ある生徒さんが持って来た一閑張りの菓子器です。いわゆる、乾漆と云う技法で作られた漆器のひとつです。
一閑張りは、木地に麻布や和紙を漆で張り、更に漆で表面を塗り固める。現在17代目が引き継ぐ一閑張り本家の漆器技法のひとつです。
初代一閑和尚が、その技法を漆の代わりに身近な柿渋を使って庶民に伝授したのが、いま私達がやっている一閑張りだと云われています。強度は漆には及びませんが、簡単に出来て実用的なところから、親しまれ伝えられて来たものと思われます。
漆仕上げにすれば高級品として格も上がる…と勧められた時もありましたが、一人前になる前にあの世に行きそうだし、柿渋の魅力も捨てがたく…ということで今に至っています。その柿渋だけでも奥が深く、最後まで半人前で終わりそうですが…。(笑)