はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">「青春舞台2005」。</font>

2005-09-10 20:47:59 | 日記・エッセイ・コラム
NHKBS2で放映されていた「青春舞台2005」を思わず観てしまいました。
放映されたのは、今年の高校演劇コンクールの全国大会入賞作である、山口県立華陵高校「報道センター123」、茨木県立友部高校「トシドンの放課後」、香川県立高松工芸高校「HR-ホームルーム-」、青森県立青森中央高校「修学旅行」の4作品です。
優秀賞を取ったはじめの3作品は、上手いことには上手いのですが、どうにも同じ臭いというか、似たような雰囲気を感じてしまって好きになれず、審査基準に疑問を感じました。
こんなものばかりなんだろうかと不安に思っていたところ、最後に放送された最優秀賞作品「修学旅行」でその懸念はかろうじて払拭されました。
入賞作中唯一の喜劇。青森のイントネーションと役者の個性を活かしたテンポ良い舞台は文句なく面白かったです。録画しておけば良かったとかなり後悔しています。


実は高校の頃、演劇部員でもないのに毎年演劇コンクールを観に行っていました。
玉石混交の中に光る個性があったり、地区大会とブロック大会で思わぬ進化を見せるところがあったり、生ならではの見応えがたくさんあって、その雑多な個性を見るのが好きだったのです。
その頃から不思議に思えて仕方なかったのが、演劇コンクールの審査基準です。
会場の反応と審査結果があまりに違うことが多く、一観客として『何であれが評価されないのだろう?』と、よく釈然としない気持ちになりました。
こうやってみると、喜劇は評価されにくいのかなという気がします。
同等の実力を持った作品があったとしたら、あからさまなメッセージを含んだ演目のほうが選ばれてしまう傾向があるようなのです。
喜劇や馬鹿馬鹿しいものが好きな私としては、何とも残念な次第。
芝居に限らず、深刻ぶってメッセージをかざすようなものよりも、馬鹿馬鹿しさに徹した中に思わぬ真理が垣間見えるような作品が、私は好きです。何といいますか、いくら素晴らしいことを言っていても、少しでも押し付けがましさを感じてしまうと、私はどうにも引いてしまうのです。
この押し付けアレルギー、大学に入ってからあまり芝居を観に行かなくなった一因でもあります。
まったくもって難儀なことです。
(が、劇場への指向はラーメンズと大王のおかげで復活しております:笑 感謝。)


今回の高校演劇コンクール最優秀作品「修学旅行」を見て、喜劇でも評価はされるのか、とある程度の安堵は覚えました。しかし、それらしいモチーフとメッセージ性は必須事項なのだなということも同時に感じさせる内容にかすかな困惑も覚えました。
受賞とは無縁だけれど観客を幸せにするような舞台を創っている高校も、きっとたくさんあることでしょう。
そういった無名の若き演劇人たちに、こっそり心からの声援を贈りたいと思います。


「青春舞台2005」のNHK紹介HPは→こちら

追:青森中央高校の「修学旅行」は本当に面白かったです。声出して笑ってました。もう一度観たいです。再放送を熱望です(笑)。