はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

横浜遠征1月27日(ZAIM「東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了制作展」、IKEA港北店)

2008-02-05 02:36:38 | アートなど
先週、1月27日は、横浜で1つの展示と1つの店舗に行って参りました。

まずは行ったものメモ。のちほど書き足します。

・ZAIM「東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了制作展」
 東京藝術大学大学院の美術研究科、先端芸術表現専攻の修了制作展。学部生の卒業制作展同様、はじめての横浜での展示とのこと。28名による多彩な表現が提示されていました。修士課程だけあって作品表現の作家性が確立されている展示が多かったように感じました。
 こちらものちほど短評メモを書き足します。

・IKEA港北店
 北欧の家具メーカーIKEAの横浜港北店。新横浜駅からシャトルバスあり。
 前々から行ってみたかったので、ここぞとばかりに足を運びました。
 店舗スタイルとスケールの大きさに度肝を抜かれ、量産商品の機能的デザインや考え抜かれた店内システムに感心。
 今回は時間がなくて駆け足でしたが、一度ゆっくり一日かけて訪れてみたいと思いました。
 東北(特に宮城あたり)にも進出してくれることを期待。


横浜&東京遠征1/26。(横浜BankART1929「食と現代美術part4」、BankART NY

2008-01-27 11:35:48 | アートなど
昨日1月26日は、横浜で3つの展示と東京でひとつの舞台を観て参りました。

まずは概要だけ。のちほど書き足します。
(*2月4日に大幅追記しました。)

・横浜BankART1929「食と現代美術part4」
 食をテーマにした企画展。会場でランチバイキングもあったのでご相伴にあずかりました。なかなかユニーク。出張料理人の映像が鮮烈。
 他には「ギア・テーブル」「エプロン」「牛のロボット」が特に印象深い。

・BankART NYK 東京藝術大学先端芸術表現科卒業制作展「project the projectors 2008」
 東京芸大美術学部先端芸術表現科の卒業制作展。はじめて横浜での開催とのこと。33人による展示。分野の枠にとらわれない実に多彩な表現がありました。のちほど短評をアップします。
(以下2月4日追記)
以下、覚え書きメモと個人的感想。
1 上石智哉氏「trance」 立体インスタレーション。白い皮毛で覆われた自動演奏するグランドピアノ。巨大。
2 山口実加氏「LATIN ALPHABET」 立体インスタレーション。鉄製の豪奢な調度やシャンデリア。よーく見るとすべてがアルファベットから構成されている。圧巻。
3 石塚つばさ氏「MOTHER」 立体インスタレーション。芝で覆われた直径3mほどの巨大な円形丘状オブジェ。巨大なウニを連想しました。妙に好きな作品。
4 ヨシノ氏「発芽したい」「Pe」「いらいらちゃん」 映像作品。モニタがふさがっていて鑑賞できず。背後から覗き見るに、かなり個性的な表現だったようです。
5 ホウキダタクスケ氏「EMBLEM OF HERMONEY」 写真。アーミーウェアに身を包んだ男性が様々な場所を背景に立つ姿。
6 森田舞氏「GARA and image」 油彩。他の生物種の柄模様をまとった生きものたちを描いた作品群。スズメ柄のワシ、トラ柄のハムスター、アマガエル柄のリス、ヒョウ柄のアリ、インコ柄のペンギン雛、アゲハチョウ柄のダチョウなど。種の認識が形態よりも柄に引っぱられる傾向があるとはじめて気付きました。非常に鮮烈。個人的にとても印象に残っている作品です。
7 佐藤久依氏「Field's」 写真。女性の腋下毛を大写しにした作品。タブーへのクローズアップ。あっけらかんとした表現。
8 北野亜弓氏「人の話の聞き方」 『2007年12月2日、25日、31日と2008年1月2日にドトールコーヒー駒込東店で聞いた話のすべてについて』と題した横長大判のドローイング。題名の通り、漏れ聞いた他愛もない会話の言葉たちが紙上にちりばめられている。発話主体が動物や無関係とおぼしき人の姿にすり替えられているのが妙に可笑しい。ユーモラスかつ痛烈。
9 和田信太郎氏「不確かな投影」 インタラクティブ作品? テーブル状のモニタ。私が行ったときは稼働していなかったのか、全容がよくわからず。残念。
10 峰野加奈子氏 未見。残念。
11 河本奈々氏「すとんつ」 抽象画。素朴な質感の和紙。白地にパステルカラー。岩絵の具? どこかとぼけた味わいの印象的な大判。
12 中島祐太氏「中島アニバーサリープロジェクト」 プロジェクト展示。作者たる中島氏が、身近な人々と折りに触れ協定を締結した証である協定書の数々や、たくさんの焼物オブジェが展示されている。個人を国家に見立てた視点と、工作用紙で作られた立派(?)な協定書が斬新。興味深い。
13 八幡亜樹氏「ミチコ教会ドキュメンタリー映像」 時間がなかったためさらっとしか観られなかったため全容がわからないのですが、野山のバラック小屋で暮らす老女ミチコさんが自宅の小屋を教会に見立てて結婚式を挙げさせる様子を追ったドキュメンタリーの体裁をとった作品のように見えました。ミチコさんの存在やミチコ教会婚の架空性については判別できず。映像をきちんと観られず残念。
14 辻本崋那子氏「トーキョー」文字だけが抽出された東京の風景。鮮烈。
15 藤本涼氏「landfall」砂漠を模したかのような稜線に行き交うモノたちの風景。独特の空気。
16 間瀬朋成氏 生体材料や氷など、永続性に乏しく環境依存性の高い素材を利用した衝撃の作品群。個人的にはとても印象深い。
  「パラゴンミラー」ウミガメ(タイマイ?)の剥製を6体放射状に連ね、腹側を銀色に着色し天井から吊り下げたオブジェ。銀色の腹側が入口を向いているため、いっけん樹脂製の模造品のように見えましたが、裏に回ってみて度肝を抜かれました。強烈。
  「ラストホウプ」メロン大の球形の氷の中に閉じ込められたFRP製の胎児模型。透明な球はいっけんガラスのように見えるけれど、近づいてよーくみたら氷、というびっくり構造。凍結された胚=胎児のイメージが醸し出す強い空気。秀逸。
  「インビジブルフィッシュ」空を泳ぐコイなどの魚の群れ。よく見ればすべて剥製。天井から糸で吊るされている。
  「ステンドアイス」オブジェ群に度肝を抜かれて失念。残念。
17 佐橋景介氏「キャプチャ」未見。残念。
18 勅使美千代氏「dismembered flowers」円形のフィールド上に円を描き螺旋状に立ち並ぶ花のオブジェ。細い茎の先端に咲く白い花々。いっぽうで、白い花の輪の外に散り落ちている花。落ちた花はどこかしらが赤く染まっている。
 非常に『恐い』という感覚を惹起させる作品に思えました。集団適応と集団疎外。社会の持つ両義性を思い起こさせる。示唆的。
19 佐々木友輔氏 パフォーマンスにつき未見。
20 大西健太郎氏 パフォーマンスにつき未見。
21 富塚絵美氏 映画作品につき未見。
22 初川日和氏「おくりもの」プロジェクト展示2つ。ひとつは、幼稚園児たちにチョコレート製のナイフとフォークを託してテーブルに供したプロジェクト映像。もうひとつは、一日ひとつの島唄を歌い、日記とともにその音声を展示する、という進行型プロジェクト。毎日増えてゆく作者の想いと贈り物たる島唄とのリンクが興味深い。時間がないとじっくり見れない&聞けないのが難点。
0  山田健二氏「Booking Void Inn AKIYAMAGOU」屋外展示。山中の雪室に滞在し、その様子と作者そのものの心象変化を記録・記述したプロジェクトの一端をインスタレーション的に再現したもの。一隅を埋めるポラロイド写真、生々しいメモ書きの配置が印象的。
23 南雲由子氏「iei プロジェクト #2明日を架ける馬」『生前に遺影を撮る』というプロジェクトのコンセプトと経過の記録、そして成果としての遺影たちを展示。参加者たちの生き生きとした様子が逆説的で興味深い。人間の生と死と記録を巡る諸々が露見するようで示唆的。
24 竹内公太氏「ポータブルマインド」指名手配写真の被疑者を油彩の肖像画として写し取った絵画群。知らないはずなのにどこか既視感のある顔ばかりが並ぶ様子は圧巻。おそらく作者の意図とはまったく関係ないと思いますが、刑事事件上はあくまで被疑者であって犯罪者としては確定していないはずなのに社会的には『犯人』として流通してしまっている顔ぶれの大集結に、事件の物騒さとは別なところで、どことなく空恐ろしさのようなものを感じました。不在と犯人像の創出、再生産されるイメージと現実との乖離、そういったものを連想します。
25 芥川真也氏「プラシーボ」未見。残念。
26 土手里江子氏「unvestigio」巨大なスクリーン状絵画。緻密でリアルかつ宗教画のように静謐な画面。展示会場であるBankART NYK室内を思わせる古びたコンクリート倉庫のような空間に山羊の群れが集っている。山羊たちは皆1つの方向を見つめており、その視線の先には、天井から落下している途上だろうか、まるで宙に浮いているかのように見えるソファーがある。落下の一瞬を切り取っただけなのか、あるいはソファーが宙に浮いている奇跡の瞬間を捕らえた光景なのか定かではないが、その画面は何か予兆のような空気を感じさせる。
元となる古典絵画があるのでしょうか。ほぼ原寸大らしき絵の巨大さもあってか、妙に印象的。とても好きな作品です。
27 吉園綾氏「胎動」プロジェクション映像。小さな円形の光の粒がスクリーン一面に写し出されている。ノイズのようでありながら、見つめるうち何らかのうごめきが見てとれる。抽象と具象のあわい。未象、とでも形容すべきか。個人的には血球の顕微鏡像を連想しました。
28 宮澤穂乃香氏「間結 -mayu- 宇宙卵とうた」おそらくインタラクティブ作品。フィールド上に巨大な白い皮毛クッションのようなオブジェがあり、鑑賞者は靴を脱いでフィールドへ侵入しそのオブジェに触れるようになっている。触ってみるも反応がわからず。残念。
29 岩城諒子氏「脂肪」豚の脂肪でできた胸像。おそらく自己像? 生々しい。
30 小暮絢氏「float」部屋の角に設置した薄布のスクリーンへ壁の画像が投影されている。壁と薄布と投影画像それぞれに灰色の汚れが配置されているが、一見しただけではどの染みがどのレイヤーに属しているのかがわからないようになっている。壁の汚れと薄布の汚れと投影された染みと鑑賞者の影が渾然一体となった視覚効果が面白い。
31 松下徹氏「abandaned place」自動車鋼板パーツを利用した作品。彩色され宙に下げられた自動車パーツたち。
32 投石浩次氏「Sequence E」インスタレーション作品。用具置き場のような空間でモニタ映像とプロジェクション映像が提示される。エスカレーターの手すりに乗って運ばれる紙コップや車窓からの夕景など。いずれも15秒程度のエンドレスリプレイ。
33 金徳喜氏「BARDO」インスタレーション作品。暗闇の中、天井から吊るされたペンライトで地面が10カ所ほどほのかに照らされている。ひとつひとつの灯りに近づくと、その下にはセミやトンボ、蟻や蝶など昆虫の遺骸の写真が配置されているのが見える。ペンライトの部屋からカーテンで半ば仕切られた奥の空間へ行くと、そこにはガラスでできた小さな山のオブジェが9つ並び、下から白い光で照らされている。ふと上を見ると、それら山の模型の影のひとつひとつがセミやトンボ、蟻や蝶の形として天井に浮かび上がっている。という作品。
 小さな命への弔いと、山々に託した白い光が浮かび上がらせる生きものたちの記憶。静謐な空間に浮かぶガラスの白い光と昆虫たちの影。オブジェの影に気付いた時には鳥肌が立ちました。ひそやかで神々しい、思わず祈りを捧げたくなるような展示空間だったと思います。とても好きな作品。私の中では最も印象深い作品です。

東京藝術大学先端芸術表現科の展示ははじめて拝見したのですが、様々な様態の表現に触れることができ、たいへん興味深い体験でした。生物を扱った表現に惹かれやすい、という自分の嗜好を期せずして実感できたのも面白かったです。
同じ東京藝術大学であっても、メディア映像専攻との明らかな方向性の違いが現れているのも印象深く思えました。

 

・東京藝術大学大学院メディア映像専攻修了制作展「OS1」
 リベンジ鑑賞。先週観られなかった作品が復帰していて、さらに他の作品もひそかに進化していて楽しめました。こちらものちほど追加評をアップします。
(2月4日追記)
以下、追加感想と覚え書きメモ。

1 坂本洋一氏「私をめぐる私について」
インスタレーション作品。円形にめぐらされた大きな壁があり、その周囲が通路のように少し明るくなっている。明るい部分に足を踏み入れてみるが、いっけん何も起こらない。しばらくすると、少し前方にふと、四角い図形が現れる。図形に近づこうとすると、図形は不規則な動きで逃げてゆく。図形を追って壁の周囲を半時計回りに廻っていると、ふいに少し離れた場所にあるモニタに気付く。モニタには壁の一部を俯瞰するような映像が映っており、じつは反対側にももうひとり鑑賞者がいて、同じように逃げる四角を追っていたことがわかる。すなわち、鑑賞者の190°先に現れた四角をふたりの鑑賞者がそうと知らずに互いに追った結果、壁の周囲をぐるぐる回っていたと気付く。という作品。
見えない支配、見えない操作、知らないルールにより支配された結果として生じる現象、そういった概念を実に鮮やかに表現した作品だと思いました。互いに操作し合っていると気付かないまま自己と他者の動きを規定してしまうという、実社会にもあふれる構造に思いを巡らせてしまいました。作品によって生じる現象の面白さもさることながら、社会を語る上で哲学的にもとても示唆的な内容ではないかと思えます。

8 米澤慎祐氏「kinematainment」
映像インスタレーション作品。表面がタッチパネルになったテーブル状のモニタにサッカーコートのような線が黒地に白で描かれている。コート内には動くボールが存在しているが、普段それは黒い背景に隠れて見ることができない。しかしパネルに触れるとそこに三角形の白い矢頭が発生し、その矢頭が隠れたボールの方向を指し示すので、矢頭の動きによってボールの位置を推定認識することができる。鑑賞者はテーブルをはさんで2名が対面しながら、パネルを触り、矢頭を置きつつボールを操作して見えないサッカーをプレイする。という作品。
矢頭を介して見えないものを見る、という探索行為の面白さが際立ち、単なるサッカーゲームとはひと味違った面白さが生じていたように思います。純粋に面白くて何度も遊びに興じてしまいました。
今書いていて思い出したのですが、そういえば、表現形式としてはまったく異なりますが、国際学生バーチャルリアリティコンテスト(IVRC)2006に出品されていた奈良先端研の「Planet of Grassland」は実体でこれをやろうとした作品だったのかな、とも思えます。
間接的検出、すなわち気配の表出ともいえるであろう物体認知、非常に面白いテーマです。


9 佐藤哲至氏「Parametric Images」
映像インスタレーション作品。先週とは作品の内容が変わっていて驚くとともに感心。
リング状のテーブルに映像が投影されているというのは先週と一緒だが、今度はテーブル上を多数の黒い正方形が等間隔で時計回りにゆっくりと巡っている。テーブルの3カ所に小さな台があり、傍らには「人」「ひと」「トランプ」「積み木」等と書かれたカードが置かれている。カードを台の上にかざすと、台の左側に黒い正方形から飛び出したドットが白い点となってカードの事象を表す動きをプロットする。さらにその先へ文字内容の映像が投影され、言葉、ドットの動き、映像、概念が重層されることになる。やがてドットはプロットされた動きを離れてふたたび元の正方形に戻ってゆき、同時に映像も修了し、意味が消失する。という作品。
概念と言葉と映像と実体、それらの接続と断絶、といったことを考えさせられる内容に思えました。意味にはいくつもの階層があって、我々は普段それらをあまり意識せずに暮らしているけれど、捉え方によってはそこに重大なコミュニケーション上のクリティカルポイントがあるのかもしれない、そんなことを考えました。
氏についてはOPEN STUDIO Vol.3で提示されたテーマを着実に追いつづけている姿勢が感じられ、感慨深いものを覚えました。
今後の躍進に期待です。


10 小佐原孝幸氏「層画」
インスタレーション作品。先週とはモチーフと手法が変わっていて、こちらも驚くとともに感心。
森の中で上を見上げている少年の絵が壁に投影されている。その前を鑑賞者が横切ると、一部が影で遮られ、森の木々の中に隠れていた絵画が出現する。隠れていたものが見えたのに加え、それらが実は数層のレイヤーから成る映像であったことが知れる、という2段がまえの驚きを提示した作品。
美人画バージョンでは特定のカテゴリに属するモチーフをレイヤーで隠していましたが、今回の森の画廊バージョンでは、ランダムに配置されたレイヤーを逆手に取って、既存の意味を壊して新たな意味を抽出する、という、意味合いが生じていたように思います。Vol.3での「抽出と欠如」にも通じるものがあるように感じます。さながら前作と前々作を統合したとでもいえそうな進化ぶり。表現されるものがどんどん深化しているようでとても感慨深いです。


この東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻という若い専門課程に興味を抱いて一般展示にはじめて足を運んだのが2006年7月。そこで展示内容と学生さんたちの開かれた姿勢に感銘を受け、それ以降、定期的に開催されるOPEN STUDIOは毎回楽しみに拝見してきました。
一期生に係る2年間の鑑賞体験と学生=作家さんたちとの対話、そしてその集大成ともいえる今回の修了制作展カタログ、これらすべてが私にとっての宝物のような存在です。
そこで提示される表現はいつも個性的で前向きな輝きを放っていたように思います。見ていて毎回嬉しくなってしまうこと数多でした。
メディア映像専攻の開かれた姿勢と独自の面白さを追求する姿勢。一期生の皆様が、そんな心意気も含め、世の中をひそやかにじわじわと刷新するような、そういった強くて前向きな表現を提示しながら活躍の場を拡げてゆかれることを期待しています。



・六本木インボイス劇場「BLUEMAN GROUP in TOKYO」夜公演
 アメリカのパフォーマンスグループ、ブルーマンの日本公演。一旦行けなくなり、チケット譲渡先を探していたところ、ふたたび行けることになった曰く付き(?)の舞台。2回目の鑑賞。今度は余裕を持って楽しめました。
(以下2月4日追記)
首から上を真っ青に青塗りした男性=BLUEMANの3人組による大掛かりな舞台。ロックのようなビートとモンティ・パイソンを彷彿とさせる過激な客いじりパフォーマンス。若干のイリュージョン。壮大な馬鹿馬鹿しさと、そして、現代アートに通じるロジックと表現。
『踊らないコンドルズ』『アメリカ版明和電機&ドリフ』といった形容が浮かびました。前宣伝が少々大げさなぶん、現代美術に慣れ親しんでいる方にとっては少々物足りない部分があるかもしれません。
上質なテクニックに支えられた壮大な馬鹿馬鹿しさを、肩肘張らずに楽しむのがよろしいかと。
大王こと後藤ひろひと氏やpiperの舞台が好きな方、コンドルズが好きな方にはおすすめ。

ところで、ふと考えたこと。
現代美術の展示は、えてしてBULUEMANの舞台に負けず劣らず面白い(少なくとも私にとっては)のに、なぜあまり観客を動員できないのだろうか?と。
こういったBLUEMANのような舞台が満員御礼になるのであれば、現代美術にも潜在的な需要があるように思えてなりません。
需要と供給を結ぶための情報がうまく流通していないような気がします。
もしそうだとしたら残念でなりません。


横浜遠征1/20。(東京藝術大学大学院メディア映像専攻修了制作展「OS1」)

2008-01-21 11:29:00 | アートなど
1月20日は、前日に引き続き横浜で展示をひとつ観て参りました。

観てきたのは東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻第1期生修了制作展「OS1」。19日に引き続きの鑑賞です。
昨日は修了間際に滑り込んだ形だったので1つひとつの作品をきちんと観ることができず歯がゆい思いをしていたところ。今度こそはじっくり観ようと昼ごろ会場へ臨みました。
リベンジ鑑賞でしたが、見れば見るほど充実の内容。
昨日ほとんど見逃してしまった映像作品や研究成果論文などを中心に拝見していたところ、結局4時間以上が経過してしまいました。
本当はこの後、同じく横浜地区で開催中の東京藝術大学先端芸術学科卒業制作展も観に行こうと考えていたのですが、残念ながら未遂に。
しかしながら、私にとってはこの展示だけでも十分なほど充実した鑑賞体験だったと思います。
2006年7月のOPEN STUDIO Vol.2からはじまって、都合4回にわたり同じ方々の作品変遷を拝見してきたわけなのですが、一人ひとりの学生さんたちが着実に力を身につけてゆく様子や、作品が如実に進化してゆく過程を目の当たりにし、そしてさらにこの修了制作展においては各個人の到達点のみならず学年全体の展示技術が格段に進歩していることを見せつけられ、たいへん感慨深いものを感じました。感無量、とでも言うべきでしょうか。関係者でもないのに勝手にそういった心持ちになりました。
そういった意味でも、今回の展示は一期生のまさに集大成だったのではないかと思います。
以下個人的感想。

1 坂本洋一氏「私をめぐる私について」
インスタレーション作品。大型の作品でしたが、私が行った時にはたまたま調整中で体験できず。残念。早期復旧を祈ります。

2 牧園憲一氏「frame-up given up」
写真作品。前回の展示と同様のコンセプト。風景の一部がフレームによって切り取られ、奇妙にシフトしながらフレームの外に浸食する。いっけん何の変哲もない風景にフレームを介して微妙ズレが生じることで独特の世界が立ち現れているような気がしました。

3 山峰潤也氏「viewing_image=view point++」
インスタレーション作品。奥の壁に大きなモニタが取り付けられ、その手前に3畳程度の長方形のフィールドがある。鑑賞者がフィールド内を移動すると、その位置に応じてモニタの映像が変化する。多様な視点、すなわち左右回り込みとズームインズームアウトが自在に切り替わることで、静止画でありながら多角的な映像が展開するとともに、鑑賞者へ思わぬ臨場感を与えているように感じられました。

4 津田道子氏 映像作品6作
実像と鏡の反射による虚像とが連続・交錯した映像作品6点。カメラの振り子運動を利用した小品「これそれ」「ストリップ」「家族」「飲み物」の4作と固定カメラによる短編2作(題名失念)。
小品4作:縦長の鏡と空隙が等間隔で交互に並び、奥にある実体と手前にある反射像があたかも連続しているかのように合成されて見える。カメラが動いてもこの見かけ上の連続性は保たれているので、奥と手前、ふたつの世界の切り替わりによって思わぬ映像が生まれる。「これ」と「それ」の切り替えが日仏英伊4カ国語で示された作品には目からウロコ。「ストリップ」と「家族」には妙にユーモラスな一面も感じられ、思わずニヤリ。家族3世代&猫が出演した「家族」は連続性と血縁の承継がオーバーラップするようで非常に微笑ましくも面白い。裸体の女性(奥。実像。)と着衣の女性(手前。鏡像。)が切り替わる作品「ストリップ」は、鏡によって透視しているような印象を与えていながら、その実は裸体側が実像であるという逆転性が面白い。
短編2作:二人の人間が鏡の貼り付いた椅子を積み重ねたり移動させたりしながらパフォーマンスする映像、そして2人の人間が縦に並ぶ鏡の間でパフォーマンスする映像、の2つ。仕組みと理屈はわかっているけれども、思わずどきりとする映像だと感じました。殊に2つ目の、縦に並ぶ鏡の間を人が駆け抜ける映像については錯綜具合が素晴らしく、どちらが実像でどちらが鏡像かがふっとわからなくなる瞬間があって驚きました。
舞台装置などに応用できそうな気がします。

5 井高久美子氏 「無関係な関係性」
インタラクティブ作品。映像が、いっけん無関係な器具のパーツ(電気スタンドの調光つまみ、鉛筆削りのハンドル、テーブルに刺さった木ネジ)の回転と連動しており、鑑賞者がそれらを動かすことで映像の時系列を操作できる、という作品。映像対象の動きのみならずフレームも操作できるのが面白い。動きの大きい部分ほど微調整したくなるのも一興。ネジをドライバーで動かす作品では、風車の映像が含まれていたため、あたかもドライバーで風車を回しているかのような感覚になるのがとても面白く感じられました。

6 木村奈緒氏「時計する地図」
インタラクティブ作品。インターネット上のレスポンスタイムにおける物理的時差を、世界地図のゆがみによって視覚化した作品。地球儀として回転している地図をクリックすると日本を中心とした世界地図が展開する。地図上の任意の都市をクリックすると、経由アクセスポイントが赤線で示されるとともにレスポンスタイム値が表示され、その値に応じたぶんだけ地図が変形する。
時計だけのときよりも概念が直感的に理解しやすくなっているように思います。都市が思わぬ経由線で結ばれ、地図が変形してゆく様子は、意味を抜きにしてもそれだけで純粋に面白いと思いました。何度も試してみたくなります。

7 渡辺水季氏「虚像の中の実像」
映像インスタレーション作品。プロジェクションされたピントの甘い映像に、鑑賞者が虫眼鏡をかざすことで焦点を操作し、映像を操作・探知する作品。加えて、明らかになった映像のなかには、じつは鑑賞者自身が映り込んでいて、プロジェクション映像と映り込み映像が交互に無限連鎖している、という作品。鑑賞者自身が作品に取り込まれ、映像と鑑賞者が作品のなかに併存するという構造、そして、見る-見られる=能動・受動の逆転、それらが鑑賞者の探知行為によってはじめて露見する、という点が非常に面白く感じられました。
前作を引き継ぎつつ、こういう形に発展したことに新鮮な驚きを感じました。とても印象深い作品です。

8 米澤慎祐氏「kinematainment」
映像インスタレーション作品。私が行った時にはたまたま調整中で体験できず。残念。早期復旧を祈ります。

9 佐藤哲至氏「Parametric Images」
映像インスタレーション作品。リング上のテーブルに映像が投影されている。一部分には歩く人の実映像、その他の部分には群点が流れており、歩く人の動きが群点のフィールドへ移動すると、その動きが点としてプロットされる。群点の中に紛れても人の動きは認識され、その動きを実映像のフィールドまで追うと、ふたたび人の姿が現れる。
バイオロジカルモーションを利用し、実映像と群点との移行によってその認識性を提示した作品。映像をサークル上に配置したことで、移行の様子を連続的に追跡できるのが興味深い。

10 小佐原孝幸氏「層画」
インスタレーション作品。錦絵様の美人画が壁に投影されている。その前を鑑賞者が横切ると、木の葉や花、着物の柄だけが黒く抜け落ち、それらが2層レイヤーから成る映像であったことが知れる、という作品。
レイヤーの区切りを特定のカテゴリに限局することで、栄華と没落の二面性、といった独特の詩的な空気が表現されていたように思います。同じ手法を使っていながら、前作「ゲシュタルト・ウーマン」とは対極にあるテーマ性を有する作品のように思えました。

11 越田乃梨子氏「壁・部屋・箱 - 破れのなかのできごと」
映像作品。二方向からの映像を上下あるいは左右に繋げることで、空間と位相のねじれを表現した作品。壁の表-裏を左右に繋ぎ、ひとりがふたりに見えたり、脚立を登る人が消失して見える「壁」、1階層の部屋の手前-奥を上下に繋ぎ、2人が4人に見えたり、空間を突き抜けて人が移動したように見える「部屋」、トンネル状の箱部屋の手前-奥を左右に繋ぎ、ひとりがふたりに見えたり、物理運動の法則がねじれたように見える「箱」、の3編から成る。
以前から一貫して同じテーマを扱いながら、より深化し、かつ確固たる個性をそなえた表現作品となっていたように感じました。また、パフォーマンサーを出演者に据えることで、同期生自らが出演していた前作までの柔らかい空気感が影をひそめ、身体表現そのものの持つシャープな雰囲気が前面に出ていたように思います。殊に「部屋」のディティールが醸し出す表現は強烈に『恐い』という感覚を呼び起こすものであったように思えました。
大スクリーンでの映写も、今回の重厚な印象を支えていたように思います。どこか箱庭的な印象だった前回とはまったく違う印象を受けました。映写環境が異なるとこんなにも印象が変わるのかと驚きました。
ほのぼのした不思議さから不条理なエアポケットまで - 類似の現象を扱っていながら見る者に喚起させ得る心象にはずいぶん幅があるのだなと感慨深いものを感じました。


12 重田佑介氏「ルールする運動」
映像作品。映像中の何らか動きが、同画面上に重ねられたオブジェクトの運動に変換される様子を示したもの。
道具する回転:下に隠れている映像の回転運動が上に重なった映像フレームの上下運動を規定しており、鍵やワイパー、セロハンテープ台等の回転運動とともに上の映像がめくれて、映像の動きを規定していた道具の正体があきらかになる。
複写する映像:コピー用紙が一枚づつ排出される様子を真上から映した映像が、コピー機から繰り出される紙の動きと同期し、コピーの様子を映している映像フレーム自体がコピー用紙のように次々横から重積されてゆく。なおかつ、紙の動きが画面中央に位置した線分の回転運動と同期対応している。
ワイプする製図:定規とコンパスで製図している映像が、コンパスの動きと同期しながら自己分割してゆく。映像フレームが入れ子のように4分割されてゆく様子にクラクラ。
数字するダイヤル:黒電話の回転式ダイヤルを回している映像。ダイヤルの動きに対応して、画面上に並んだ白い円がx軸方向に動く。
鉛筆する作文:鉛筆が原稿用紙上に文字を書いてゆくと、文字を構成する線分が回転しながら鉛筆を降りたり登ったりする。文字を置いてゆく過程、文字を拾ってゆく過程、最後に文字を交互に拾捨する過程を経てタケヤブヤケタという文字列が完成する。考え抜かれた構成。これはすごい。脱帽。
凧する風:風に舞う凧の映像に重層された正方形が、凧の動きに応じて回転する。
風景する移動:車窓からの風景。柱状に立つ物体の上部に白い線分がくっついていて、柱のx軸方向の動きに対応して回転する。線分は長いほどゆっくりに、短いほど早く動くので、遠近感と線分の長さによって様々な動きのリズムが生じる。さながら異国の風車の群れのよう。
演技するスケート:スケートリンクの映像。滑っている人々の頭部に様々な長さの黒い長方形がくっついていて、人のx軸方向の動きに対応して回転する。長方形は長いほどゆっくりに、正方形に近づくほど早く動く。人々は前後左右を縦横に滑るため、様々な回転運動が発生する。ユーモラス。

前作の延長上にありながら、映像フレーム自体を運動対象にするなど思わぬ発展を遂げていて驚きました。コピー機の「複写する映像」と見事な「鉛筆する作文」、そして独特の詩的空気を醸し出す「風景する移動」が個人的お気に入り。


13 河内晋平「身体の熟練度から考察する質の研究」
研究発表展示。職人の持つ質の判定能力が感覚の分解能に起因するものではないかと仮定し、指先触知による紙ヤスリの粗さ判定によって、職人と一般人の触覚的分解能の差を調べた研究の成果発表展示。職人群と一般人群とで明らかな有意差があるのも興味深いが、職人の特異的指使いを映像解析によって数値化し、その動作を一般人にトレーニングすることで有意な成績向上をもたらしたという結果が非常に興味深い。しかも、動作だけではなく触知刺激を伴った動作がないと成績は向上しないという結果も示唆的で面白い。
身体研究会の「真似る」を対象にした認知研究も興味深し。今後の発展に大いに期待。
置いてあった修論を拝見したところ、先行研究をずいぶんたくさん調べているなと感心。今回は一見して明らかな有意差がありましたので問題はないでしょうが、データ処理については保険として若干の統計解析をしておいたほうが後々有利にはたらくのではないかと思われました。なお、グラフにはn数と標準誤差を入れておいたほうが「偶然なんじゃないの?」という誹りを受けずに済むと思います。このあたりは、理系論文としては必須なのですが、こういった芸術分野においてはどうなのでしょう。気になるところです。

14 小野崎理香氏「虚空の海」
インタラクティブ作品。野外展示。入口門近くの通路に置かれた白い双眼の望遠鏡。中を覗くとモニタの中に小さなフレームがあり、それが現在の景色を写し出している。そして手元のボタンを押すことで、フレームに映る視点を静止画像としてモニタ上に残すことができる。来場者の視点が重層されることで、モニタ上に時間軸の異なるパッチワーク状の景色が生成される。という作品。
個人の視点が残り、重なってゆくという点、過去の来場者の痕跡を感じ取れるという点、そしてそれらも重層によって消えてしまうという点、表現手法は異なれど、前作と相通じる美しい表現だと思いました。加えて、設置する場所と鑑賞者との関係性を如実に露呈させるとともに、作品を通じて場所と鑑賞者とを接続する機能を併せ持った作品のように思えます。
行きと帰りの違いを見るのも楽しく、画面の変遷を時系列順に観てみたいなとも感じました。
もしも別の場所に設置したらどうなるか、場所によって傾向に違いは現れるのか等いろいろなことを考えてしまいます。放浪する作品であってほしいなと、勝手ながらそう思いました。


作品と作者が進化・深化してゆく過程をリアルタイムで拝見できたのはたいへんに貴重で面白い体験でした。また、作者たる学生さんたちとの交流も忘れ難いです。とても楽しい2年間をありがとうございました。
あの場所での、この1期生メンバーの展示は最後なのだと思うと、妙に寂しい気分になってしまいます。
面白い考え方や表現は人を揺さぶり、発見の幸せを与えてくれます。私がOPEN STUDIOで感じたのはまさにそれ。表現のもつ可能性と、そういった表現創出に取り組んでくれている方々がいるという事実、その双方に興奮と感動と限りない勇気を与えていただきました。
1期生の方々がこれから世の中に散ってゆき、各個人の活躍の場を開拓されてゆくことを期待します。


帰路では事故のためJR在来各線が止まっていることに慌てたりもしましたが、頼みの綱の東海道新幹線で無事予定の電車に間に合いました。
非常に印象深い遠征だったと思います。


東京遠征1/19。(東京藝術大学大学院メディア映像専攻「OS1」)

2008-01-19 23:34:50 | アートなど
本日、1月19日は横浜で1つの展示を半端に見て参りました。

行ったのは、昨年末にもこちらでご紹介していた 東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻の第1期生修了制作展「OS1」。http://www.os1.jp/
本来は午前中から遠征の予定でしたが、諸般の事情により出発が夕方にずれ込んだため本日中の鑑賞は半ば諦めていたのですが、久々に覗いた「OS1」のブログで夜にしか見られない作品があると知り、とりあえず予定を前倒しして足を運びました。

本当にざっとしか見られなかったのですが、質・量・個性ともに期待を裏切らない内容になっていたように見受けられました。
ちなみに件の夜限定作品はアプローチの誘導灯。なかなか美しい。
この誘導灯をはじめ、空間構成やキャプションの工夫など、展示環境のクオリティがまた格段に進化していて何だかむしょうに嬉しくなってしまいました。
作品はまた明日じっくりと拝見したいと思います。

ちなみにこの「OS1」に行くともれなくこの展示の豪華カタログ冊子がもらえます。
もちろん無料。
現代美術や面白いモノに興味のある向きにはおすすめです。
会場は、みなとみらい駅あるいは馬車道駅から徒歩15分の新港地区。
開場時間は11時~20時。
27日まで。


東京遠征12/23(ICC「サイレント・ダイアローグ」「機械仕掛けの絵肌」、デザインフェスタギャラリ

2008-01-19 23:01:20 | アートなど
同じく昨年の遠征記録。
こちらは、簡単に。

2007年12月23日(日)は、東京で3つの展示を観て参りました。

まずは、新宿初台の東京オペラシティーにあるインター・コミュニケーション・センター(ICC)で2つ。
・「サイレント・ダイアローグ ~見えないコミュニケーション~」
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2007/SilentDialogue/index_j.html
 自然界の中にあふれる見えないコミュニケーションをテーマにした作品の企画展。
 展示環境がゆえ(他の作品の音にかき消されて音が出ていることに気付かない等)に解説がないとわからない作品もありましたが、解説員の方に直接質問ができるのでその弱点はいちおう補われていたかと思います。見えないコミュニケーションというテーマだけに 生命活動=電位活動 をターゲットに植物を扱った作品が多い中、ジュウシマツのさえずり学習プログラムのグループ進化を提示した作品が獣医師としての個人的嗜好にヒットして特に興味深く感じられました。キノコの爆音も印象深し。

・小町谷圭「Materia ex machina?機械仕掛けの絵肌」
http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2007/Openspace2007/art_technology/emergencies_j.html#e007
 エマージェンシーズ!と題した、若手作家を紹介するコーナー展示。今期は小町谷圭氏の、立体的なデジタルプリント技術を利用した表現手法の提示。様々な可能性を秘めた手法のように感じられ、興味深し。


そして、原宿にあるデザインフェスタギャラリーでひとつ。
・上岡雄貴&さとーひろし「干物展」
 上岡氏の作品「干物」と、その干物をフィールドでゲリラ的に撮影したさとーひろし氏の写真、両者のコラボレート展示。干物の存在感と部屋中を埋め尽くす写真が圧巻。


この後、本当は目黒区美術館へ行く予定だったのですが、原宿駅の騒動に巻き込まれて体力を奪われ帰宅。
会期が12月までであることと、鈴木康広氏の作品展示があったことを後から知って後悔。無念。


東京遠征12/22。(川崎ミュージアム資料室、同ギャラリー「多面体」、「映像の創出」、「9.5mmフ

2008-01-19 22:23:31 | アートなど
しばらくネット落ちしておりました。
すっかり遅くなってしまいましたが、書き貯めていた遠征記をアップしてみます。
まずは昨年12月22日(土)のぶんを。

2007年12月22日は、川崎と横浜で調べもの1つと4つの展示を見て参りました。

まずは、川崎市にある川崎ミュージアム関連で4つ。
1 資料室
遡ること一年前、2006年秋の仙台市博物館企画展「大江戸動物図館」でわたくし、『姫国山海録』という古文書に心を奪われました(該当記事は→こちら)。この書は江戸時代の『こんな変な生きものがいました』を記録する、いわば図鑑のような書物です。こういった書物としては『山海経』などが有名ですが、この『姫国山海録』は少々趣が違います。収録されているのはあくまで目撃具体例。博物学的興味と野次馬的興味、地方新聞的感心がないまぜになったようなコンセプトなのに加え、絵が非常に『ユルい』のです。目撃された時の状況が妙に具体的に記述され、さらに妙ちきりんな生きものの記録図が逐一描かれているのですが、この絵が底抜けに面白い。本当に変な生きものだったのか、描いた人が下手で変な生きものに見えるだけなのかが、もはやわからないくらいにすごい絵で、見る者を思わず笑いに誘います。喩えるなら、大路画伯の「カマキリ」(piper「発熱!猿人ショー」参照)を越える勢い。
「大江戸動物図館」で展示されていたのは見開き2例だけだったのですが、残りの例を見てみたくてたまらず、いろいろ調べていたところ、2004年の川崎ミュージアム企画展「幻獣展」の図録に、全25図が掲載されているとの情報に辿り着きました。
そこで前々からこの図録を手に入れようと思ってはいたのですが、なにぶん企画展のアーカイブ情報が公開されていないため正確な開催時期と企画展名がわかりません。図録を注文しようにも名前がわからないのではお話しになりません。そこで直接行ってこの目で確かめてから買おうと思っていたわけですが、交通の便の悪さについ足が向くのが遅れておりました。
今回ようやく足を運んでみたわけなのですが、行ってみればなんと、当の図録は数日前に完売したばかりとのこと。
しかしながらもし資料室に図録が残されていれば複写可能とのことでしたので、望みをかけてそちらへ足を運びました。
結果、資料は健在。問題の『姫国山海録』の収録部分も無事に複写することができました。
残念ながらモノクロコピーのみだったのが少し心残りですが、まあ良しとしましょう。
この『姫国山海録』、変なモノ好きの方にはおすすめ。お近くでしたらぜひ一度ごらんあれ。

2「多面体」
資料室のとなりで開催されていたグループ展。せっかくなのでぐるっと見て参りました。
技術も質もテーマもてんでバラバラ玉石混淆。いったいどんな展示なのかと聞いてみたところ、とあるアーティストを核とする参加自由な流動的グループ展とのこと。日韓交流の意味合いもあるとのことで、なるほどと納得して参りました。

3「映像の創出」
無料開放の企画展。フィルム映像の歴史と映像芸術のあゆみを紹介したなかなか侮れない展示でした。時間がなくてさらっとしか見られなかったのが残念。

4「9.5mmフィルム パテベビー 上映会」
 たまたま珍しい上映イベントが催されていたので、せっかくだからと見て参りました。
 1920年代にフランスのメーカーが開発製造し、日本でも富裕層に普及していた9.5mmフィルム手回し映写システム「パテベビー」の映像作品3本を、当時の映写機とフィルムで上映するイベント。映像保存協会という団体の協力により「映像の創出」展の一環として実現したものだそうです。
 9.5mmフィルムなどというものが存在していることすら知らなかったのに加え、フィルム送りのための穴が中央に一列だけという特殊な形態、手回し再生の機構、6A程度の電球によるほの暗く幽かで風情ある投影像、そういったすべてがはじめて見るものばかりだったので、たいへん感銘を受けて参りました。コマ送りと連動してパタパタいうシャッターの音がどこか懸命で不器用な生きもののようで、思わず優しい気持ちで見守りたくなる雰囲気を醸し出していたような気がします。
 映写機は自発光無し型の顕微鏡ほどの大きさで、2m先の壁に投影するのがやっと、というほどの光量です。フィルムをセットしてハンドルをゆっくり回すことで動画として投影されます。当然、終わったあとは反対に巻き戻して収納することになります。
 当時の人々はこれを最新技術として見ていたのだなと考えると、この同じ現象に対する受け止めかたや、映写から受けるイメージは感覚的にかなり異なったものになっているはずで、それもまた面白いなと感じました。
 上映映像自体は90秒が2本に180秒が1本、という構成。間にこのパテベビーというシステムの説明が入るため、イベント全体ではおよそ40分程度だったのではないかと思います。
 手回し映写システムは、実に愛すべき独特の雰囲気を持っているように感じられました。こういったものを目にできる機会は滅多にないですから、実際に見ることができて本当に良かったと思います。幸運でした。
 もしも同様の機会がありましたら、ぜひご覧になってみるのが良いと思います。


さて、次に向かったのは横浜の新港地区で開催されている、「OPEN STUDIO Vol.5」。
先日も紹介させていただいた、東京藝術大学大学院映像研究科 メディア映像専攻の1年生による作品展です。

夏の展示(Vol.4)では会場の一部限られたスペースで課題作品をまとめて紹介していた1年生。その1年生が主体となるはじめての展示とのことで、実質は2期生の展示デビューにあたるイベントだった模様。
11月のワークショップ発表会や12月のポケットフィルムフェスティバルなど、外部に向かって貢献するイベントと並行しながらの準備は実にたいへんだったろうと想像され、学生さんたちの苦労が偲ばれました。
内容的には、インスタレーションや研究ポスター、映像作品等、全部で12の展示がありました。今回は全体的におとなしい印象。調整に苦労しているものやあと一歩踏み込みが欲しいなと思えるもの等もありましたが、いっぽうで着想やねらいに大いに頷ける部分も併存していて、そのぶんこれからの進化が楽しみに思われました。いろいろ考え合わせると、かなり健闘していたのではないかと思います。学生さんたちとお話ししてみると、クリアすべき問題や付加すべき価値など、さまざまに自覚されていたようですので、その問題意識を活かされるであろう次回展示が楽しみです。
以下、個人的な作品短評と雑感。

1 村上華子氏「『海水電話』のための習作」
 インスタレーション作品。海水の入ったブリキのバケツに1つづつ、天井から吊り下げられた様々な形の金属電極が浸っている。バケツの前にはスピーカーがあり、電極の感知した電位抵抗に対応した周波数の音が出力されている。海水が揺れたり、電極が揺れたり、鑑賞者がバケツに手を触れたりすると、抵抗値が変わり、その変化が音の違いとなって体感される。という作品。キャプションによれば、海そのものを聴くための試みを目指した作品の習作にあたるとのこと。海水が電解質であることに着目し、それを出力機構に組み込んだ点が面白い。今回の展示では少し音の変化がわかり難いかなとも思えましたが、将来的には本物の海を聴くためのシステムを目指しているようでしたので、入出力の調整は規模に合わせることになると予想され、現時点ではそれほどクリティカルな部分ではないのかもしれません。

2 勝目祐一郎氏「移動する映像」
 映像インスタレーション作品。1:16程度の比で横に長いスクリーンに、2:3比率でフレーミングされた映像が写し出される。映像は車窓からの風景のように一定の速度で動いているが、フレーミングによって常に一部しか見ることができない。また、映像フレームと同サイズの白いフレームや小さな十字、ドット等の図形も別個にスクリーン上に投影されている。風景は右から左へ流れるいっぽうで、映像フレームは左から右へと動いてゆき、その過程で映像の動きと映像フレームや図形とが同期したり前後したりする。
 風景の映像フレームと投影された図形との関係性が面白い。それぞれの図形の動きの意味合いが次第に変化してゆくところが興味深い。まだ発展の余地のあるモチーフのように思われ、楽しみです。

3 田島悠史氏「インタラクティヴアートへの遺伝的アルゴリズムの利用」
 研究成果パネルとインタラクティブ作品のサンプル展示。生物の遺伝進化パターン骨子を抽出したアルゴリズムをインタラクティブアートへ応用しようとした試みの経過を発表したパネル。となりにはモニタがあって、簡易サンプルの展示も併せて行われていました。
 鑑賞者が作品にとっての環境条件として作品と関わることで、作品自体の進化を規定してゆこうという試みかと思われます。実際の進化では複数の環境要因や内的要因が関連し合うことで、同じ資質が生存にとっての利点とも欠点ともなりうるので、そういった概念も含めて生物的なおもしろさを取り込めたらとても面白い作品になりそうな気がして楽しみです。

4 細川泰生氏「来場者という概念」
 インスタレーション作品。背丈ほどの白い箱の前面にQRコードがプリントされている。携帯電話でそのアドレスにアクセスすると、QRコード上部に設けられたカメラの映像すなわち来場者自身の姿が静止画像として提示される。という作品。
 クリアな映像ではない意図が気になるところ。顔を判別できないようにピントを甘くしていたということなのでしょうか。その実はいかに。
 後日、別の来場者を見ることができるかと思いアドレスを保存しておいたはいいのですが、チェックの機会を逸してしまいました。残念。

5 竹川尚志氏「予期する動作」
 インスタレーション作品。木の筐体に組み込まれたモニタに木槌の画像が映っている。筐体から出ている取っ手を引っ張って離すと、その引っぱり度合いに応じた大きさで木槌の画像が動く、という作品。物理的に手で触れられる取手の引っぱり具合と、実体のない映像とが連動してあたかも木槌を取手で持ち上げて操作しているような感覚になるのが面白い。

6 阿部沙耶香氏「カウントする部屋」
インスタレーション作品。床が木のパネルで覆われた部屋。中央には白熱灯がひとつ吊り下げられていて薄暗い。床をよく見ると数十センチおきにカウンタがついていて、人の歩いた振動を感知してその歩数をカウントしていた、という作品。
 部屋が暗く、しかもカウンタが小さくひそやかなので、カウンタの存在になかなか気付けず作品の意味を知るのに少し時間がかかってしまったのが残念。しかしながら着想は面白く、これはもう鑑賞者の動線を重積プロットしている(しかもアナログで!)ようなもの。作品に残された行動の重積を読み解くことで、自分を含む人間の行動パターンが知れるのがとても面白いと思いました。美術館や展示会場でひそかに仕込んでおいて、出口で存在を知らせてもう一度見て回ったら相当面白いのではないかと夢想してしまいました。

7 北村伊知郎氏「アイダ」
インスタレーション作品。金魚の泳いでいる水槽があり、その上部の透明な板に触れると、その位置に対応した水槽の底へ波紋の映像が投影される。金魚のいる位置を上から触るとその真下、つまり金魚の周りに波紋が投影され、その刺激によって金魚が位置を変えてゆく。つまり、水槽を泳ぐ本物の金魚を、空間を隔てて動かそうという作品。
 実物の生物を作品に取り込んでいるのがすごいなと思いました。果敢な挑戦だと思います。映像で魚を動かそうというのも非常に面白い。しかし、やはり生きものだけに予想どおりの動きをしてくれないことも多く、制御に苦慮されているようでした。操作精度を上げるのであれば制御刺激に工夫が必要なのかなとも思えます。今後に期待です。

8 萩原美帆氏「再生」
立体アニメーション作品。暗い空間の中でモチーフが順次発光してゆき、その一連の動きがアニメーションとして提示される、という作品。立体ゾートロープともまた違った独自のアイデアで、立体アニメーションを実現してしまった作品かと。投影光ではなく自発光というのもナイス。タイミング調整に苦慮されているようでしたが、改良次第で様々な可能性を提示してくれそうな気がして今後の展開が楽しみです。

9 望月俊孝氏「Preserve Holic」
インスタレーション作品。ほの暗い壁の一角に設置された棚。食物貯蔵庫のような風情で、奥からは冷風が吹き出している。棚には食糧貯蔵瓶が並んでいる。それらをよく見ると瓶のひとつにうごめく何かが写し出されている、という作品。
 とても完成された『恐い』を提示した作品だと思います。考え抜かれたディティールがその恐さを支えているように思います。また、実際、獣医分野では病理検体なんかは梅酒用の瓶で保存されていたりしますから、貯蔵食糧ニアイコール生きていた何か、という真実を期せずして示してしまっているような気もしました。

10 播本和宣氏「mono-TSUCHI」
インスタレーション作品。2畳ほどの正方形の区画に土が盛られており、その上に土を扱った映像が投影されることによってリアルな質感が再現される、という作品。土の上に土の映像を投影しているのに加え、音や臭いの効果も手伝って、驚くほどリアルな質感が再現されていたように思います。あえて難点を挙げれば、映像に白が含まれると地が見えてしまって少しがっかりする、といったくらいでしょうか。たいへん面白い作品だと思います。

11 末宗真理氏「いただきます/ごちそうさま」
映像作品。食べられてゆくプリンの映像が二台のモニタで正順と逆順で同時に流れる、という作品。そもそものアイデアも面白いのですが、正順の映像と逆回しとで動きが同期していたり、正順映像がそのまま折り返すように逆回しになったりと、多くの工夫によって支えられた面白さの部分も大きい作品かと思います。思わず見入ってしまいました。個人的に今回もっとも印象に残っている作品です。

12 藤田至一氏「視覚心理学実験その1」
インスタレーション作品。縦長の窓のようなモニタに鑑賞者の輪郭を幽かにとらえた映像が映っており、そこへ網戸をかぶせることでモアレ効果によって思わぬ視覚効果が発生する、という作品。動きだけでなく色まで変わって見えるのが面白い。日常的に目にする何の変哲もない網によって見え方がこれほど変化してしまうことに新鮮な驚きを感じました。


それぞれの個性を感じさせる展示。欲を言えば前回の展示での課題作品との関係性や作者相関をぜひ知りたいところです。
今後、この二期生さんたちがどのような進化を見せてくれるのか楽しみでなりません。
学生さんはじめ色々な方たちとお話もでき、たいへん楽しく有意義な遠征1日目でした。


菅野美術館「塩竈ナイトミュージアム ~ 雪アカリ 砂あかり ~」。

2007-12-22 03:08:51 | アートなど
同じく仙台芸術遊泳2007関連イベントの鑑賞メモ。
12月19日(水)の鑑賞。

・菅野美術館「塩竈ナイトミュージアム ~ 雪アカリ 砂あかり ~」
 仙台芸術遊泳2007の一環として、塩竈市にある私設美術館、菅野美術館で開催されている夜間開館イベント。
 常設の彫刻展示に加え、プロジェクタによるインスタレーションと砂を用いたインスタレーション作品を夜間ならではの形態で展示。美術館全体がインスタレーション作品として機能するようなイベントです。
 恥ずかしながら、こんなところに美術館があることを知らなかったのですが、行ってみれば相当に個性的な建築。コレクションは近現代彫刻の小品が中心。展示作品数は決して多いとは言えませんが、上質な審美眼と芸術に対する静かな熱意を感じました。
美術館の建物自体も面白いので、オモシロ建築好きにはおすすめ。今度はぜひ日中に訪れてみたいと思いました。
 なお、菅野美術館については公式サイト→http://www.kanno-museum.jp/index.htmlを参照のこと。
(東北本線塩釜駅から徒歩15分程度。住宅地の真ん中の少々解り難い場所にあります。つつましやかな案内看板に目を凝らすべし。駐車場が3台分と少ないので注意。)


仙台歴史民俗資料館「くらしの中のあかり」、仙台市博物館「光のダブルイメージ」、せんだいメディアテーク

2007-12-22 02:49:26 | アートなど
先週日曜、12月16日に行った展示をメモ。
いずれも「仙台芸術遊泳2007」の関連イベントです。

・仙台歴史民俗資料館「くらしの中のあかり」
 有機ELを利用した照明器具と、陶製の照明作家作品と古道具とのコラボレーション展示。
 常設展示の一角を借りた、とてもひそやかな展示。暗い書庫に配された作品が、展示空間含め個人的ヒット。

・仙台市博物館「光のダブルイメージ」
 光の陰影をキャンバスに写し取ったような絵画の展示。常設展示室内含め、博物館館内のいたるところにゲリラ的に展示された作品の数々が新鮮。重厚な建物に似合う展示だと思いました。
 常設展のコレクション展示室II にあった角懸鹿谷の「柳に白鷺図」、東東洋の「夕日人影長」が予想外に印象的。

・せんだいメディアテーク「光の航跡 Off Nibroll」
 日没後にどう見えるかのリベンジ鑑賞。やはり外が暗いほうが圧倒的に見やすい。
 今なら光のページェントが見下ろせてお得感満点。
 窓際には臨時の簡易カフェが設置されていました。


せんだいメディアテーク「光の航跡 Off Nibroll」。

2007-12-13 01:59:05 | アートなど
先日の日曜、12月9日に行ってきた展示をメモ。

・せんだいメディアテーク「光の航跡 Off Nibroll」12月1日(土)~24日(月)
仙台芸術遊泳2007と題するイベントの一環で、せんだいメディアテークの6Fワンフロアを広く使った、映像インスタレーション作品5作とモニタ映像作品5作の無料展示。
いずれもOff Nibrollというユニットの作品。
身体表現映像に動植物のシルエットを重層した独特の表現や、構造にこだわった実験的映像などが主体。
なかなか印象的な作品群ではあるものの、全体的に音の使い方がぞんざいなのが致命的に思えて残念。
しかしながら、入口正面の壁面に大きく投射した映像作品「public=un+public」は圧巻。スペースを贅沢に使ったスケールに圧倒される作品かと。ゆっくり座りながらぼうっと眺めるのにふさわしいかも。
そして私が今回の展示の中で一番気になったのは「DRY FLOWER」という作品。人物たちの織りなす影と鑑賞者の影、その中を駆け抜ける動物たちのシルエット。交錯する3つのドラマ。印象的。
手放しで賞賛というわけではありませんが、仙台でこれだけの展示が見られる機会はあまり無いと思われますので、とりあえず見ておいて損はないと思います。
長時間鑑賞できるようソファが用意されているのが嬉しいところ。光のページェント期間中は夜九時まで開いていますので、定禅寺通方面へ行く機会があれば休息がてらにぜひ足をのばしてみてはいかがでしょう。
ちなみに、ガラス張りのメディアテークからはケヤキ並木がとても綺麗に見えます。
しかもメディアテーク自体は夜十時まで開館。光のページェントを見るなら穴場スポットかもしれません。
アート好き、建築好きの観光者には特におすすめです。

なお、各イベント情報への固定リンクが貼れないのでイベント情報は「仙台芸術遊泳2007」のサイト↓
http://scan-net.jp/2007/
でご確認を。(重いサイトなので注意。)

追:もし関係者がご覧になっていたら参考までに。こういったイベント情報については固定リンクが貼れないのはかなり不便。広報が命綱のようなイベントですからFlashに頼らないページも設けるなど、もう少しサイト構成を考えたほうが良いと思います。


行きたかった催し12月篇。

2007-12-08 12:39:17 | アートなど
行きたかったけれど、結果的に行けそうもない催し3点をメモ。

1 ポケットフィルム・フェスティバル (横浜)
 12月7日(金)~9日(日)
 横浜にある東京芸大大学院映像研究科の2校舎を会場にした催し。
 携帯電話だけで作った映像作品の上映と、シンポジウムがメイン。
 ケータイメディアの思わぬ可能性を示してくれそうで、なにやら面白そう。
 興味のある方はぜひに。
 入場無料。

2 デジタルアートフェスティバル東京2007(DAF東京2007)
 12月7日(金)~11日(火)
 NHK BS2で放映されている「デジタルスタジアム」に関連したイベント。
 台場のパナソニックセンターと渋谷のトーキョーワンダーサイト、秋葉原の富士ソフトアキバプラザ、の3会場で開催される。
 いわゆるメディアアートや映像作品、デジタル技術作品など、最先端の面白作品を実際に見られる機会ですので、新しいモノ好き、変なモノ面白いモノ好きな方にはおすすめ。
 入場無料。

3 ヤノベケンジ展 「 トらやんの大冒険ーファンタスマゴリアー 」 (大阪)
 2007年12月7日(金)~12月22日(土)
 2008年 1月8日(火)~ 1月19日(土)
 平日11:00~19:00 (土曜日は17:00まで)
 [日・月・祝、 年末年始 12月23日~1月7日は休廊]
 大阪のアートコートギャラリーで開催中のヤノベケンジさん個展。
 絵本「トらやんの大冒険」発売記念イベントの一環で、絵本原画と新作インスタレーションが展示されているとのこと。ギャラリートップページを見るに、とても魅惑的な光景。
 12月15日にはアーティストトークと絵本朗読ライブイベントがある模様。
 お近くの方はぜひに。


「が~まるちょば」仙台公演。

2007-12-07 01:01:00 | アートなど
書きそびれていましたが、とりあえずメモ。
12月3日(月)に、仙台市民会館小ホールで上演されていた「が~まるちょば」の19時公演を観て参りました。
サイレントコメディと銘打った二人組のコントパフォーマンス。
身振りと擬音と感嘆句だけで会場を爆笑の渦に包み込む秀逸な内容でした。
直前まで行くかどうか迷っていましたが、結果、行って大正解だったと思います。
海外で評価が高いというのも頷けます。
あまりに面白かったので時間があれば短評を追加したいと思います。

なお、12月9日(日)には静岡の焼津市文化センター、12月10日(月)には同じく静岡の三島市民文化会館、12月24日(祝/月)には横浜の神奈川県立青少年センター、そして年明けには岐阜の多治見で公演がある模様ですので、興味を持たれた方はぜひご覧になってみてはいかがでしょう。

気になる方は、が~まるちょば公式サイトでご確認を。


東京遠征12/2。(「SPACE FOR YOUR FUTURE」、「WATER展」、「北欧モダン デザイン&クラフト」)

2007-12-03 01:01:00 | アートなど
昨日12月2日は、前日に引き続き東京で3つの企画展を観て参りました。

・木場 東京都現代美術館企画展「SPACE FOR YOUR FUTURE

・六本木 21_21 Design Site「佐藤卓ディレクション『WATER』展

・新宿初台 東京オペラシティアートギャラリー「北欧モダン デザイン&クラフト

(とりあえず一覧のみ。のちほど書き足します。)


東京遠征12/1。(「鳥獣戯画がやってきた」、「DIALOG IN THE DARK」、「BLUEM

2007-12-02 09:43:22 | アートなど
昨日12月1日は、4つのイベントと1つのステージを見て参りました。
とりあえず一覧のみ。

・サントリー美術館「鳥獣戯画がやってきた」

・旧赤坂小学校「DIALOG IN THE DARK」13:20コース

・六本木インボイス劇場「BLUEMAN GROUP in TOKYO」16時公演

・銀座 ギャラリーVIVANT「ヤマザキミノリ『四次元の立方体万華鏡CUMOS』展」

・森美術館「六本木クロッシング」
(+森ビル シティビュー) 

・おまけ 東京ミッドタウンのイルミネーション

詳細はのちほど。


宮城県美術館「光と遊ぶ・闇と遊ぶ」。

2007-11-26 23:30:00 | アートなど
諸事情で遅くなりましたが、行ったものメモ。
・11月25日(日) 宮城県美術館「光と遊ぶ・闇と遊ぶ」
宮城では珍しい、いわゆるメディアアート系の展示イベント。
イベント自体を知ったのが遅く、最終日ギリギリに足を運びました。
内容はひそかに秀逸。宮城県美術館、Good Job!
もっと早くに知っていればこちらでもアナウンスできたのにと残念でなりません。
宮城県美術館はもうちょっと広報に力を入れたほうが良いと思います。

・宮城県美術館常設展

詳細はまたのちほど。


おやおや。

2007-11-17 01:30:07 | アートなど
茂木健一郎氏のブログ「クオリア日記11月16日付エントリにラーメンズとの対談についての記述が。
雑誌「広告批評」の企画とのこと。
以前、2005年8月の佐藤雅彦氏との対談において茂木氏はラーメンズの「時間電話」に言及し、このコントが『周期的境界条件』の構造を持っていると指摘していたくらいですので、ラーメンズ作品についてはかなり造詣が深いものと推察されます。
どのような対談記事になるのかが興味深く、楽しみです。

ちなみに2005年の対談でラーメンズの話題が出た経緯は、佐藤研の学生佐藤匡氏の映像作品『反復かつ連続』を見た感想として茂木氏が「ラーメンズの『時間電話』みたいですね。」と述べたことが発端。
なお、実際は佐藤匡氏の映像作品のほうが『時間電話』よりも先に出来ているので正確には『時間電話』が『反復かつ連続』に似ている、という関係です。
この対談については茂木氏のブログにて音声ファイルが公開されていますので興味のある方はぜひ。面白いのでおすすめです。

佐藤雅彦研究室展ギャラリートーク 茂木健一郎×佐藤雅彦対談「どうしてそれは伝わるのか」
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2005/08/post_2d11.html