのだが、境内に入れるのかどうかネットでは情報を得られないところもあって、新たに探しなおし、ここを見つけた。


左:井口院境内案内図 右:仁王像と山門

調布駅前から「鷹56」三鷹駅行の小田急バスに乗り込み、20分ほどで目的の停留所「塚」に到着する。そこから寺までは指呼の間だ。歩き始めてすぐ、太極拳の某先生が入院してお見舞いにきたことのある病院がそこにあることに気づいた。建物と駐車場に見覚えがある三鷹中央病院。地図で名前を見ていたのだが、そのときにはまったく気づかなかった。偶然とはいえ恐ろしい。

病院前の道を挟んで反対側に神龍山開宮寺井口院はある。上連雀神明社という神社横の幾本もの幟がはためく参道を進むと、山門があり、阿吽の恐ろしい形相の仁王像が迎えてくれる。


左:閻魔王堂。お堂の中に閻魔大王、外に司命と司録 右:お地蔵さんがずらりと並ぶ地蔵堂

山門をくぐると、参拝客はまばらでストレスなく見て回れる。まずは閻魔王堂。お堂の中には恐ろしい顔の閻魔大王が鎮座。外には地獄の裁判の判決をいう司命(しみょう)と、それを記録する司録(しろく)が控えていた(石像)。

閻魔王堂の向かい側には、お地蔵様を多く納めた小さな地蔵堂がある。千社札が所狭しと貼られていて世俗感を出している。


左:風神像 右:雷神像

このお堂の隣には、風神像と雷神像。比較的大きなおそうじ小僧もある。


左:雨乞弥勒(あまごえみろく) 右:金色の弥勒菩薩

江戸時代にはこの界隈で日照りもあったようで、雨乞いをするために建てられた雨乞弥勒、そしてガラスの中に納められた金色の弥勒菩薩がある。山の神と次々に参拝して本堂へ。


左:本堂 右:不動明王殿

本堂の背後から後光が差すようにまぶしいなか、階段を上がり山の神とお参り。石仏レリーフ(後述)や平和観音、修行大師(冒頭写真)の前を抜けていくと、不動明王殿がある。


大不動尊像

不動明王殿の奥には、この寺院を象徴する存在である不動明王の巨大な尊像がある。写真でみると大きさが今ひとつ把握できないと思うが、とにかく大きい。下に山の神が写っている大日如来のレリーフがあるが、それがこの不動明王像の台座部分になる。おおまかなスケール感をつかめるだろうか。

また台座のなかには、お大師様、弘法大使の尊像まである。


 
大不動尊像の下部左回り(反時計回り)に大日如来、勢至菩薩、普賢菩薩、文殊菩薩、虚空蔵菩薩、阿弥陀如来のレリーフが設置されている

大不動尊と隣接しているのが山の神と私のお目当てである七福神が安置されている福壽殿だ。最近できたばかりの御殿なのか、ぴかぴかで壮麗なのがいい。


左:七福神が安置されている福壽殿 右:福壽殿の池の錦鯉

ただし愛でて参拝するには最高なのだが、七福神の尊像とはガラスを隔てて参拝することになるので、写真がうまく撮れない。残念ながらすべて映り込みがひどく、合成写真のようになってしまった。


左:福壽殿正面は、一葉観音菩薩 右:布袋尊

写真を撮るために一周した後に、もう一度参拝と七福神のご尊顔を拝するために回った。


左:福禄壽尊 右:壽老人尊

これでご利益が倍増すればいいのだが、、、


左:弁財天尊 右:毘沙門天尊 


左:大黒天尊 右:惠比須尊

参拝後肩の力が抜けたところで不動明王殿に戻り、山の神とともにおみくじ(200円)をひいた。結果は2人とも「大吉」。大吉しか入っていないのかもしれない。私のおみくじには冒頭「さくらばな のどかににおう 春の野に 蝶もきてまう そでのうえかな」とあった。春爛漫の季節、順風満帆の情景が目に浮かぶ。よかった、よかった。小吉、末吉をよくひき当てる山の神も万端願い叶うという大吉にご満悦だった。


左:山の神の後ろに池がある 右:薬師如来のご真言が彫られている石仏レリーフ

最後に本堂直下にあって見過ごしていた石仏を改めて見た。ご真言が以下のように刻まれていた。

 おんころころ せんだり まとうぎ そわか

真言は発する音が重要なのであって、明確な意味を詮索してはいけないのだとか。古代の庶民を導くための方便みたいなものだったのか。とはいえ、漠然とでも意味がわからないとご利益も薄らぐというもの。薬師如来といえば、病気を癒してくれる天界の医者のような存在(?)なのだから、病気平癒のための真言といえそうだ。いまでいえば、コロナ収束にもつながるのかもしれない。 

帰りは深大寺前でバスを途中下車して、初詣でにぎわう深大寺境内へ向かう。その一角にある蕎麦屋、青木屋の屋外席を占め、ビールともりそばで舌鼓を打った。でもいちばん行きたいそば屋は、いつも最初に目指した深山茶屋。このコロナ禍でなくなってしまったのは、悔やまれる。

関連記事:当ブログ七福神

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七福神詣では三鷹春清寺へ

2021-01-11 | 七福神めぐり

春清寺(しゅんせいじ)の七福神 東京都

2021年1月4日(月) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 11:30 自宅--12:15 春清寺 12:35--13:00仙川駅前

年明け恒例の行事、七福神巡りはどうしようか。行かなくていいんじゃないといとも簡単に山の神は即答した。2003年から始めた七福神巡りをコロナごときで、途切れさせたくはない。

1か所でコトが済むお寺がたしかあったはずと、検索してみると近場でいくつか出てきた。家から歩いて行けるところにもある。ならば、そこにして、帰りはバスか電車で家に帰ろうということで、三鷹の大原山春清寺(曹洞宗)にターゲットを決めた。


春清寺門。大原山と掲げられている

当日は11:30頃いそいそと山の神とともに自宅を後にした。Googleマップに目的地をいれ経路を示す。経路からそれれば、一目瞭然でわかるから便利だ。住宅街や中央道沿いの道を進み三鷹に入る。

最近は30分くらい舗装路を歩くと、足がしびれる症状が出て難儀しているが、この日もその症状がでた。不思議なことに重いものをもっているときや山登りのときはこの症状は現れない。寄り道してマンションの公園ベンチに座って休憩し、そののち寺までの10分ほどを足早に進んだ。

前日にストリートビューで景色をチェックしていたので、なんなく寺の入口は見つけられた。

朱塗りの門を入って左手に目指す七福神は安置されていた。まったく掃除していないようで、砂や埃をかぶったままでちょっとかわいそうなたたずまい。


左から、大黒さん、福禄寿、布袋さん

一体一体ご尊顔を拝しながら、お参りしていく。岩の中に閉じ込められた七福神たち。やがて現世に全身を現すのだろう(笑)。


なぜかピンボケになってしまった恵比寿さん

それにしても境内にだれもいないのはなぜなのだろう。それなりに参拝客がいるだろうから三密は避けなければと思っていたのだが、拍子抜けだ。山の神と私がいる間、人っ子一人いなかった。


左から弁天さん、毘沙門天

でも貸し切りは悪くない。今年も大過なく過ごせるようにと念じつつ、境内の多摩大仏やお地蔵様たちにも礼を尽くし寺を出た。


これまたピンボケになってしまった寿老人

寺を出て、都道をてくてくと京王線の仙川駅まで歩き、駅からほど近い星乃珈琲仙川店に入店。名物のスフレドリアを食べて、大満足の1日だった。

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日本橋七福神

2020-02-04 | 七福神めぐり

日本橋七福神 東京都

2020年1月5日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 10:00頃 水天宮駅--水天宮(宝生弁財天)--茶ノ木神社(布袋尊)--小網神社(福禄寿)--椙森(すぎのもり)神社(恵比寿神)--笠間稲荷神社(寿老人)--末廣神社(毘沙門天)--松島神社(大国神)12:30頃--水天宮駅

正月恒例の七福神巡り。今年はいくつかの候補のなかから日本橋七福神に行くことにした。決め手は、小網神社のすさまじい御利益伝説だ。この神社は第二次大戦で出征した氏子が全員生きて帰ってきたこと、さらには空襲後の一面焼け野原のなかでこの社だけ焼け残ったことから、強運と厄除けの神社として有名になった。今年はこの強運と厄除けにぜひともあやかりたいということで、山の神とともに日本橋を訪れることになった。

三が日は信じられないほど混雑するという情報をネットから得て5日にしたのだが、それでも人出はすごかった。とくに小網神社の混み方は尋常ではなく、神社前の道路から角を折れてさらに参拝者の列が延々と続いていた。おそるべしだ。


最初から全部のスタンプが押された色紙を購入

まずは営団地下鉄の水天宮駅からすぐの水天宮宝生(ほうじょう)弁財天にお参りする。この水天宮も通常は大混雑するらしいが、まだ10:00と朝早いこともあって、それほどでもなかった。ここで揃い色紙を購入した(2500円:上の写真)。例年白い色紙を購入して、自らスタンプを押したり、御朱印をもらったりして巡っていたのだが、日本橋七福神はとにかく混雑するとの書き込みをみていたので、最初からすべてスタンプが押されているものをゲットしたのだった。


左:水天宮の宝生弁財天 右:茶ノ木神社で布袋尊に参る

揃い色紙を購入したのは正解だった。その後すべての社で参拝の列に並ぶことになったのだ。白い色紙を購入していたら、参拝後にさらにスタンプを押してもらうために並ばなければならないところだった。そもそも社が小さいから、混雑が慢性化するのだろう。

水天宮から茶ノ木神社に移動すると、やはり大勢の参拝客でにぎわっていた。


左:ご利益を期待して小網神社へ 右:小網福禄寿

さて次は小網神社だ。すでに歩道に参拝者の列が見えていたが、山の神が手前で曲がる小網神社への矢印を見つけ、近道かとそのとおり行ってみると、お目当ての神社があった。神社前でお待ちの列が分かれていて七福神と書かれた短い列に喜び勇んで並んだのだが、これは御朱印の列で参拝ができないとわかってがっくり。

あきらめて参拝者の列を最後尾に向けてたどっていくと、これが長い。どこまで行くのかと気が遠くなる。並んだのはいいが、たちまち山の神の顔がくもり、ここはパスでいいんじゃないのという。日本橋七福神のメインイベントは、ここで厄除けすることなのにと私が色めきたつと、山の神は不機嫌になりつつも待つことに。1時間くらい待たされるのかと覚悟していたけれど、35分ほどで順番が回ってきた。

ここが混むのは、もうひとつ理由があって、銭洗い弁天もあるのだ。だいぶ前から1万円札を握りしめていたおじさんがいたのは、それを備え付けのかごに入れて洗うつもりだったからだった。


左:椙森神社で恵比寿神を拝む 右:笠間稲荷神社にて壽老人

小網福禄寿の思わずなでたくなる頭をなでて、椙森神社へ向かう。鳥居のあたりに人が集まっていて、そこが目的地であると遠目にもわかる。東南アジアからとおぼしき外国人観光客の後ろに並んで参拝する。なにを祈っていたのか、その中のお嬢さんが一人長いお祈りを捧げていた。

そこから人形町方面に戻り、隅田川方向へ進む。もう目と鼻の先には明治座という位置にある笠間稲荷神社だ。お稲荷さんだけあって、お狐様が多数鎮座していた。少しの間参拝の列に並び、お姿がよく見えない壽老人に拝する。


左:末廣神社の狭い参道 右:とってもユニークなお姿の毘沙門天

笠間稲荷から末廣神社は近く、あっという間に到着。鳥居の近くに奇妙なことに開運の獅子舞がいて、獅子に頭を噛んでもらうと無病息災とやっていた。正月だからなんでもありだなと思いながらも、ここでもしばらく列に並ぶことになる。参道に入り、参拝客たちの隙間からちらちら見えていた毘沙門天は、私の目が悪いせいでとてもユニークな姿に見えていたのだが、間近にいって目のせいではないことがわかって驚いた。

こんな毘沙門天は初めて見たし、お持ち帰りしたくなるほどアーティスティックだった。


左:松島神社にも長い列 右:松島神社の大国神

そして大門通りや甘酒横丁のお店にそそられながら、最後の松島神社に赴いた。歩道に伸びた列に並び、やがてビルの谷間にひっそりと大国神がおわすのを見つけた。お供え物に埋もれた黒光りした小ぶりな大黒神。12:30頃最後の参拝を済ませた。

残すは昼飯だ。腹減ったなあと山の神と先ほど通過してきた道を戻って、お店をのぞくと席が空くのを待つ人、人、人。今日は人だらけだ。雰囲気のある和食店もいいなと店の前のメニューを見ると結構なお値段であとずさり、結局水天宮前の中華屋さんに入ることになった。ここも混んでいて落ち着かなかったが、もうこれ以上歩きたくないと目をつぶることに。お店は調べておけばよかったかなとちょっと後悔した。

 

過去の七福神めぐり:
七福神めぐりhttp://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/8d9f16337cf2cb97d013ccc74a2bc6b3
東海七福神と品川富士http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/e7dcc0df1eca1c89dea42374fd68f971
池上七福神http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/e7dcc0df1eca1c89dea42374fd68f971
千寿七福神(北千住)http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/e5c9ac63891aa7ecf16842f63bfb796a
下谷七福神http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/d9d2bc94d677699ddba1c85946e81c9e
新宿山ノ手七福神http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/18d67a1f45c22a06563d3e3068401343
元祖山手七福神https://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/d71ede57f7afa89a6a771ce490131507
雑司ヶ谷七福神https://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/f590746053184824d57c81596b838314

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雑司が谷七福神

2019-02-03 | 七福神めぐり

雑司が谷七福神 東京都

2019年1月13日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 11:30頃 目白駅--鬼子母神(大黒天)--観静院(弁財天)--大鳥神社(恵比壽神)--清立院(毘沙門天)--清土鬼子母神(吉祥天)--雑司が谷霊園(夏目漱石の墓・永井荷風の墓)--13:00頃 甲州屋(昼食)--中野ビル前(布袋尊)--仙行寺(華の福禄壽)13:30--池袋駅

2019年の七福神巡りは諏訪と決めていたのに、色紙が売っていなかったため結局をやめてしまったことは前回のブログで報告したとおり。

近場で回れるところはないのかと記憶をたどったときに、ふと思い出したのが、この雑司が谷だった。町おこし目的で2011年にスタートしたのがこの七福神。毎年どこに行こうかとWeb検索していたので、その存在は知っていた。


色紙代500円。あとは各所に置かれたスタンプを自分で押していく(無料)

2時間程度ですべて回れるという情報を得て山の神と遅めの出発にした。11:30頃目白駅に到着し、七福神巡りスタート。駅を出てすぐに流麗な筆運びでしたためられた「学習院」と書かれた門が目に入った。警備員が立っていて、部外者入るべかるずと威圧している。緑豊かなキャンパスの横を進み、目白通りを渡る。目白小学校の横の細い路地をすり抜けていくと明治通りにぶつかり、渡ってさらに路地を進む。たちまち鬼子母神の裏手に出て、豊島区のサイトでダウンロードした案内マップの縮尺は意外に大きいことがわかった(大縮尺)。

 
左:鬼子母神境内の大黒堂 右:団子屋と思った大黒堂のなかに、名称どおり大黒様がおわした

境内の建物を回りこんでいくと、傍らに大黒堂と掲げられた木造の建物があった。この中に? でもどう見ても団子屋にしか見えない。中を覗くとやはり団子を食べている客がいる。でもおわしました大黒様。さっそくお参りして、入口の横にあったスタンプ台で最初の押印にチャレンジ。失敗しないか、念入りにインクをつけ、慎重に押した。

うまそうに団子を食べる人たちを見た山の神は、団子を食べたいというが、まだ私の腹は減っていない。弦巻通りに何か店があるんじゃ(実際はほとんどなかった)といいながら、スルーすることになる。

 
左:観静院の弁財天 右:大鳥神社のピカピカの恵比壽神

次に鬼子母神からもう目と鼻の先くらいの距離しかない観静院へ。参拝者がそこそこいて、すぐに弁財天を見つけられた。柄杓で水をかけ、石に掘り込まれたその神々しいお姿を眺め、お参りする。

観静院を出て次はあれじゃないのと山の神が指をさしたのは、先ほど行ったばかりの鬼子母神だった。ちゃう。目の前の弦巻通りを左へと進んでいくのだ。1ブロックも歩くと東京音楽大学が出てきて、たしか高校時代の同級生がここを卒業して音楽の教師になっているはずだと思い出していた。やがて右手に大鳥神社を発見。

山の神と茅の輪くぐりを3回やって本堂で参拝した後、傍らに鎮座していた真新しい恵比壽神の前で手を合わせた。この柔和な顔立ちは、誰かに似ている、、、

 
左:高台にある清立院へ 右:清立院の毘沙門天

都電の線路を越え、弦巻通りを離れる。そして高台にある清立院の階段を上った。このお寺は日蓮宗で、境内に大きな日蓮上人の像が置かれていた。この界隈は日蓮宗のお寺が多いようで、読経は「南無妙法蓮華経」と聞こえてくるし、日蓮宗と掲げているお寺も見かけた。なにか上人と縁の深い土地柄なんだろうか。

さて肝心の毘沙門天は本堂の正面に安置されていた。「豊島区指定文化財」と標示されている由緒正しき像だ。山の神と参拝して、次に最大の難関、清土鬼子母神に向かう。雑司が谷霊園沿いの道を進み、適当なところで右へ折れてみる。目印の日本女子大学が出てきたので、間違ってはいない。あとはどんどん下っていくだけだ。途中われわれ同様に七福神巡りをしている年配の夫婦が道に迷っていて、けんかになっていた。この辺りがわかりにくいのはたしかだが、頻繁に地図を見ていれば、あさっての方向に行くことはない。

 
左:清土鬼子母神の吉祥天 右:雑司が谷霊園、夏目漱石のお墓

最後狭い道に入り、なんとかたどり着いた。日当たりが悪くなにか霊気がただよっているような場所。早くお参りを済まそうと、ぽつんとたたずむ吉祥天に手を合わせて、すぐに雑司が谷霊園を目指して歩き始めた。

霊園は先ほどの清土鬼子母神とは打って変わって開けた場所にあり、日当たりもいい。ここにある夏目漱石のお墓はぜひとも訪れたいと思っていた。メインの参道沿いにあるのだと思い込んでいたので、なかなか見つけられなかった。一人奥に入っていく若い人がいて、もしやそっちかと行ってみると、そこに花が手向けられた目指すお墓があった。山の神とともに文豪にあやかり、ぶつぶつと脳内で将来の希望を唱えた。

 
左:永井荷風のお墓 右:昼食は東通りの甲州屋でおそば

霊園は広大で見渡す限り墓石が並んでいる。もう一基、永井荷風のお墓がルート上にあったはずと注意して歩いていくと、なんなく見つかった。再びお参りをして、霊園を後にする。東通りに入って、もう池袋駅が近いことがわかる。時計を見ると、もういい時間になっていて腹も減ったし、そろそろ飯にするかと山の神と蕎麦屋ののれんをくぐった。

昼食後は、多くのイベントを仕掛けることで有名な個性派書店、天狼院書店に寄った。ちょうど読書会をやっていて、棚の一部を見られないということはあったが、ちょっと気分は高揚。その足で残る2人の神様へ会いに行く。

 
左:中野ビル前の布袋尊。豪快な笑顔が福を呼ぶ 右:仙行寺の華の福禄壽

ビルの谷間に屋根をつけてもらい、鎮座していたのは布袋尊。ガハハ笑いをしているような表情を見るとなごむ。そしてオーラスの華の福禄壽のある仙行寺へ向かう。このお寺に入って驚かされたのは、なんといっても池袋大仏。華の福禄壽の存在を忘れさせてしまうくらい大きいし、強烈なオーラを放っている。暗闇の中に浮かび上がって見えるような照明の演出がなんとも不思議な空間をつくり出している。

華の福禄壽に手を合わせ、最後のスタンプを押して、今年の七福神めぐりも無事終了した。ちなみにここ雑司が谷七福神は年中いつでも回れるようだ。色紙が500円でスタンプ代は無料だから、お金も節約できる。皆さんもハイキングがてら、ご利益も得られる(?)雑司が谷七福神へどうぞ。


仙行寺の「池袋大仏」

帰途なんでもそろっている巨大書店、ジュンク堂に寄って歴史の本などを閲覧した。充実の1日だった。

過去の七福神めぐり:
七福神めぐりhttp://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/8d9f16337cf2cb97d013ccc74a2bc6b3
東海七福神と品川富士http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/e7dcc0df1eca1c89dea42374fd68f971
池上七福神http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/e7dcc0df1eca1c89dea42374fd68f971
千寿七福神(北千住)http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/e5c9ac63891aa7ecf16842f63bfb796a
下谷七福神http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/d9d2bc94d677699ddba1c85946e81c9e
新宿山ノ手七福神http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/18d67a1f45c22a06563d3e3068401343
元祖山手七福神https://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/d71ede57f7afa89a6a771ce490131507

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