目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

剣山・三嶺エピローグ~祖谷のかずら橋&こんぴらさん

2016-06-05 | まち歩き

三嶺から名頃へ下山後、バスで見ノ越へ戻って車で国道439号を移動、祖谷のかずら橋を見に行った。あいにくの雨ながらも、ゴールデンウィークということもあり、観光客はひっきりなしにやってきていた。滝美屋の駐車場(¥300、滝美屋で食事をすると返金)に車を置いて、かずら橋へ行く。¥550を支払って、さっそく一歩踏み出したが、こりゃあすごい。足元を見ると、かずらで編まれた角材の間隔はかなり開いていて、きちんと踏みしめないとバランスを崩しそうだ。渡りきるまで、かなり緊張を強いられる。少し進むと眼下の渓谷が、足元の隙間から丸見えで、嫌でも高度感を味わえる。皆おっかなびっくり、手すりにつかまりながら進んでいた。私にいたっては、傘をさしながらのアクロバティックな撮影で肝を冷やしていた。

 祖谷のかずら橋。前方に山の神

滝見屋で祖谷そばを食べて、お茶するところはないかと探すと、「森のくまさん」があった。大学いも¥300とコーヒー¥300をオーダー。店内を見渡すと、野鳥の写真がいたるところに展示されていて、オーナーは鳥好きなのかと思った刹那、当のオーナーから話しかけられた。ほら、ヤマガラ。店の隣の木に止まっていたヤマガラがテラスのエサ置き台に何度も何度も舞い降りてくる。あそこには雛がいるんだよと枝の間を指差され、目を凝らすと確かにそこにひそんいる。思わぬところでバードウォッチングができてラッキーだった。

その後宿のチェックインタイムまで時間つぶし。大歩危(おおぼけ)へ移動し、観光船乗り場に行ってみた。もともと時間があれば、吉野川でカヌーをしようといっていたので、その代わりだ。ここの急流と渓谷美は有名で、見て損はないし、観光船なら自分で漕がなくてもいい。乗船申込用紙に記入し始めると、近くにいたお店の人が、今日はあいにくの強風で運行していないんですよと。山の神と肩を落として引き返し、道の駅大歩危へ寄ってお土産をあさった。

時計を見ると、もうだいじょうぶだ。チェックインできると本日のお宿、祖谷の宿かずらや(冒頭写真)へと向かった。かずらやは、山間の静かな宿で、素朴な料理と落ち着いた部屋でくつろげた。翌日は、山の神がぜひとも訪れたいといっていた金刀比羅宮。私は1度訪れているのだが、何一つ覚えていなかった。

 
左:大門 右:新緑が映える鳥居

祖谷の宿から2時間ほどかかって金刀比羅宮に到着した。民間の駐車場(¥500)に停めて出発。参道に入ると、もうお土産物屋がこれでもかと軒を連ねている。やがて階段が出てきて、奥社まで1368段あると書かれている。一昨日と昨日の2日間の山歩きで筋肉痛に侵された山の神は、お土産屋の傍らにあったレンタル杖を目ざとく見つけ、さっそくゲットしていた。

 

 
左:旭社 右:参拝者がひっきりなしに訪れる御本宮

新緑の映える参道だが、ちょっと湿度が高く、さわやかな感じではない。空はどんよりと曇っていて、階段を一所懸命登っていると、汗ばんでくる。桜馬場と呼ばれる広場に出る。傍らの御厩に白い馬がつながれていた。神馬ということだが、狭いところに四六時中閉じ込められ、観光客にじろじろ見られいるためか、かなりのストレスを感じているようだった。目の前の木の囲いをゴリゴリかじっていて、いつもそうしているのか、木はかなり細くなっていた。

桜馬場からさらに階段を上がっていくと、旭社。もうここで参拝終了なのか休憩している人が大勢いる。どんどん上がっていくと、御本宮に到着する。山の神と参拝して、奥社へと向かう。

 
左:御本宮横のケヤキの神木 右:高台から街を望む

 
左:白峰神社 右:奥社(厳魂神社)

奥社への道は、きちんと整備された石畳の道だが、完全に山中の道といった様相になる。観光客は、奥社へはあまり行かないのかと思っていたが、こちらの参道もかなりの人がいた。すぐに白峰神社、そこから忍耐力を試されるが、辛抱強く歩いていくと、奥社(厳魂神社)にたどりつく。山の神と最後の参拝をして、延々とつづく階段を戻った。

階段を下りきったところで木彫りの店を発見した。寿老人のお顔だけをレリーフのように彫った讃岐彫りを一体購入した。こんぴらさんもお参りしたことだし、これで何かいいことはないかと思いながら、近所のうどん屋で名物、讃岐うどんを食べる。今回の山旅も終わっちゃったねえと山の神と感慨にふけりながら、帰途についた。ただ一気に東京まで帰るのはきついなと、彦根のビジネスホテル、ホテルレイクランド彦根で1泊。翌朝起き抜けにホテルを後にし、寄り道することなく進み、お昼くらいに自宅に戻った。

Part2三嶺&下山へに戻る
Part1~白髪避難小屋までに戻る
プロローグ徳島入り&眉山へ戻る

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剣山・三嶺Part2~三嶺&名頃へ下山

2016-06-04 | 山行~中国・四国地方

Part1の続き

白髪避難小屋に着いたのは、まだ14時を少し回ったばかりだった。普通なら、なんのためらいもなく先に進むところだが、ここから三嶺小屋までは2時間余りあり、しかも三嶺への最後の登りは、クサリもあってかなりハードそうだと頭の中をネガティブ要素が駆け巡る。ここに泊まるか?でも明日の行程はその分長くなる。バスの時間もあるし。やはり明日楽したほうがいい。気持ちはもう出発に傾いていた。山の神が小屋の中を覗いて、中にいた夫婦に話しかけていた。今日はここにお泊まりだという。今のところ、お泊りはこの1組の夫婦だけだが、これから到着する人も多いだろう。テントも1張りだけで、カップルが近くでくつろいでいた。

14:14白髪避難小屋を後にした。徐々に高度を上げていき、ふと高知側に視線をやると、海が見えた。まさか太平洋が見えるとは思わなかった。意外に近いのだ。


土佐湾を望む。

せっかく登ったのに、そこからしばらく下りになる。後ろからかわいらしい黒柴を連れたご夫婦がやってくる。山の神と私は、へばり気味だが、会話を交わしながら、快調なペースで歩いている。うらやましい限りだ。

下ったら、当然登り返しになる。鐘のある韮生越(にろうごえ)から、根性の上りだ。ここで黒柴夫婦に道を譲る。15:01ようやくカヤハゲ(東熊山)に達し休憩にした。ここになぜか「韮生越」と書かれた板切れが落ちていて、あれ、ここが韮生越なのかと、地図を取り出して愕然としていた。まだ長いぞといっていると、次郎笈で見かけたカップルが追い越していった。みんなタフだ。

 
左:三嶺への上り。巨岩が見えている 右:山の神、クサリ場を通過中

出発して、すぐに下りになる。「韮生越」であれば、上りになるはずで、先ほどの板切れは誰かのいたずらだと判明した。いよいよ最後の上りだ。屹立した岩が正面に見え、山の神と私を威圧していた。登っていくと、その姿ほどの激しさはなく、あっさりと横を通過。

16:00三嶺の頂上に到着した(冒頭写真)。記念撮影をしたが、東京に帰ってその写真を眺めると、明らかに山の神も私も目が死んでいた。久々に疲労困憊状態だった。

 
左:三嶺山頂 右:三嶺小屋と池。奥の小さな建物はトイレ

早く三嶺小屋に行って落ち着こうと、早々に山頂を後にした。スイスみたいな麗しい眺めが目の前にあって、気分は爽快だ。本日のお宿、三嶺小屋に入ると、思ったほど登山者はいない。やはり明日から天候が崩れるからだろう。2Fスペースに人影はなく、1Fにパラパラと数人いるだけ。山の神と私は、1F奥、角のスペースを占有した。結局後から福島のご夫婦が到着しただけで、総勢10人だった。テント場も少なく2張りのみ。黒柴夫婦と、次郎笈で見かけたカップルだ。

ビールを飲んでごろりと体を横たえると、すぐさま寝入ってしまった。そして翌朝は、5時頃の起床。4時頃にガサガサと音がしていて、誰かもう出発するのだと思っていたのだが、起きてみると、全員いる。トイレだったのか。今日は天候が崩れてくるから、朝食は下山後にしようと山の神に告げ、早々に出発することにした。

 
左:三嶺小屋(三嶺ヒュッテ) 右:名頃駐車場。向かって右奥にトイレ、左手に休憩舎あり

5:35小屋を出た。しばらく下っていくと、シカがピーと仲間に危険を発しながら、脱兎のごとく逃げていく。最近は害獣として駆除されているから、必死のようだ。そこからすぐに水場への分岐が出てきた。小屋と水場往復で30分くらいらしいが、こんなに下だとは、、、だいぶ不便な水場だなと思いながら通過した。

やがてポツリと雨粒が。ジャンジャン降ってくる気配はないが、嫌な感じだ。天気は下り坂なのに、モミの林に入る頃から、これから登ろうという人たちとかなりすれ違った。遠方から来て、どうしても三嶺に登りたいのだろうか。

一度休憩を挟み、小屋から2時間ほどで名頃に到着した。山の神とまずバス停を確認しようと、あてずっぽうに右往左往して探したが、まったくそれらしいものが見当たらない。地図をチェックして、ようやく橋を渡って439号を左手に進んだところにバス停を発見した。駐車場に戻ると、見ノ越から車道を2時間半かけて歩いてきたという、つわものがやって来た。大変だったでしょうというと、ずっと下りだったから、それほどでもないという。

その後、外のテーブルで朝食をとり、コーヒータイムとしゃれ込んでいると、完全に雨模様となった。隣の休憩舎に逃げ込むと、続々と下山者がやってきた。昨日山の神と私を追い越していった黒柴夫婦や、山中で足がつったといって休憩していた方、名古屋から来たという若夫婦らとバスがやってくるまで、ペット談義・山談義に花を咲かせることになった。

バスは10:33発。恐ろしくクネクネした狭い道を飛ばし気味に進んで、車酔いした頃、見ノ越に到着した(名頃~見ノ越¥1,230)。

エピローグ~祖谷のかずら橋&こんぴらさん続く
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