目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

雨そぼ降る永平寺

2012-06-07 | まち歩き

001p5041019 2002年5月4日(土) 雨

10年前のGWの話である。

前日の5月3日は朝5:00過ぎに家を出発した。ガソリンを満タンに入れて、コンビニで朝食の買出しをし、中央高速にあがると、渋滞はもう始まっていて、大月辺りまで断続的にのろのろ運転となる。その後しばらく快調に走り、双葉SAで朝食。諏訪湖を過ぎて、名神へと伊那谷を走る。でも名神に入れば、また渋滞だろうと、直前の内津(うつつ)峠PAで早くも昼食にした。山の神はきしめん。私はみそカツ。さすがに名古屋に近いとこんなメニューになるのだ。

名神に入ると予想したとおり、ゆるゆると時間が流れていく。一宮JCTから東海北陸道に入る。空いてていいやと調子に乗って走っていると、途中からいきなり対面通行となり、スピードダウンとなる。白鳥で高速を下りて、あらかじめ目星をつけていた勝原(かどはら)キャンプ場へと向かう。渋滞でだいぶ時間をロスしたため、日帰り温泉は断念。途中スーパーで買出しをして、キャンプ場へまっしぐらとなった。キャンプ場は、場所がわかりにくく、駅前にたまたまいた民宿経営の人に道を訊いた。教えられたとおり、民家に入っていくような私道に見える道を入っていく。勝原園地と書かれた標識がある。キャンプ場に着くと、車はすでに10台くらい停まっていた。時計を見るとすでに17:00を回っている。テントをすばやく張って、外にレジャーシートを広げて、晩飯ビール態勢を整える。お隣では石川の高校生たちがテントを張ってはしゃいでいる。山の神と私は、涼しい風に吹かれながら、河原のキャンプ場でビールをあおった。最高だ。

夜半から雨となる。

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永平寺4点セット 

5月4日になると、天候は予報どおり雨。荒島岳行きは、やはり明日だ。代わりに道元禅師750回忌の大法要でにぎわう永平寺へと向かうことにした。9:00前にテント場を出て、美濃街道を走る。右折して、有料の永平寺道路(当時で¥410)に入る。寺にたどりつくと、いちばん近い駐車場は満車だった。右往左往して、蕎麦屋の駐車場に停めて境内へ向かう。

拝観料は¥400だった。修行中の雲水がガイド役についてくれ、面白おかしく永平寺の1日を説明してくれる。後日『食う寝る坐る 永平寺修行記』という体験記を読んだが、かなりハードな1日を送っている。朝のお勤めや、作法にのっとった食事、公務、座禅とひっきりなしにやるべきカリキュラムが組まれている。それはひとつも省略することはできない。私などはすぐに落伍者になりそうだ。でも、我が家の宗教は曹洞宗なのだ。そう、ここが本山。曹洞宗といえば、学校の歴史の授業に出てくる只管打座(しかんたざ)が有名だ。ただひたすら無念無想で座り続ける、というあれだ。脳からアルファ出まくり状態を目指すんだろうけど、都会に住む人間ほど雑念が多いから、なかなか難しいだろうね。

そういえば一つ、道元のエピソードを思い出した。食事の細かい作法を決めた、いきさつだ。道元が雲水たちのすさまじい食事の様子を見てしまったのだ。それは、もはや人間の食事とは思えないほど、さもしい食べ方、獣のような食べ方だったようだ。現代にたとえていうなら、ファーストフード店で、丼めしを息もつかずにかきこむ、カレーを食べるのに、スプーンでカンカン皿を叩きながら飯粒をかき集める、蕎麦を人間バキュームカーよろしく3口くらいで腹に詰め込む、といったありさまだったようだ。このままでは、この雲水たちは仏に仕える身にはなれない。そう考えた道元は、信じられないくらい細かくてうるさい作法を規定したのだ。

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左:平泉(へいせい)寺白山神社 右:素朴な味わいのまつやのそばだんご

観光客でにぎわう永平寺から勝山市へ移動する。勝山といえば、越前大仏だが、俗物(俗仏!?)の代表みたいなのでパス。足を伸ばして、うらさびれた感のある平泉寺白山神社(神仏習合!?)を訪れた。鬱蒼として薄暗い境内は、苔むした石畳などもあり、幽玄な雰囲気を醸し出している。このときは人が少なく不気味なくらい静かだったが、最近はパワースポットとして人気が出て、人出は多いようだ。

参拝後、そば処まつやに自然と吸い込まれた。ここで、そばだんごとコーヒーを注文。なんとも贅沢なひとときを過ごした。

さて、今夜のお宿は、越前大野の扇屋。建物の上には遠くからでも見える、扇のマークが付けられている。山の神がめざとく見つけて、難なくたどりつく。チェックインして、さっそく5Fにある展望風呂へ直行した。さあ、明日は荒島岳山頂からの展望だ!

 

荒島岳へつづく
取立山へとぶ


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