はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

ノロウイルス対策と落とし穴。

2006-12-21 00:06:55 | 役にたたない獣医学ひとくちメモ
よくお邪魔するサイトで、予想以上にみなさま戦々恐々としてらっしゃる様子なので、せっかくなので情報提供。

ちょっとした落とし穴について。
アルコール消毒は、ノロウイルスには効きません。
ノロウイルスの完全不活化には200ppm以上の次亜塩素酸ナトリウムか85℃以上1分の加熱が必要です。
エタノールのスプレーだけでは、ノロウイルスがその場に生き残ってしまうのでおすすめできません。
ウイルスを洗い流すという意味で、石けんでの手洗いとうがいがおすすめ。
擦り込み式ならヨード系が若干効果あり、でしょうか。
ノロウイルスの感染力には凄まじいものがありますので、もしも身近に患者さんが現れたなら、用心しすぎるくらいに注意したほうがよろしいかと思います。
なお、具体的な対策は、厚生労働省の→「ノロウイルスに関するQ&A」(PDFファイル)に詳しく掲載されています。
その他の情報もまとまっている「ノロウイルスに関するQ&Aについて」ページもおすすめ。

皆様どうぞこの冬を無事に乗り切って、それぞれの予定へ順調に臨めますように!


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2 コメント

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ひぇ~。。。アルコール消毒はダメですか! (あきあかね)
2006-12-21 03:26:18
ひぇ~。。。アルコール消毒はダメですか!
孫の家にも一本届けてしまいました(汗)

もちろん石鹸での手洗いは充分した後でシュッシュッっとやったら効果的かなぁと思ったりしたものですから。。。
和食屋さんの調理場でしばらく働いていたことがあったのですが、お刺身など生ものを扱う板さんは常時シュッシュッっとやっていたのですけれど、アレは大腸菌やブドウ状球菌対策だったのでしょうか?

自分のブログ、訂正しておきまーす。
こちらにリンク、貼らせて下さいませね。
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>あきあかねさま (aiwendil)
2006-12-23 12:33:58
>あきあかねさま
食品を扱う方々は、夏とこの時期はほんと、気を遣いますよね。
菌やウイルスは種類によって消毒薬に対する耐性が違いますので、目的に合わせた消毒選びが大切になってきます。
おっしゃるとおり、たしかにアルコールは有効範囲の広い消毒薬なので、ふつうの菌ならたいていやっつけられます。しかし、ウイルスはアルコールに強いものが多いんです。塩素系は何にでもよく効きますが、皮膚には使えなかったりするので悩ましい。
感染症調査の現場では、手袋&マスクで、ラボに帰ったら石けんで手と腕をブラシ洗い(通称「外科洗い」)し、最後にヨード&アルコールの刷り込み式消毒薬を使います。
使った用具は高圧蒸気滅菌で完全に病原体フリーにしてから捨てますね。
いずれにせよ、人間動物問わず病原体との戦いはたいへんです。
ですが、こうやってみると、できることからコツコツと、あたりまえの衛生措置を続けて行くのが一番の予防策なのかもしれません。
どうぞ、無事健康に冬を越えられますように!
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