目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

新緑の比婆連峰歩き

2019-06-02 | 山行~中国・四国地方

立烏帽子山 標高 1299m 比婆山(御陵)1264m 烏帽子山 1225m 広島県

2019年5月2日(木・祝) 晴れときどき曇り

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:20広島県民の森公園センター8:30--9:20展望園地9:28--10:25立烏帽子駐車場10:37--巻き道--11:00頃 登り返して立烏帽子山--11:17池の段11:26--12:15頃 比婆山(御陵)--12:48烏帽子山(昼食)13:13--13:45出雲峠13:53--14:30頃 第四キャンプ場

5:00頃広島県民の森第四キャンプ場にて野鳥の声に急かされるように起床した。朝食を終え、山支度をしてのんびりと8:15頃山の神とともにテント場を出た。前日にセンターにてお弁当(750円)をオーダーしていて、受け取りが8:30からとなっていたたため、ゆっくり目の出発となった。

 
左:第一キャンプ場入口 右:快適な新緑の道が始まる

お弁当を受け取り、ザックに詰めて山の神といざ出発。しかし直前に山の神が最初に出雲峠へ上がる私の計画に反対し、逆回りを提案。山の神は峠までのダラダラ上りが嫌だったようだが、逆にすると車道歩きから始まるので、取り付き点がわかりにくいのではないかと思っていた。

やはりそのとおりになり、ちょっと道を間違えたが、大事には至らなかった。

 
左:展望園地に到着 右:伊良谷山(左)と牛曳山

無事登山道に入り、快適な広い新緑の道を進むことになる。こちら側から歩く人は少なく静かな山行となる。やがて展望園地に到着した。途中軽快なペースで追いつき追い越していったジモティのおじさんが一人休んでいた。山の神と私が汗を拭いていると、「正面に御陵が見えているよ」と話かけてくる。えっ、一瞬頭のなかの方位磁石がぐるぐる回った。あれが御陵か。方向が違う気がするが、、、おじさんが去ったあとに地図を見るとやはり違っていた。おじさんはこの時期に毎年ここに来ているといっていたが、毎年御陵だと思って、伊良谷山なのか、牛曳山なのかを仰ぎ見ていたことになる。残念。

 
左:木漏れ陽が素敵な登山道がつづく 右:見上げると青空と若葉

われわれも腰を上げて先へ進む。途中ほとんど荷物を持たないおばさん2人組とすれ違う。なぜ荷物がないのかといえば、その先に林道が出てきて軽自動車が停まっていてわかった。ここまで車で来て展望園地を目指したのだ。


ところどころに山桜のピンク色が見えている

さらに進んでいくと、左手が開け、山桜のピンクがアクセントカラーになって東山魁夷の世界を思わせる風景が広がっていた。いやあ、いい道だねえと山の神と感嘆の声をあげつつ登高を続ける。


登山道独り占めの山の神

樹相が変わり、鬱蒼として闇をつくる杉林と広葉樹林の大木の境目を縫って進んでいく。 山の神は私が写真を撮っている隙にバリバリと登っていった。

 
左:前日に迷い込んだ立烏帽子駐車場に到着 右:立烏帽子の巻き道

展望園地から1時間ほどで、前日に道を誤って迷い込んだ立烏帽子駐車場に出た。ここにはトイレが完備されている。ただこのときは壊れていて使用不可で、代わりに簡易トイレが設置されていた。

ここでほてった体を冷ました。10:37腰を上げ、目の前にあった2つある道のどっちが正解なんだろうと迷っていると、山の神が左じゃないの、さっきの単独行の人もそっちに行ったしとのたまい、その道を選んだ。

 
左:ミヤマカタバミ 右:シハイスミレ

歩き始めるとすぐにお花畑が出てきてなごんでしまった。ミヤマカタバミやシハイスミレがそちこちで咲き誇り、足を止めて撮影タイムとなった。

 
左:立烏帽子山頂標示 右:池の段

しばらく歩いて、この道が巻き道であることが判明した。全然上りに入らないので、おかしいと思っていたら、あっさりと池の段と立烏帽子のコルに出てしまった。山の神は最初からそれを承知していたようで、すっかり騙されてしまった。

山の神にピストンしてくるわというと、私も行くという。それなら最初から巻き道を行かずにまっすぐ立烏帽子に登ればよかったのに。まっいいかとアクセル全開で登り、11:00頃山頂に到着した。意気込んで登った割には展望なしの地味すぎる山頂だった。

 
左:池の段から立烏帽子を振り返る 右:池の段から比婆山(御陵)を望む

元来た道を下って登り返し、11:17池の段到着。ザックを下ろしお茶を飲み、比婆山(御陵)を遠望しながら、さて昼食はどこで食べようかと山の神に尋ねると、御陵かねえ、あるいは烏帽子かねえ。どこかいい場所があれば、途中のどこかで、、、

 
左:比婆山(御陵)山頂 右:イザナミノミコトの陵墓とされる岩

池の段から下っていくとハイカーが徐々に増えてくる。トレランの人までも登場し、急ににぎやかになる。にぎやかなのはいいけれど、結局昼食にふさわしい場所はなく、比婆山(御陵)の上りに取り付くことになった。

イチイの巨木を通過し、12:15山頂に到着した。朽ちかけた十合目の標柱とイザナミノミコトの陵墓とされる岩(古事記にはイザナミノミコトは「出雲国と伯伎国の境の比婆之山に葬りき」とある)があって、おごそかな雰囲気を醸しており、とても昼食をとるような気分にはなれなかった。

腹減ったなあと何度もつぶやきながら、烏帽子に向かうことにした。

10代の若者たちのグループや颯爽と歩いていくる健脚たちのパーティと何度もすれ違いながら、12:48烏帽子山山頂にたどり着いた。ちょうどベンチを出発する人がいて、そこに山の神とともに腰を下ろした。

さっそく公園センターでつくってもらったお弁当を広げた。ぎっしりとおかずとご飯が詰まったその中身は予想以上に充実していた(写真)。ありがとう!

13:13腹もくちて下山開始。出雲峠に向けて下りだすと、なぜかくしゃみと洟が出始めた。まだこのあたりは花粉が飛んでいるのか。東京では完全に収束していたから、まったくの無防備状態で、薬もマスクもない。この後ティッシュを出して、鼻をかむこと数知れずとなる。

出雲峠で休憩したものの、症状が収まる気配はまったくなく、下山まで延々と修行道を歩いているかのようだった。いっぽう用心深い山の神は引き続き花粉症の薬を飲んでいて、私の様子を傍観しつつ余裕綽々だった。

センター前まで来ると、マスクをしている観光客を発見。やはりここ広島県民の森では、いまだ花粉が飛来しているのだった。

倉敷ぶらり観光へつづく
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令和初登山、吾妻山

2019-05-26 | 山行~中国・四国地方

標高 1239m 広島県

2019年(令和元年)5月1日(水・祝) 曇り  

メンバー 山の神と私

コースタイム 10:30休暇村吾妻山ロッジ直下駐車場10:50--休暇村吾妻山ロッジ11:02--小坊主--11:45吾妻山山頂(昼食)12:14--キャンプ場--12:55駐車場

6:00頃ホテル28広島で目を覚ました。山の神とともに昨日コンビニで買っておいた惣菜パンで朝食をとり、7:30チェックアウトした。その後近くにあったファミマで本日の昼食とテント泊(2泊)で必要な食糧を買い込み、カーナビに目的地を入れる。広島自動車道から中国道へ、そして松江道に入る。広島県民が出雲に遊びに行くのか、結構な交通量があった。ようやく高速を下りると、すぐに道の駅高野があり、このまま休憩だと自然とそこに吸い込まれた。ここで高速を下りた人たちは誰しも同じ気分だったのだろう。この道の駅はマイカーばかりか観光バスも何台も停車中で大混雑だった。

 
左:休暇村吾妻山ロッジ直下にある駐車場(登山者はロッジの駐車場使用可) 右:休暇村吾妻山ロッジ

道の駅で一息ついた後、途中通行止めの道もあって迂回を余儀なくされたが、10:30には無事休暇村吾妻山ロッジ直下の駐車場(キャンプ場用の駐車場なのか?)に到着した。この駐車場にはトイレがあって、出発前に寄っていこうと思っていたが、なんと閉鎖されていた。仕方なくロッジまで移動してトイレを借りたのち出発する。

 
左:ロッジ上の原池 右:小高い丘は小坊主

時計を見るとすでに11:00を回っている。こんな遅い時間からの登山は久々だけれども、今日はハイキングだから問題なし。天気は予報どおりのくもりではっきりしない。ただどんよりではなく、うすぐもりなのは救いだ。

ロッジ裏を上がっていくと、まず右手に吾妻山の山影を水面に映した原池が出てくる。木の柵が設けられていて、牧場チックなのがいい。


小坊主方面から吾妻山を見る

まずは目の前にある丘のてっぺん、小坊主に登っていく。ところどころ芝を突き破って、黒土を盛り上げているのはもぐらの仕業で、ロッジ横から延々と続いていた。


ロッジと原池を見下ろす

小坊主で水分補給していったん下り、ハイカーが吾妻山から下りて来た道を山の神とたどった。ふと山頂を見やると、いつの間にか雲がかかってしまっている。登っていくうちにあの雲はとれないのか。

ハイキングコースということもあり、小坊主からあっけなく山頂に到着してしまった(11:45)。すでに数人がこの狭い山頂で昼食をとったり、ひと休みしたりしている。山座同定盤が景色のよさをアピールしていたが、雲はとれず、まったく何も見えなかった。

 
左:吾妻山山頂 右:山頂には山座同定盤。何も見えないが、、、

それでも昼食をとっている間にもしかしたらと密かに期待していたのだが、山頂付近に白いガスはへばりつき居座ったままだった。登山者が続々と登ってきたこともあり、12:14あきらめて山の神と下山を始めた。さすがはGWで、家族連れやハイカーと多くすれ違った。

下山路はピストンにはせず、途中で左へ方向を変えてキャンプ場へ向かった。車道に出てキャンプ場を通過して、駐車場には12:55に到着した。

 このあと、広島県民の森へ移動したのだが、この道行きは試練の連続だった。ロッジで教えてもらった、島根側の道をチョイスしたのだが、分岐から狭くてくねった道になり、違うと判断して引き返してしまった。じつはその道が正しかったのだが。

戻った分岐から下りの道を進んでいくと、なんと休工中の工事箇所があった。横をすり抜けるときにもしやこの道はロッジに向かうときに通行止めと標示されていた道ではないかと直感で思った。

完全に下りきってT字路に出て、そうとわかった。ここまで来てしまったのなら、ロッジで通行はやめたほうがいいとアドバイスしてくれた道ではあるが、県民の森への最短コースを行ってみようと決断した。

比婆山公園線(254号)に入っていく。たしかに狭くてくねっていて、四国で走った国道439号(通称ヨサク)を彷彿とさせる道だった。

それが早く通過したいという気持ちを私に起こさせて、さらに失敗を重ねることになる。分岐が現れて確かめもせず、まっすぐ進んでしまったところ、なんと行くつもりのなかった立烏帽子駐車場に出てしまったのだ。ここはどこだと山の神と地図で確認して、Uターンする羽目に。元来た道を戻り、間違った分岐を下へと向かい、やれやれとなる。やがて人里に出て、比婆山県民の森線(256号)に入り、14:30苦労の末、目的地の広島県民の森公園センターに到着した。

到着直後テント泊の申し込みをし、1区画分2100円×2泊=4200円を支払う。第4キャンプ場に車で移動しテントを張ったのち(上の写真)、公園センターに戻って一風呂浴びる(500円)。さっぱりして出てくると、なんとこの施設では登山用の弁当申し込みもできることが判明。明日用に山の神と私の分2個を頼んだ。

テント場に戻り、人心地ついて、山の神と缶ビールを開けた。

比婆連峰へつづく
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平成最後の山登り、三瓶山Part2

2019-05-11 | 山行~中国・四国地方

Part1つづき

昼食を終え、12:15そそくさと子三瓶山を後にした。山の神はこの時点で、孫三瓶山へ行って、引き返すことを考えていたようだ。でもここまで来て女三瓶山をカットしたら絶対後悔しそうだなと感じていた。

 
左:孫三瓶山山頂 右:ミツバツツジがところどころで咲いていた

私が孫三瓶山で山の神に先を促すと、ん~行ってもいいよという。明らかに乗り気ではない。しかし孫三瓶山を下っていくと、歩きやすい快適な道になり、がぜん登高意欲が増してくる。まばらな新緑の中にアクセントカラーになるミツバツツジが咲いていたのも励ましになる。

撮影のために立ち止まることもなく、疲れた脚に鞭打って必死に進むと、ベンチが置かれた大平山(たいへいざん)が現れた。こんな山が女三瓶山の途中にあるのかと地図を引っ張り出す。子三瓶山から休憩なしで、すでに連続歩行時間は1時間を超え息も絶え絶え。空いたベンチにどっかりと腰を下ろし休憩にした。

 
左:大平山の標柱 右:ベンチの置かれた大平山から女三瓶山を望む

13:32もうひと登りだと大平山のベンチから山の神とともに腰を上げる。すぐそこに女三瓶山山頂の電波塔が見えている。いったん大平山を下ったコルに出ると、左手にさびれた展望台(下のほうに写真)があった。おばちゃんたちのパーティがぞろぞろとそこから引き返してきたのだが、われわれはパス。この展望台は、リフトで上がってきた観光客のためにつくられたようだ。

 

 
左:女三瓶山山頂の標柱 右:山頂には展望を楽しめるデッキも

比較的整備された道を上がっていくと、まもなく女三瓶山の山頂に到着した。電波塔という人工物がある分、味気ない山頂ではあるが、見晴らしはいい。ただどんよりとした雲が空を覆っていた。

14:05女三瓶山から下り始める。途中男三瓶山への縦走路入口があって、そこにはロープが張られ通行止めとなっていた。ここまでは役所の人も簡単に登って来られるからなのか。男三瓶山では通行止めとはなっていなかった(Part1参照)。

 
左:女三瓶山直下の展望台 右:室内(むろのうち)池

それはさておき、先ほどのコルに戻り、展望台横の室内(むろのうち)へ下っていく道に入る。しかし山の神がこの道で帰れるのかと「?」を頭上に浮かべながら後からついてくる。まもなく下から夫婦が上がってきた。すかさず山の神が話しかける。どちらから? 返答に深くうなずく。この道で間違いない。

しばらく下り続け、まだ下るのかと、やがて訪れる登り返しに恐怖を感じるほど下った。カルデラ地形の底までたどりつき横移動していくと、今度は口笛を周囲にこだまさせる“口笛おじさん”がいた。あの音はどこから? あの世から響いてくると思えるほど反響がすごい。カルデラ地形だからこその現象だった。そして至るところから見えていた室内池に到着。近くまで行ってみると、春の使者(?)おたまじゃくしが大量に泳いでいた。


男三瓶山を見上げると青空が覗いていた

池の先の分岐に達すると、文字通り大人数の団体に遭遇。おじちゃんの陰にあった道標を見て扇沢まではまだ遠いなとため息をつきつつ、横を通過した。薄暗いどんよりとした雲がその頃徐々に切れ始め、そのうち青空が覗いて、ちょっとだけなごむ。

最後の急峻な斜面をあえぎながら登り、15:24扇沢に着いた。足が完全に棒になっている。 

 三瓶山北の原キャンプ場

扇沢から西の原駐車場まではあまりにも長い40分だった。計画がだいぶゆるかったせいで、所要時間の読み誤りとコースの取り違えもあって久々の長時間歩行となりヘロヘロだった。よく歩けたものだ。

その後西の原駐車場から本日のお宿である北の原キャンプ場に移動し、テントを張って、やれやれ。日が傾く頃、山の神とビールで乾杯した。 

石見銀山へつづく
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平成最後の山登り、三瓶山Part1

2019-05-10 | 山行~中国・四国地方

男三瓶(おさんべ)山 標高 1126m 子三瓶(こさんべ)山 961m 孫三瓶(まごさんべ)山 903m 大平山 854m 女三瓶(めさんべ)山 953m 島根県

2019年4月28日(日) 曇り

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:08西の原駐車場--定めの松8:37--8:58分岐--9:32休憩9:40--10:33男三瓶山10:45--11:40子三瓶山(昼食)12:15--12:52孫三瓶山--13:22大平山13:32--13:55女三瓶山14:05--室内(むろのうち)池--15:24扇沢15:34--16:15頃 駐車場

GW10連休初日渋滞にはまり、自宅を4:30過ぎに出たというのに米子のビジネスホテル、カクバンに着いたのは17:30を回っていた。一昨年同じように家を出て、ちょっと手前ではあるが、蒜山高原に着いたのが14:30だったことを考えれば、怖ろしいほどの時間ロスだ。荷を解き、景気づけに山の神と居酒屋に繰り出し、米子のおいしいものを堪能して翌日の山行に備えた。

翌28日は5:00に起床。昨晩コンビニで買っておいた惣菜パンで朝食をとり、6:15にはホテルをチェックアウトした。まずはカーナビに目的地を入れ、ホテル近くのコンビニへ向かう。本日の昼食用おにぎりや行動食、晩のテント場でのつまみ、翌日の朝食用パンなどを買い込んだ。

 
左:西の原駐車場。トイレあり 右:定めの松

こんな時間でも比較的交通量があるのは、やはり10連休のせいか。それでもサクサクと走れて、8:08三瓶山の登山口、西の原駐車場に到着した。すでに車がパラパラと停まっていて、人もまばらにいる。前方にはこれから登る男三瓶山と子三瓶山が迫っている。こちらに向かっておいでおいでしている山二つを、さっそく写真に収める。そのとき気づいたが、明らかに登山道ではない草原のはずれを歩いている人がいた。山菜採りのおじさんか。

まずは巨木、定めの松を見てからの出発だと、山の神と2人、登山道に入る前に少しだけ寄り道をする。樹勢が衰えていると案内板に書かれていて、つっかえ棒が大きな枝を支えていた(写真右上)。

 
左:草原の道から出発 右:山桜満開

定めの松からスカっとよく開けた草原に入る。前方には先行する単独行の登山者がみえていたが、ぐんぐん引き離されていく。やがて登山道の傍らに蕨を何本も発見した。先ほど駐車場から見えていた人はやはり山菜採りの人だったようだ。

樹林帯に入るとすぐに姫逃池からの登山道と合わさり、分岐に出る。当初の計画では、ここから扇沢に上がる予定だったが、同じ道を2度通ることになるので、左の九十九折の道、お花畑コースに変更して登ることにした。 

 
左:ヒガラが登山道のすぐそばでさえずっていた 右:男三瓶山山頂付近

途中レイヤー調整をしたり、水分補給をしたり、山桜満開の場所から眺望を楽しんだり、たまたま目の前に現れたかわいいヒガラを被写体にしたりと、結構な時間をロスしたようだ。すぐそこに男三瓶山から子三瓶山への縦走路が見えているというのに一向に男三瓶山に到着せず、時間ばかりが過ぎていく。 

 
左:家族連れハイカーでにぎわう男三瓶山山頂 右:女三瓶山への道

それでも、前進していればいつかは着くもので10:33、なんでこんなに長いのだろうという横に(縦というべきか)長い山頂に到着した。小さなお子さんを連れた家族連れや、若者のパーティ、単独行の方々で山頂は賑わっていた。ハイカーはここまでのようで、この時間にしてもうお弁当を広げていた。

山の神と私は先へ向かう。男三瓶山山頂からは女三瓶山へ向かう縦走路があるのだが、現在通行止めなので、いったん扇沢へ下って子三瓶山だ。しかし、なぜか女三瓶山の縦走路を進んでいくパーティを見かけた。たしかに通行止めの看板も、注意喚起するような貼紙もない。だいじょうぶなのか。途中まで行って引き返すことになるのは嫌なので、子三瓶山へ向かうことにした。

子三瓶山頂でたまたま耳にした話では、途中登山道が崩れているところがあるが、通れないことはなかったらしい。


子三瓶山(右)と孫三瓶山

男三瓶山から扇沢への道は、かなりの急勾配でロープが設置されているのだが、足元が危うい箇所が多くあった。登るのも下るのも厄介な場所だ。その難所を下りきると、あとは草原の山が待っている。


子三瓶山へまっしぐら

私が撮影に熱中していると、山の神がじれたようで、ターボエンジン全開で子三瓶山の上りに取り付いていた。ふと気づくとかなり前方に山の神の姿が、、、

 
左:子三瓶山山頂の標柱 右:孫三瓶山へ向かう

11:40子三瓶山山頂に到着する。当初の計画では、室内(むろのうち)へ向かうはずだったのに、計画書をろくに見ずに前方を歩く人にいざなわれ、子三瓶山にいた。まあ、いいかと山の神と私はここで腰を落ち着け、おにぎりをほおばる。

Part2へつづく

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蒜山縦走Part2~中蒜山・上蒜山

2017-05-14 | 山行~中国・四国地方

Part1のつづき

下蒜山から残念なくらいどんどん下る。もちろん下った分登ることになる。でも、中蒜山への道はバラエティに富んでいて楽しい。草原あり、樹林帯あり、ヤブあり、お花ありだ。

ちょっとここで登山道で見たお花4つをまず紹介しておこう。左下時計回りにスミレ、ミツバツチブリ、そしてそこらじゅうでたくさん咲いていたカタクリ、そしてなぜこの時期にというイワカガミ(カタクリもそうか)。黄色いミツバツチブリは、なんという名前なんだろうと家に帰ってから調べてこの名前だと判明した。どこにでも自生してそうだけれども、意外に名前を知らないものだ。またGWにイワカガミを見たのは初めて。私の印象では、夏の花なのだが。

  

話は戻って、中蒜山への途中、トレランっぽい高校生らしい3人パーティに抜かれた。彼らとはその後すれ違ったので、恐るべきことに縦走ピストンだとわかった。縦走ピストンは単独行の男性も見かけた。驚くのは、普通は山頂で折り返すものだが、この男性はだいぶ下ってからまた登り返すということをしていた。すれ違ったときに、それとわかって山の神とあっけにとられてしまった。


中蒜山へ向かう草原の道。道の切れた先は、左へ思い切り下っている

下蒜山からの下りは、しばらく気持ちのいい草原の道だ(上の写真)。登山道が草原に筋をつけている。やがて樹林帯に入り、ブナが出てくる。

 
左:花盛りのオオカメノキ 右:フングリ乢

ほぼコルのフングリ乢(たわ)を過ぎると、山の神の嫌いな、ヤブになり、薄暗い杉林になった。ここで下蒜山から下り始めて小一時間ということもあり、休憩をとった(11:05)。風が抜けて涼しくていい。


中蒜山への急登から振り返ると下蒜山

休憩ポイントから30分ほどで塩釜への分岐、避難小屋を経て、中蒜山山頂に到着した。すでに山頂には5人がいて、皆昼食をとっていた。横に長い山頂で、そのどこからでも展望はすこぶるいい。山の神と私もここで、眺望をおかずにお昼にした。


上蒜山への登山道がうねうねと続く

12:21誰もいなくなった中蒜山を後にし、上蒜山へ移動開始。下蒜山・中蒜山間がたいへんだった分、こちらのほうが距離は短いので気持ちは楽だ。でも下って、登っては同じ。

 
左:カタクリとキクザキイチリンソウ 右:中蒜山もだいぶ遠くになって、上蒜山への最後のひとふんばり

途中何度も見かけた花弁9枚の白い花が気になる。これなんだろうねと山の神と話しながら進む。葉はキクっぽいからキク科か。これも家で調べたところ、初めて聞く名前、キクザキイチリンソウだった。

 
左:上蒜山最高点。三角点はこの先、ヤブの奥 右:槍ヶ峰。奥に大山

13:16上蒜山の最高点に到達した。無人でさびしい限り。ヤブの奥に三角点があるはずだが、人が入っていないようで、踏み後はうっすらだった。一瞬行くかどうしようか迷ったが、山の神が関心ゼロだったので、あっさりとやめることにした。

少し休憩して、下山路に入る。予想外にまだまだ見せ場は続き、稜線を下っていっても抜群の見晴らしだ。8合目の槍ヶ峰もなかなかのビューポイントで、立ち止まってぐるりと周囲を見回した。

 最後は杉林を縫って階段を下りる

やがて下界の別荘地が見えてきて、もうすぐだとばかりに休憩もとらずにひたすら下へ下へと足を運んだ。最後はまたもや杉林でこれでもかと続く長い階段。ようやく案内板のところに出て、それが登山口だった。疲れた、終わったと思ったら、そこからが存外長かった。

 
左:里山の道を進む 右:林道に出ると山桜が迎えてくれる

里山の道を延々と歩き、まだかいなと山の神とこぼし合っていた頃、ようやく見覚えのある林道に出た。朝ちらっと目の端で捉えていたヤマザクラが出迎えてくれた。14:53駐車場に到着。その後は、汗を流そうと休暇村蒜山高原のラドン温泉を目指した。この時間帯は、休暇村宿泊者(運営しているキャンプ場宿泊者も)のみが入れる枠で、行ってみたらガラガラだった。¥500で温泉を堪能し、キャンプ場に戻った。 

鳥取砂丘につづく
蒜山縦走Part1~犬挟峠から下蒜山に戻る

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