はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

本棚バトン。

2007-05-23 01:51:42 | さもないこと
盟友、北国のあきさんから本棚バトンをいただきました。
本馬鹿としては答えないわけには参りません(笑)。
以下回答。

1 あなたの本棚にある恥ずかしい本は?
 残念ながら恥ずかしい本という定義がよくわかりません。
 この世に恥ずかしい本なんてあるのでしょうか?

2 あなたの本棚にある自慢できる本は?
 自慢できるかどうかはわかりませんが、大切な本が。いずれも和綴じの古書です。
「近世動物学教科書」
Zoology1 
明治44年発行の動物学教科書です。
今からかれこれ100年ほど前の書籍なわけですが、内容は現在の基礎的知見と比較してもまったく遜色なし。むしろ銅版画による図版がとてもリアルで、見ているだけでも楽しいのでたいへん気に入っています。
書籍全体の醸し出す存在感含め、大好きな一冊です。
おすすめページを2つほど。
Zoology3
Zoology41

次点は「實用簡便 野菜之作方」。
Yasai00
Yasai01
明治35年刊行の野菜栽培の指南書。当時すでに思わぬ西野菜が普及していたことをうかがわせたり、今では流通していない葉もの野菜について解説があったりと、実に興味深い。


3 あなたの本棚にある、手放したいのにいつまでもある本は?
手放したい本というものはありません(笑)。


4 あなたの本棚にある、あなたが頻繁に読み返す本は?
 これはたくさん。
 まずは定番、トールキンの「指輪物語」。旧訳版の6冊組文庫を手に取ることが多いです。
 つぎに、クラフト・エヴィング商會の「クラウド・コレクター」。書物として大好きで、なにかにつけ手に取りたくなります。
 マキリップの「イルスの竪琴」3部作や京極夏彦の京極堂シリーズもたまに無性に読みたくなって手に取ります。
 読み返す、という範疇には入らないかもしれませんが、よく手に取るのは「New pocket Oxford English Dictionary」と研究社の「リーダーズ英和辞典」、そして某六法。こちらは面白味がないですね(汗)


5 あなた専用・もしくはメインで使用している本棚の、一番上の段の右端と一番下段左端にいま収まっている本を教えてください。
 ええと、この部屋だけで本棚が3つあるのですが・・・・。
 しかも、書架の一番上は平積みにしてあるので「一番右端」という書籍は存在しない(笑)。
 とりあえず無理矢理当てはめてみます。
書架A右上 平積みで5冊。
 ふしみみさを「つきねこ」:絵本です
 望月通陽「方舟に積むものは」:広報誌『ちくま』の巻頭エッセイの単行本
 ル=グウィン「ゲド戦記外伝」:岩波のハードカバー
 「詳細 日本史」:山川出版の高校教科書。数年前に買ったもの。
 ジョン・アダムス「フューチャー・イズ・ワイルド」:妙ちきりんな進化の果てを描いた未来の博物誌。なかなかの良書。
書架A左下 トールキン「サンタ・クロースからの手紙」:トールキンがサンタクロースになりすまして幼い息子たちへ宛てた手紙を収録した本。絵の個性もさることながら、シロクマ語用の文字まで作ってしまうなど、とても素人技とは思えない手の込みようはさすが。  
書架B右上 平積みでいろいろな書類がある中、書籍は2冊。 
 ブリッグズ編「妖精事典」:欧米の民話伝説の中に登場する妖精の類いを、エピソード類型と由来文献込みで紹介した良書。民俗学的事典としてのみならず、物語集としても楽しめる。
 秀潤社 「バイオ実験イラストレイテッド2 遺伝子解析の基礎」:学生時代の実験バイブル。ちょっとしたノウハウや失敗例を載せたコラムにたいへん助けられました。ちなみに、3巻「本当に増えるPCR」と4巻「苦労無しのクローニング」は学生時代をともにした思い出深い本です。
書架B 左下 文永堂出版「獣医感染症カラーアトラス」:家畜伝染病予防法の大改正後に出た初めての感染症アトラス。届出感染症が12種から72種に増えて皆がパニックしたのは懐かしい思い出(笑)。内容充実にして図版豊富。索引がないのが唯一にして最大の欠点。
書架C 右上 平積みで11冊。
 吉田篤弘「という、はなし」:広報誌『ちくま』の巻頭エッセイの単行本化。フジモトマサル氏のイラストも嬉しい。
 「ちくま」2006年9月号(No.426):なぜか一冊だけはぐれてここに。
 平凡社「グラフィック・デザイナーの仕事」:クラフト・エヴィング商會の仕事が特集されている充実の一冊。
 小林賢太郎「鼻兎 4巻」:ラーメンズ小林氏のナンセンス短編漫画最終巻。これもこの一冊だけはぐれてここに。
 日本探偵小説全集4「夢野久作集」:日本奇想小説の巨塔。ドグラ・マグラを読んでみたくて買った憶えが。
 古川日出男「サウンド・トラック」:古川日出男の長編小説。カラスと交歓する少年。狂気の舞を踊る少女。地下世界と廃墟の楽園。ヒートアイランド化した近未来の東京で渦巻く数奇な人生の交錯。
 スピノザ「神・人間及び人間の幸福に関する短論文」:いわずと知れたスピノザの隠れた名著。岩波の復刊フェアで購入。
 ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」:新潮文庫版。
 ルイス・キャロル「鏡の国のアリス」:角川文庫版。
 「Synonyms and Antonyms」:Merriam-Webster社版のシーソーラス。
 内田樹「先生はえらい」:ちくまプリマー文庫。
書架C左下 「広告批評」1998年10月号(No.220):特集は「これが世界のコマーシャルだ」。今月のグラフィック広告選トップはiMac。懐かしい。

6 本棚の中を見てみたい5人にバトンを渡してください。
 5人は多いので3人で。
 貴重本との蜜月体験がありそうなミチルさん。
 アート本をたくさん持っていそうなざらえもんさん。
 何かが飛び出しそうな裏番長umeさん。
 お時間がおありで興めるようでしたらどうぞ。
 他にも、持ち帰りたい方はどうぞご自由に。トラックバック歓迎します。

 『右上』の平積みのおかげで思わぬボリュームになってしまいました。
ところで、あらためて部屋を眺めてみるとけっこう洋書が多いことに気付きました。トールキン効果さまさまです(笑)。
 学生時代は小説が圧倒的に多かったのですが、今は雑誌や実用・芸術書、エッセイが増え、比率が完全に逆転しています。ちょっと驚きました。
 本棚にはその主の趣味嗜好傾向が如実に表れるような気がします。買った順で並べていったら興味の変遷がわかって面白そうですね。
 蔵書のナンバー管理は大学時代に500冊を越えた時点で止めてしまったので、今は記憶が頼りです。たぶん3000冊以上あると思いますが正確な数は不明。もっと昔からパソコンや表計算/データベースソフトが普及していたら間違いなく蔵書管理システムを作っていたと思うにつけ残念でなりません。


Creative Commons License


このエントリは、
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿