昨日9月9日は、福島県須賀川市の現代グラフィックアートセンター(CCGA)で開催中の藤幡正樹氏個展「不完全さの克服」を観て参りました。
南東北フリーきっぷを使った鈍行の旅。
午前5時の始発電車に乗り、CCGA最寄り駅の水郡線小塩江駅に着いたのは午前9時40分。
無人駅にはコインロッカーもないという誤算。荷物を持ったままCCGAまで2.5kmの道のりを歩きました。
途中犬や虫にちょっかい出しつつ ゆっくりめに歩いて約40分で到着。
CCGAは閑静なゴルフ場の入り口に位置していました。
行ってみれば、奇しくもこの日はイベント日。藤幡氏の作品「オフセンス」と渋谷慶一郎氏とのコラボレーションコンサート&おふたりの対談が行われる旨を受付の方に教えていただきました。まだ席に余裕もあるとのことだったので、電車の時間を確認しつつせっかくなので申し込み。
イベントは午後3時半から。
それまでの間、展示を見たり、付近を歩いたり、ゴルフ場のクラブハウスで食事したり、CCGAロビーでくつろいだりと、非常にゆったりした時間を過ごすことができました。
藤幡氏の個展は、作品5点。インタラクティブ的な2点を含む作品たちは非常に密度の濃いものばかり。
まず、かつてせんだいメディアテークのオープニングイベントで観た「Beyond the pages」と嬉しい再会。
机に投影された書物を操作することで現実が変化する、という構成。無くなったリンゴは元に戻らない、ということに感慨。ひらがなの表示システムに気が付く。石の移動は質感を伴うようで何度やっても面白い。扉では座敷童に思いを馳せる。
「Unformd Symbols」はトランプの持つイメージとシンポル性を投影装置で操作することで実存と表象の関係性を問う作品。うまく騙される感が面白い。
「Pixel and Eyes」とある規則性をもって呈示された映像が小さな液晶モニタに流れる作品。白黒の分割が私の嗜好ストライク。
「Off-Sense」一つの空間、3つのフェイズを6つの人工知能が浮遊し、位相的に出会った人工知能同士が会話のようなものを繰り広げる。その音声と空間画像と各人工知能のアバターがリアルタイムで表示された作品。全貌を把握するのにしばらくかかりましたが、理解するにつれ『うひゃあ』となりました。
「モレルのパノラマ」真っ白な空間に投影される部屋自体の筒状パノラマ映像。鑑賞者が入り込むことで作品が変化してゆく。途中から作者も登場し不思議な同居感。くらくら。とても好きな作品。
ビオイ=カサレスの小説からのインスパイア作品があったり、パンフレットでボルヘスに言及していたりと、藤幡氏はホルヘ・ルイス・ボルヘスがお好きなのかな? と想像させる節があり、ボルヘス好きとしては妙に嬉しい限り。
イベント「トークセッション&コンサート:藤幡正樹×渋谷慶一郎(ATAK) メディアのコンディションを探る」では、形容し難い体験をしました。
渋谷氏のことはまったく知らずに臨んだわけなのですが、どうやらとあるシステムの上で構築した音を音楽として呈示しているらしいことは感じられました。木本圭子氏のことを少しだけ連想。しかし、全貌は私には解りませんでした。
惜しむらくは音楽というモノがタイムライン上に並んだリニアな性質のものであるということ。
いくら音楽原理がノンリニアな構造のものだとしても、実際に鑑賞者の耳に入るのは単一の時間経過にともなう音の変化だけにすぎません。
リニアな記憶力がなければ構造を理解しきれず、よって、音楽の真価を把握することはできません。
私は画像情報や意味関連を核にしたパラレルな記憶は得意なのですが、タイムラインの順番どおりのリニアな記憶が苦手なので、残念でなりません。
おふたりのトークセッションは40分にもわたる白熱したものでした。
途中、話が噛み合ない場面もありましたが、いろいろと示唆に富んだ対談だったと思います。
時間がおしたため帰りはギリギリ。CCGAの方に駅まで送っていただきました。
17時台の電車に乗って、ふたたび鈍行の旅。
電車の中で仕事などしつつ21時半過ぎに自宅へ帰り着きました。
これだけ移動して交通費2400円。
密度の濃いお得な遠征だったと思います(笑)。
南東北フリーきっぷを使った鈍行の旅。
午前5時の始発電車に乗り、CCGA最寄り駅の水郡線小塩江駅に着いたのは午前9時40分。
無人駅にはコインロッカーもないという誤算。荷物を持ったままCCGAまで2.5kmの道のりを歩きました。
途中犬や虫にちょっかい出しつつ ゆっくりめに歩いて約40分で到着。
CCGAは閑静なゴルフ場の入り口に位置していました。
行ってみれば、奇しくもこの日はイベント日。藤幡氏の作品「オフセンス」と渋谷慶一郎氏とのコラボレーションコンサート&おふたりの対談が行われる旨を受付の方に教えていただきました。まだ席に余裕もあるとのことだったので、電車の時間を確認しつつせっかくなので申し込み。
イベントは午後3時半から。
それまでの間、展示を見たり、付近を歩いたり、ゴルフ場のクラブハウスで食事したり、CCGAロビーでくつろいだりと、非常にゆったりした時間を過ごすことができました。
藤幡氏の個展は、作品5点。インタラクティブ的な2点を含む作品たちは非常に密度の濃いものばかり。
まず、かつてせんだいメディアテークのオープニングイベントで観た「Beyond the pages」と嬉しい再会。
机に投影された書物を操作することで現実が変化する、という構成。無くなったリンゴは元に戻らない、ということに感慨。ひらがなの表示システムに気が付く。石の移動は質感を伴うようで何度やっても面白い。扉では座敷童に思いを馳せる。
「Unformd Symbols」はトランプの持つイメージとシンポル性を投影装置で操作することで実存と表象の関係性を問う作品。うまく騙される感が面白い。
「Pixel and Eyes」とある規則性をもって呈示された映像が小さな液晶モニタに流れる作品。白黒の分割が私の嗜好ストライク。
「Off-Sense」一つの空間、3つのフェイズを6つの人工知能が浮遊し、位相的に出会った人工知能同士が会話のようなものを繰り広げる。その音声と空間画像と各人工知能のアバターがリアルタイムで表示された作品。全貌を把握するのにしばらくかかりましたが、理解するにつれ『うひゃあ』となりました。
「モレルのパノラマ」真っ白な空間に投影される部屋自体の筒状パノラマ映像。鑑賞者が入り込むことで作品が変化してゆく。途中から作者も登場し不思議な同居感。くらくら。とても好きな作品。
ビオイ=カサレスの小説からのインスパイア作品があったり、パンフレットでボルヘスに言及していたりと、藤幡氏はホルヘ・ルイス・ボルヘスがお好きなのかな? と想像させる節があり、ボルヘス好きとしては妙に嬉しい限り。
イベント「トークセッション&コンサート:藤幡正樹×渋谷慶一郎(ATAK) メディアのコンディションを探る」では、形容し難い体験をしました。
渋谷氏のことはまったく知らずに臨んだわけなのですが、どうやらとあるシステムの上で構築した音を音楽として呈示しているらしいことは感じられました。木本圭子氏のことを少しだけ連想。しかし、全貌は私には解りませんでした。
惜しむらくは音楽というモノがタイムライン上に並んだリニアな性質のものであるということ。
いくら音楽原理がノンリニアな構造のものだとしても、実際に鑑賞者の耳に入るのは単一の時間経過にともなう音の変化だけにすぎません。
リニアな記憶力がなければ構造を理解しきれず、よって、音楽の真価を把握することはできません。
私は画像情報や意味関連を核にしたパラレルな記憶は得意なのですが、タイムラインの順番どおりのリニアな記憶が苦手なので、残念でなりません。
おふたりのトークセッションは40分にもわたる白熱したものでした。
途中、話が噛み合ない場面もありましたが、いろいろと示唆に富んだ対談だったと思います。
時間がおしたため帰りはギリギリ。CCGAの方に駅まで送っていただきました。
17時台の電車に乗って、ふたたび鈍行の旅。
電車の中で仕事などしつつ21時半過ぎに自宅へ帰り着きました。
これだけ移動して交通費2400円。
密度の濃いお得な遠征だったと思います(笑)。