はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">読んだもの覚え書き「空中ブランコ」「ちくま 9月号」</font>

2004-09-09 23:02:07 | 日記・エッセイ・コラム
奥田英朗「空中ブランコ」:同僚から借りたもの。奇しくも借りた直後に直木賞受賞の報。
曰く言い難い問題を抱える患者たちが、傍若無人にして非常識な精神科医伊良部にかかわり「何か」をつかむ様子を綴った、抱腹絶倒の短編物語集。軽いタッチで一見奇想天外な出来事が描かれるが、その実、人間の深層にうごめく得体の知れない闇を鮮やかに炙り出す問題作(?)。
現代人の置かれた「ストレスの世紀」を読み解き憂えるも良し、人間の普遍的な弱さと可笑しみに微笑むも良し、ただひたすらバカ笑いするも良し。いろいろな楽しみ方ができそうな本。
京極夏彦の薔薇十字探偵ものとテイストが似ているかも知れない。榎木津好きにはおすすめ。
5つの短編のうち「義父のヅラ」がマイベスト。


「ちくま」9月号:定期購読。
ちくま新書創刊10周年記念特集記事あり。重松清×宮崎哲也 対談「新書は"教養"の底を支える」、著名人への「新書アンケート」。対談中の宮崎氏の発言で、新書が上の世代の知識人に蔑まれている風潮があったと知り驚いた。理系の新書に関しては新書アンケートの澤口氏の意見に賛成。引用出典を明確にしてくれればもっと利用機会も増えるはず。
なだいなだ[人生、とりあえず主義]72 「論理的訓練」 フランスバカロレア試験の例題にゲーデルの不完全性定理を連想した。自己言及命題とパラドックス。個人的にはパラドックスについてもっと語り合える楽しみが増えるよう、論理訓練の普及を切望。
岸本佐知子[ネにもつタイプ ]31 「裏五輪」 読みはじめて5行目でもう爆笑。最後の一行にニヤリ。すでに様式美。
斉藤環[家族の痕跡]13 「虚像としての『世間』と『家族』」 「負け犬」論の出現するような状況とひきこもりを増長させる社会の構造的類似性(すべての問題を「勝ち負け」という価値判断へすり替えてしまう構造)を指摘しているのには興味をそそられる。さらに両者の根底にあるのは「世間」ではないかとの提示に頷。超自我としての機能を日本の「世間」と西洋の「神」で対比させるほど両者に違いがあるのかと疑問を提示しているのにも頷。論展開がまだ序盤なのが残念。続きを待望。斉藤氏の議論はなかなか核心を突かないのがもどかしいが、実例をあげつつ一歩一歩積み上げてゆくような丁寧で誠実な論展開がたいへん好ましい。
気になる新刊本 「定本 畸人研究Z」畸人研究学会





<font size="-3">Inter Communication Vol.49。</font>

2004-09-07 01:06:40 | 佐藤雅彦
ふと思うところがあって、Inter Communication Vol.49 に掲載されていた佐藤雅彦×藤幡正樹の対談を読み返した。テーマは「パラレルリアリティと未来心理 -量子・多世界・表現-」。量子論に触発されて発達したパラレル・リアリティという社会科学的概念を鍵に、新しい表現の可能性について語りあったもの。チューリングマシーンを元にしたコンピュータが物理的限界に来ていること、二進法という概念なくしてデジタルコンピュータが生まれなかったように、量子コンピュータを 実現するためには、まったく新しい現実認識のスタイルが必要になるのではないか、という藤幡氏の主張が印象に残っていた。
 一般に、直線的な論理思考が「論理的」と評価されることが多いように感じる。しかし、多重並列的な論理思考があってもいいのではないか。リニアに対するパラレル。人間の世界認識はその複雑な組み合わせなのかもしれない、あらためてそんなことを考えた。



<font size="-3">どうでしょう写真集。</font>

2004-09-06 23:59:22 | 日記・エッセイ・コラム
同僚から借りた「水曜どうでしょう」の写真集を読みました。
とんでもない。
特に2。
とんでもなく素晴らしい。
このこだわり、このクオリティ。そして愛すべき馬鹿馬鹿しさ。
モノ作りへ対する真摯な姿勢を感じました。


最年長なのに童顔ノッポな嬉野さんと、森崎さんの屈託のない笑顔が印象的。


<font size="-3">ラーメンズライブ覚え書き。</font>

2004-09-05 13:39:24 | ラーメンズ
2004年8月20日、21日に計3公演上演された札幌ラーメンズライブの覚え書きスケッチをアップしてみました。
この公演が私にとっては初生ラーメンズでした。公演ビデオとのあまりの違いに感銘を受け、この感動を記録しておこうと考えたものの、文字だけでは自分でもきっと細部を忘れてしまうに違いないという危機感から、鉛筆による落書きまがいのスケッチを描いてみたのがアップのきっかけです。
公演ビデオとは違う部分から、特に印象に残った場面を気まぐれに抜き出してあります。思い付いたらまた追加するかもしれません。
なにぶん、記憶に頼っておりますので、実際の公演とは違う部分や誇張表現などあるかもしれません。絵も動作がわかる程度の稚拙なものゆえ、お見苦しい点はお許しを。あくまで雰囲気を伝えるものということで、そこのところはどうぞ御理解ください。
基本的に演目ネタバレおよびコントネタバレを含んでおりますので、これからラーメンズ地方ライブをご覧になるという方や市販の公演ビデオをご覧になっていない方は御注意ください。


覚え書きは こちら

なお、この覚え書きに関して法的に不都合のある場合はどうぞズバリとご指摘ください。早急に対処させていただきます。


<font size="-3">とりあえず作ってみました。</font>

2004-09-05 13:09:49 | お知らせ
ロード時間が遅かったりと、何かと不満を感じていたブログではありますが、とりあえず作ってみることにしました。
ラーメンズライブの覚え書きスケッチを置く場所が欲しかったというのが本音です。
使い勝手がよければ、他にもいろいろな作品観賞の覚え書きをアップしてゆこうかと目論んでおります。
まだまだ建設中ではありますが、ネタバレに注意しつつ、どうぞ御笑覧ください。