はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">「PAPER RUNNER」感想覚え書き。(ネタバレ無し)</font>

2005-04-30 22:47:45 | ラーメンズ
過日発売された小林賢太郎プロデュース公演#3「PAPER RUNNER」のDVDを、ようやく腰を据えて観ることができました。
わたくしの感想をひとことで言うなら「納得」です。
KKP#2「Sweet7」と第14回公演「STUDY」を経て、KKP#4「レンズ」に到る前。
そこに位置する作品として、とても納得のゆく内容に思えました。
とりわけKKPとしては、回を重ねるごとに表現形式と構成を模索してゆく、その軌跡を顕著に示す過渡的な作品のように感じられます。
断章形式の棄却、メタフィクショナルな構成、磨き上げたデフォルメ-ション、セルフオマージュを取り込んだ小様式、中心的人物の客演・・・・・
「Sweet7」から課題を抽出し、新たにそれをクリアしていったのではないかという印象を受けます。
そうやって生み出した「PAPER RUNNER」の、さらにそこから課題を抽出して、それをクリアすべく別の形に結実させたもの、それが「レンズ」ではなかったか、と。
今回の「PAPER RUNNER」映像を観て、表面的にはどうあれ「レンズ」は現時点のKKP公演の中でもっとも完成度の高い作品なのではないかという個人的確信が強まりました(笑)。


ここでは具体的内容には触れませんが、この「PAPER RUNNER」、なにがしかのモノ、なにがしかの創作物を生み出したことがある人間には、心に響く部分の大きい作品なのではないかと思えます。
作り手の視点で観るか、受け手の視点で観るか、あるいはその両者の視点を持てるか、それによって大きく評価の変わってくる作品なのではないでしょうか。
生で観られなかったのが心残りです。