目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

今年の山行を振り返る

2018-12-30 | 山雑記

来年はどこに行こうかね、と山の神と話していた。

でもその前に今年はどこに行ったんだっけ? あまりメジャーなところへは行っていないよな。待てよ、夏に鳥海山と月山には行ったな。これが今年のメインイベントか。じゃあ、GW、海の日連休、9月の連休はどこに行ったんだっけ? あるいは天候不順でどこにも行っていないのか……。

記憶をたどっていくと、最近の山行である前武尊がまず目に浮かんできた。次に吾妻山・一切経山の青々とした景色が蘇ってきた。この2つが海の日連休、9月の連休だろう。ではGWはどこに行ったんだろう。

いくら思い出そうとしても、記憶の断片すら出てこない。山行を記した今年の手帳か、このブログで5月のところを見れば、一発でわかるのだが、思い出せないのは悔しい。

えい、面倒だと手帳を繰って、やっと思い出した。超がつくほど地味な山だった(地元の方すいません)。

山の神に質問してみた。
「さあ、いまから読み上げる山行記録で思い出せる?
 中央道双葉SAで朝食。SAを出るときに入れない車の列ができていた」
山の神「……」
「高速を飯田ICで下りた」
山の神「南木曽岳!」
「違う。南木曽岳はだいぶ前だよ。9:05大平峠着……無線の人の車ともう1台の車があった」
山の神「大平峠ってどこ? 山の名前の最初の文字は?」
「な」
山の神「ん~次は?」
「つ」
山の神「なつ……夏焼(なつやけ)山か。どんな山だっけ、キツネみたいなのがいたところか」
「当たり! 長野県民の森だよ」

 
3点とも:夏焼山にて 冒頭:木曽見茶屋前で山の神 左:「南木曽町 木曽峠 木曽見茶屋」と記された標柱
右:茶屋前で目撃したキツネなのか、犬なのかわからなかった動物。やはり犬か?

意外にも今年行ったばかりなのに、すぐに出てこないものだ。山の神は直近に行った塩原の山名も出てこなかった。プランニングしていないし、記録もつけていないし、マイナーな山では、さもありなん。

さてと、来年はどこへ行こうか。

参考:当ブログ
大平峠県民の森、夏焼山へ
草原の横川山と南沢山
東吾妻山&一切経山Part1~東吾妻山へ
東吾妻山&一切経山Part2~浄土平野営場
東吾妻山&一切経山Part3~不動沢から五色沼・一切経山
鳥海山・月山プロローグ~鳥海山登山口へ
鳥海山・月山Part1~鳥海山舎利坂へ
鳥海山・月山Part2~鳥海山七高山へ
鳥海山・月山Part3~リフトを使って月山へ
川場谷野営場から前武尊山

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コゲラ、アカゲラ、アオゲラ探し

2018-12-24 | マガジン

今日は整体。体が凝り固まって、あちこち傷んでいる感じなのは、昨日の大掃除のせいだろう。窓拭きに始まり、玄関掃除、門灯のクモの巣取り、庭の草むしりと庭木の剪定、風呂掃除……脚立に乗って、上を向いての作業から、しゃがんで黙々と下を向いての作業までやれば、当然か。

背中に指が入らないですよ~と言われ、背中は電気毛布で温めることになり後回しに。自覚症状があるだけに、やはりすごいことになっていた。膝裏を触られると、ピリピリと痛覚へ直撃。首も凝ってますねえ。右に左に回す。でもごりごりやってもらっているうちに、なんとか元通り一歩手前くらいまでに回復した。ありがたや。

家に帰って、大掃除に続くお正月の準備第二弾。日本酒の買出しだ。純米大吟醸の獺祭やおりがらみの新酒、名前で買ってしまった、神酒蔵のいも神(芋焼酎)など。しばらく酒には困らないくらい買いこんでしまった。

そしてお正月読書用『BIRDER』1月号の話題。ようやく本題です。

表紙を飾っているのは、公園でも見られるポピュラーなキツツキ、コゲラくん。この新年号の特集は「キツツキ類大百科」だ。そして付録には2019年のダイアリー。家にもって帰ると、山の神にすぐさま奪われた。いつものようにかわいいを連発して、私より先にキツツキや北海道に渡ってくるというコクガンを閲覧していた。

2,3日を経て、ようやく私の番。先ほどさっそくなかをパラパラめくっていると、なんとアカゲラが冬の公園で出会えるかもと紹介されていた。コゲラばかりか、アカゲラくんもか。山の中では見たことがあるけれど、下界にもいるのか。そしてまったくその存在すら知らなかったアオゲラというのもいて、なんとこのキツツキも公園に棲むことがあるのだとか。しかもここ東京、井の頭公園にもいるというから驚きだ!

「ピョー、ピョー、ピョー」という鳴き声を聞いたら、付近の高い木を探してみようと書かれていたが、さすがにこのカタカナ表記だけではまったくその声を想像できない。「アオゲラ」「鳴き声」のキーワードでネット検索してみると、出てくるのでチェックを。参考までにサントリーのサイトがよくまとまっているので、以下にリンクをはっておくね。

日本の鳥百科「アオゲラ」

ほかにも個人でアップしている動画があって楽しめる。背中の黄緑色が鮮やかで、おなかの黒筋がおしゃれ、頬の赤がアクセントになっていて、まるで誰かがデザインしたような容姿であり、澄んだ口笛のような鳴き声までもつというから非の打ち所がない。すっかり私はこの鳥のファンになってしまった。

キツツキだから、幹をコンコンやる、そしてこの特徴的な声を耳に焼き付けておけば、いずれ見つけられるのだろう。全長30センチもあるというからかなり目立つし。来年には見られるかな。

BIRDER(バーダー)2019年1月号 キツツキ類 大百科【特別付録 BIRDER DIARY 2019】付き
クリエーター情報なし
文一総合出版
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冒険家と探検家はべつものだった。下北沢B&Bトークショーにて

2018-12-18 | イベント

 昨日12月17日(月)下北沢B&Bにて『冒険家たちのスケッチブック』刊行記念トークショーがあった。題して「冒険・記録・食べること」。ゲストは豪華で、かのグレートジャーニーで有名な探検家の関野吉晴氏と、冒険家・写真家の石川直樹氏。司会はこの本の編集を務めたワダヨシ氏。

夜も更けた20時に第1部がスタート。内容は「食」が中心だった。一部始終をかいつまんで紹介しよう。

まず関野氏がアンデスで脂肪のうまさにとりつかれたことを披露していた。なんでもアンデスでは写真を撮られると、「脂肪が抜かれる」と表現するとか。日本だと明治時代に「魂を吸い取られる」みたいなことをいう人がいたと聞くが、それと同じことらしい。それだけアンデスでは、脂肪は重要な栄養であり、生命の源なのだそうだ。そんな場所だからこそ、したたりおちる脂肪がうまいと関野氏はいう。一方石川氏は、来る日も来る日も同じものを食べていたときに、アラスカで食べたイクラ丼がうまかったと披露していた。

そこから発酵食品、たとえばセイウチや、アザラシの腹に海鳥を詰めてつくるキビヤックに話は飛ぶ。臭いや味が強烈なようだが、その土地土地に根ざした食べ物は、やみつきになるのだとか。

ほかに関野氏は、学生に「食」の学習をさせていることを話していた。生き物を屠ることで、われわれの口に入る食べ物となるという当たり前の事実を当たり前として受け止めてもらう。コリアンダーやうこんなどの一年草を育てることや、山形の鷹匠を訪ねて、鷹が小動物を狩るシーンを見せてもらい、そうすることで食べ物の何たるかを実感してもらうのだそうだ。

石川氏はだいぶ脱線して、nalgeneボトルで盛り上がっていた。私も使っているけれど、飲料水を入れるという用途だけではなく、お小水用にも使うのだとか。ネパールで売られている中古のnalgeneボトルは、トイレ用だったかもしれないので、決して買ってはいけないと皆に忠告していた。

第2部は21時頃にスタート。私としては圧倒的に第2部の内容のほうが面白かった。「道具」、そして「冒険家・探検家」についてトークは進んだ。

最初に道具。意外なことに2人ともアナログカメラがお好きのようだった。石川氏は、筋金入りでフィルムをセットして10枚しか撮れないカメラを使用していて、同じ場所では最大撮っても2枚までという。フィルムの質感が好きというところまでは理解できるが、レンズを換えられないので、被写体の近くに行ったり、逆に遠ざかったりとカメラをもって移動して撮ることをしていると聞いた時には、なんでそこまでするのかとあっけにとられた。望遠レンズを使えば済むことだ。そんな面倒くささがいとおしいらしいが、私には理解不能だった。関野氏も似たようなことをいっていて、デジカメは何枚でも撮れるから、撮るという行為に緊張感がなくなっていく。フィルムを現像するときのドキドキ感は、デジカメでは失われてしまったとその喪失感を残念がっていた。

道具話で印象的だったのは、2人ともガムテープの効用を非常に主張していたことだった。なんにでも使える。テントの外張りが破れたときや、ポールが壊れたとき、自転車がパンクしたときの応急処置、はてはネームプレート代わりにも。

道具話のハイライトは、関野氏が記憶をたぐるように話始めた、4つの根源的な道具とされるものだった。それは以下の4つだった。
釣り道具
マッチ
ナイフ
縫い針
原始的な生活を送る人たちには、絶対欠かせない道具なんだろう。

そして今回のトークショーで最も印象深かった冒険家と探検家の違いへと展開していく。私はいままであまり気にすることなく、なにげなく使っていた2つの言葉だけれども、じつはその中身はかなり違っていた。

冒険家とは、危険を冒す人。探検家とは、探り検べる(調べる)人。つまりその人の趣味・嗜好で、楽しいから未知の領域に入っていくのが冒険家であり、調査して世の中の役に立てようと殊勝な心持ちで未知の領域に入っていくのが探検家なのだ。

例として世界最初の南極点到達を争った、アムンゼンとスコットを挙げていた。どちらがどっちかって。南極点に一番乗りして、戻ってきたアムンゼンが冒険家。スコットは調査隊を率いていた探検家。探検は調査が目的だから、どうしても装備が重くなり、機動的に動けなくなるんだろうね。スコット隊は南極点に到達したけれども、戻って来れずに全員遭難死した悲劇の隊だ。 

ということで、下の本↓のタイトルに指導が入った。冒険家はスケッチしないだろう。冒険と探検がごっちゃになっている。ワダヨシ氏が小さくなっていったのはいうまでもない(笑)。人のことはいえないが、、、

冒険家たちのスケッチブック 発見と探検のリアル・グラフィックス
クリエーター情報なし
グラフィック社
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塩原へのんびり山旅?Part2~新湯富士・大沼園地

2018-12-08 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

新湯富士(富士山) 標高1180m 大沼園地 980m 栃木県

2018年11月25日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:35大沼園地駐車場9:45--10:28新湯富士10:36--11:01麓分岐--大沼園地散策--11:30駐車場

前泊は、上塩原温泉まじま荘。快適な比較的広めの露天風呂に浸かってくつろぎ、とちぎ牛のしゃぶしゃぶを堪能した。ごっつあんです。

その宿を9:20頃チェックアウトし、大沼園地に向かった。宿から大沼園地までは目と鼻の先で、日塩もみじラインへ入って道標に従い左折すると、あっという間に着いてしまう。もともとの計画では、新湯から登って、新湯富士を縦走し、大沼園地を散策し、巻き道で戻る予定だったのだが、前日の安戸山でくたびれてしまったこともあり、ゆるゆるの山歩きに変更していた。

 
左:大沼園地駐車場。奥はトイレ。道路の反対側にも駐車場はある 右:新湯富士登山口

駐車場にはいちばん乗り。紅葉も終わった冬枯れの大沼園地は静かだった。冬季(12月から)は閉鎖するというトイレに寄って、9:35山の神とともに出発する。静かな山行のはじまりだった。車道をちょっぴり歩いて登山口に到着する。

 新湯富士への九十九折の道のスタート

葉が落ちた森は見通しがよすぎて、すぐに急斜面が目に入った。見るからにしんどそうだが、登りやすいように九十九折の道が付けられているし、昭文社の山地図によれば、山頂まで50分だから、それほどの長丁場ではない。

 
左:向かい側には前黒山 右:冬枯れの森は見通しがいい

途中で山の神が着込みすぎていて、レイヤー調整。向かい側には前黒山のでんとした山容が見えた。

 
2点とも:頂上付近は北八ツのような景観(下山時撮影)

どんぐりが大量に散らばった道を上がると、最後のひと登りに入る。鬱蒼とした森になり、樹下では苔むした岩がごろごろしていて、まるで北八ツのようだった。そんななかを横移動していくと、あっさりと新湯富士の山頂に着いた(10:28)。山頂には、巨大な標示板がある(左下写真)。

残念ながら、まったく展望はない。とりあえず休憩しようと、傍らの根方に山の神と腰を下ろした。まもなく新湯方面から人の声が聞こえてきて、年配の夫婦が登ってきた。だれにも会わないと思っていたから、ちょっと驚きだった。3連休だから、ハイカーや登山者がいないことはないか。

 
左:薄暗い新湯富士山頂 右:大沼園地に足を踏み入れる

元来た道を引き返し、 11:01先ほどの登山口、大沼園地との分岐に出た。そこから園地へ向けて歩いていくと、駐車場にはわれわれの車以外にも2台ばかり停まっているのが見えた。そのうち前から観光客然としたカップルが歩いてきた。1台は彼らの車なんだろう。

草紅葉となっている大沼の湖畔に入っていく。沼のほとりに出ると、あきらかに水量が少なく、水草が露出していた。まもなく雪に閉ざされ、覆い隠されるのだろうが、痛々しい感じだ。


水が少なかった大沼。撮影地点の木道は水没することもある

「ほらほら、魚がいっぱいいる」と山の神を手招きする。木道からふと下を見たら、小さな魚たちがたくさんいたのだ(冒頭の写真)。やはり冬枯れた景色ばかりのなかで生き物を見るとなごむ。


大沼園地からお椀を伏せたような新湯富士を見る

木道からは新湯富士を一望できる。たしかに富士山と呼ばれるにふさわしいお姿。形状からいって火山活動で激しく隆起したものなのだろう。この沼もそのときにできたのか。 

帰路では、ここまでお散歩に来たのか、犬連れの奥様とすれ違う。そして木道の一直線の道を抜けると、もう駐車場だった。

 
左:寒々とした園地の森は人が少なかった 右:一直線の木道を歩いて戻る

11:30駐車場に戻った。駐車場では、新湯富士の山頂で会ったご夫婦を見かける。これから園地に向かうようだった。

山の神と私は、このままサクサク帰れば、東北道の渋滞に巻き込まれずに済むなとお気楽気分で園地を後にした。前日の安戸山山行で車を停めた、アグリパル塩原(道の駅 湯の香 しおばら)に立ち寄り、野菜などを買い込み帰途についた。

都内に入って自車の200メートル先くらいで事故が起きてノロノロ運転になったが、すぐに通過できて、15:30頃に帰宅。塩原初日の安戸山は難行苦行を強いられたが、2日めの新湯富士ゆるゆる山行はこれで無事完了した。

塩原へのんびり山旅?Part1~安戸山へ戻る
 

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塩原へのんびり山旅?Part1~安戸山

2018-12-02 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

標高 1152m 栃木県

2018年11月24日(土) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:17アグリパル塩原(道の駅 湯の香 しおばら)8:37--鷹八幡宮--9:27休憩9:36--林道歩き--御野立所碑の道標から上がって道迷い--10:36小広場(安戸山分岐)--10:56尾根11:06--11:29安戸山山頂(昼食)12:00--八汐ダム方向へ道迷い、引き返す12:36--12:46分岐--13:15休憩13:20--13:58蟇沼(ひきぬま)集落14:05--15:00道の駅

11月の3連休は1泊2日でゆっくりしようと山の神と相談し、塩原の温泉宿を予約していた。それにあわせて、登れる手ごろな山はないだろうかと調べていたら、たまたまこの安戸山に出合った。自宅にあった昭文社の山地図「那須・塩原」2006年版には出ていなかったのだが、図書館で借りた最新の2018年版に登山道が実線で記されていた。Web検索してみると、山行記録もあって、道標完備で迷うことはないと出ていた。安心して出発したのだが、、、

この日、自宅を5:04に出た。東北道佐野SAで前日に買っておいた菓子パンで朝食にする。3連休の中日だけあって、そこそこの人出で、そんな観光客を目当てに屋台の店がまだ6時台だというのにオープンしていた。気合が入っている。

 
左:アグリパル塩原(道の駅 湯の香 しおばら) 右:肩切地蔵

朝食後は東北道を順調に走り、西那須野・塩原ICで高速を下りた。見慣れた千本松牧場横を通り抜ける国道400号をまっすぐ進み、セブンイレブンで今日のお昼と行動食を買出し。ほどなくしてアグリパル塩原(道の駅 湯の香 しおばら)の広大な駐車場に入った。ここにはキャンピングカーで宿泊していた人もいて、歯を磨いたり、伸びをしている人を何人か見かけた。彼らを横目に、予定より早く着いたこともあって、のんびりと準備し、山の神と8:37道の駅を後にした。

いちご狩りのビニールハウス横を抜けると、すぐに肩切地蔵が出てくる。ほとんど自然のままの、人の手が入っていないであろうお姿だ。ここを道標どおりに左に進む。やがて電気柵に囲まれたりんご畑を通過。鷹八幡宮の鳥居が目に入る。そこを左へ入っていく。

 
左:鷹八幡宮 右:薄暗い杉の林道が伸びている

しばらく陰気な杉の薄暗い道がつづき、辟易したころに登山道になる。雑木林は、だいぶ葉を落としているものの、紅葉がところどころに残っていて、目を奪われる。

9:27歩き始めて50分ということもあり、小休止をとる。自宅からもってきた、温かいお茶でひと休みだ。

 
左:紅葉が残る登山道 右:林道に出たと思ったら、地図に記載されていた林道はこの先だった

やがて林道に出てまあまあ順調だなと地図を見ながら山の神と話していたのだが、その道を進んでいくと、目指すべき本来の林道に行き当たった。道幅がもっとあって、路面が平らに整えられている。

この林道の左側に登山口があるはずと、気をつけながら進むことになった。しばらくして「御野立所碑」の矢印案内板の上に「安戸山」のものも見つけた。てっきりここを左に上がるのかと思ってぐいぐい登高していったら(左下写真)、とんだ間違いだった。あるところで右へと道が切り開かれていて、その先は行き止まり。林業関係者がつけた作業道のようだった。

引き返して元の林道を進むが、結局安戸山の尾根に上がる道はわからなかった。ただ1箇所だけ、なんの道標もないものの左手に上がっていく道があった。山の神がしきりに行ってみようと提案してきたのだが、また違う道だったら、ここまで引き返してこなければならないと思い、あえて冒険をおかすことは避けることにした。

 
左:御野立所碑の道標から上がった道は間違いだった 右:小広場から左へ上がっていく。路肩には霜柱

冷え込みの激しい日影の林道を飽きるほど歩き、小広場に出た。安戸山の道標が出ている。左へヘアピンカーブになっていて、そこを上がっていく。山の神はしきりに「寒い、寒い」とこぼし、ピッチを上げて歩き始めた。路肩の霜柱を撮影しているうちに、山の神の後姿は小さくなっていた(右上写真)。

すぐに、あまりにもプリミティブな、アキレス腱が伸びきる直登コースになった。もともと登山道なんてなかったのだろう。やけに飛ばす山の神の背中を追い続け、山頂と思しきところで、やれやれ着いたかと思ったら、そこはただのピークで山頂ではなかった。老夫婦とすれ違い、まだ山頂は先だとわかる。

 
左:山頂と思いきや、ただのピーク 右:安戸山山頂からの見晴らしはない

途中でいい加減休もうと山の神を呼び止めて、お茶タイム。前回休憩から1時間20分が経過していた。

でもそこから山頂まではすぐだった。最後のひと踏ん張りの末、11:29狭くて展望のない地味な安戸山山頂に到着した。山の神とおにぎりを食べていると、後から若いカップルと単独のおじさんがやってきた。

 下山路もすごい急坂

12:00下山開始。ピストンではなく、反対側の尾根筋を下る(はずだった)。登ってきたときと同じように、とても原始的な道でまっすぐな急坂を下るだけで難儀する。それから笹原の道になり、北側斜面に付けられた右に大きく旋回していく薄暗い道に誘導されたのだが、どうも方向が違うような気がして、戻って直進してみた。

途中踏み後がおぼろげになるも、人工物が出てきて、間違ってないのではとさらに奥へ進む。 

 
左:快適な道だったが、踏み跡がおぼろげ 右:間違いとわかり、引き返す。奥に見えるのは安戸山

しばらくして振り返ると、安戸山と那須塩原の街並みが見えた。地図を出して方向を確認すると、明らかに間違いだとわかる。このまま進むと八汐ダムに出そうだった。 

 
左:北側の登山道から回りこむ 右:林道に出たが、はて下山路は?

12:46元の道に戻り、遅れを挽回すべくピッチを上げた。薄暗い道は短く、すぐに快適な道に早がわりして山の神も私も足どりは軽い。その後すぐに林道に出て、小広場かと思ったが違うし、下山用の道標もどこにもない。安戸山への矢印はいっぱいあるのに、こっちに下りたらどこに着くのか、そうした道標はなかった。まっ、ここまで来たら、下るのみだ。

下り始めて、これは蟇沼(ひきぬま)方向に向かっているなと感じ始め、もしかしてさっきの林道を上がっていくべきだったのか。そうすれば、小広場に戻れたのかと、ああでもないこうでもないと考えていた。 

 
左:蟇沼集落に下山 右:ニホンザルが民家で食事中

結局下山地は蟇沼の集落だった。予定の全行程をゆっくり歩いても14:00には下山するはずだったのだが、ここにたどり着いた時点ですでに14:00にならんとしていた。集落の入口で休憩したのちGoogleマップのアプリをたよりに道を進んでいく。途中車道を横切っていくニホンザルの群れに出会った。何をしているんだろうと観察すると、民家の植栽の実を摘んで食べていたり、何か葉物をつまんで食べていたりした。

車道を南下していくと、酪農家がいくつもあって、乳牛たちが牛舎のなかに何頭も見える。こんなところに牧場があったのか。そこからただひたすらまっすぐな単調な道に入ると、左手に巨大な送電線の設備のようなものがあり、山の神が電力中央研究所だという。 「進撃の巨人」に出てきそうな場所だ。思わぬ余禄に遠回りも悪くないなんて思っていると、今度は道の駅手前まで来て古民家カフェを見つけた。概観は普通の農家で、中もおそらくそのままなのだろうと予想しながら、広大な庭に入っていくと、本日はお休みだった。残念。

だいぶ道に迷った割には、道の駅に15:00に到着。この日は軽く歩く予定だったのに、ガッツリ山行になって、疲労困憊だった。そのせいもあって甘いものがほしくなり、中のカフェコーナー(セルフ)で、私はアップルパイとコーヒー、山の神はイチゴチーズタルトとコーヒーをオーダーした。コーヒーを飲んでいるうちにようやく人心地ついた。

新湯富士・大沼園地につづく

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