民主主義は万能ではない⁉
世界の民主主義国は3年前に87カ国、それに対して非民主主義国は92カ国となった。
18年ぶりに非民主主義国が多数派になり、その後も民主主義が勢いを盛り返してはいないばかりか、権威主義国家の台頭ぶりが目立っている。
日本が民主主義国家になったのは、第2次大戦後1946年ポツダム宣言後。
日本国憲法を制定し民主主義国家への道を歩み始めて78年になる。
よく民主主義を万能だと勘違いして主張しているのに出会う。
「○○から民主主義を取り戻せ!」と、まるで取り戻したら悪政が善政に変わるがごとく吹聴されている。
因みに民主主義とは、人民が国の権力を所有し、それを自ら行使する政治思想または政治体制のことである 。
ここで改めて民主主義に存在する様々な問題点を考えてみる。
民主主義では民意が政治に反映されます。
しかし『①民意が必ずしも正しいとは限らない』。
しかし『①民意が必ずしも正しいとは限らない』。
例えば民意が求める「決められる政治」は、民主主義の利点である巧遅を殺し拙速を強いている。
民主主義の利点は「遅くて慎重すぎるほど慎重に物事を進めること」です。
『②民意が移ろいやすい』ことは実感として理解できるだろう。
例えば重要な法案の可否より、スキャンダルにしばしば民意は興味を移し、その結果がどうなろうが民意は責任を取らない。
『③熟議による合意は空間的・物理的に不可能』。
有権者1億人を抱える我が国が、熟議の上に合意することなど空間的・物理的に不可能です。
「だからこそ議会があるのだ」と言われるが、議会でも熟議による合意はなかなか見られない。
それに何より、熟議など捨てて多数を握ってしまえば簡単です。
こうして多数決至上主義が蔓延り、熟議による合意など夢のまた夢です。
過程に熟議があろうとなかろうと、民主主義では多数決が最終決定です。
しかし多数派が正しいとは限らない。
多数者の専政は民主主義の大きな問題点の一つです。
民主主義が民意に依るのは、賢明な市民を前提条件としているからです。
教育を受けて高い知的水準にある民衆は賢明であり、政治において悪い選択をしないはずだと考えらてきた。
悲しいかな、民主主義には民意に逆らう仕組みがない。
民意が選べば独裁制も選んでしまうのが民主主義です。
こういった民主主義の根本的な問題点の解決策は、市民が賢明であることです。
独裁者が賢明であれば、独裁制だって善良な政治ができる。
民主主義は存外、欠点や問題点の多い制度です。
日本では「民主主義=絶対善」と考えられることも多いが、全くそんなことはない。
しかし、民主主義の利点も多く例えば「①革命にも血が流れない」「②民意が正しいこともある」「③自分たちで責任が取れる」など。
はじめから民主主義を妄信せず正しく認識することが大切だと僕は思うのだが。