AKIRA-NEWS by goo

Tcupサ終のため2022年春に移籍しました。岩手盛岡のことやサッカーなどスポーツのことを書きたいと思います。

エリート暴走!

2008-10-22 11:22:07 | ザ・ハングタン
ある晩、盛岡市前九年の事務所で社員が社長を脅迫していた。なんでも知事への献金がどうとかであるところに訴え出るつもりだと言っていたのだ。しかし社員は社長のボディガード北島に絞め殺された。

翌朝、ハングタンである高橋弥生は厨川駅のホームで変人を目撃した。彼は冒頭の会社を退職した男だったのだ。そして殺された社員の上田と変人の松本は仲が良かった。
「実は、俺の友人が殺された。実は俺、あいつの会社に再就職できるはずだったんだ」
それを聞いたハングタンたち、しかし警察はエリート刑事の滝川憲彦をもってしても犯人を挙げることができない。そんな中、社長の中村は滝川と北島と事務所で語り合っていた。
「事件のことはわれわれしか知りませんから…」
しかしそこに事務員の宮村香織が足を踏み込んでしまった。香織はハングタンのクラスである3年B組の宮村浩明の姉である。さらに松本の恋人だった。

担任の牧村環と横田夏子は宮村姉弟と松本のために上田の事件を調べることに。さっそくスティングこと原俊彦のオフィスへ。
「上田が殺害された事件は水死体となっているが、実際は絞殺だ」
「その事件の鍵を握るのが松本さんと滝川刑事ね」
「実は上田はマルナカ産業の社長の中村英二が知事や市長に諸経費として献金を贈っていたと言う証拠を握ってたらしいんだ」
「じゃあ口封じ?」
「そうなる。あと事件関係者となりそうなのは宮村香織と松本重行だけだな」
「そうね。あたしは宮村君とお姉さんをマークするから」
「先生、頼みましたよ」
松本は夜の青山町で酔っていた。するとどこからか一万円札が飛んできて…
「これは神様からのプレゼントだ!」
しかしそれは益川様とあったが、なんと知事への献金だった。それを知らない松本は万札で豪遊、さらには競馬競輪の場外売り場で大金をはたくと言う有様。
「…やれやれ、こんなに金があっちゃ大変だ」
それを夏子とスティングが見ていた。

一方、宮村姉弟は環と生徒たちがマーク。弥生は姉に接近してマルナカ産業の話を聞くが空振りに終わった。弟のほうは白澤美雪と斉藤葵が見張ったが、とくにこれといった接触もなく一日が終わろうとしていた。

その頃中村は滝川と盛岡市内のホテルで密会していた。滝川は中村に松本を消すと約束した。
松本はスティングの尾行を振り切って県庁から本町通、つまり大手先方面に向かって走った。しかしそこに待っていたのは北島だった。
「おまえ、25万円をどうした」
「拾っていません!そんなことしてたら贅沢三昧…」
「おや?どこかで見た顔と思ったら」
そこへ環、弥生、美雪が。そして北島はスティングにKOされた。

松本は宮村家に来て香織とハングタンたちにすべてを打ち明けた。
「知事の献金なんて…冗談じゃないよな」
「その金で自分たちはいい思いして」
「それを益川と言う県職員がピンハネしてて、税金を何だと思ってんのよ」
ハングタンたちは怒りに満ちていた。宮村香織も泣いた。
「上田…お前の無念を晴らしてやった」

中村と滝川、そして益川は大通りの割烹で会食していた。
「松本は始末できなかったんですか」
「それと我々のたくらみに気付いた女…」
「でも県庁からのスパイには気がつかなかったでしょう」
その声を隣座席のスティングと環たちは黙々と聞いていた。
「よぉし、これで仕上げをごろうじろと」
ハングタンたちは中村と滝川、益川の3人を退治した。夏子は宮村家に電話して明日正午に前九年公園に来るように連絡した。


さて悪人たちはバニーガールに化けたハングタンたちに誘惑されていた。
「ねぇ、この前の25万円のこと教えて」
「今日は一杯サービスしちゃう(ハート)」
「あ、あのね。そんなことは誰にも言えないんだよ。わかる」
「それが誰にも言えないんだったら、あたしにだって考えがあるの」
北島が弥生と美雪に襲い掛かる。しかしここでスティングの天の声が。
「お楽しみはここまでだ。諸君にはこれからルーレットで回ってもらおう」
「そ、気持ちいいよ」
「このルーレットは最速250キロ出る、だから止めてほしければ上田殺害、知事や市長への献金と警察、県庁との癒着のことなどすべて吐くんだ」
そしてルーレットは回転した。しかし中村はこけおどしだと言って黙ったままだ。

[ハングタン]オリくんのちょっとブレイク

2008-10-17 01:01:12 | ザ・ハングタン
「ザ・ハングタン」設定資料(一部に役者ネタあり)

・舞台設定
岩手県盛岡市。僕の住んでいる街。
盛岡学園は盛岡中央高校がモデルだが、僕は盛岡中央高校のOBではない。

・キャラクター
牧村環(教諭)…マッキー
新潟県生まれの24歳。大学までバスケットをやっており、高校でも女子バスケ部のコーチを務める。一時代表候補にもなったくらいの実力とキャラクターで、彼女を慕う生徒も多い(がメディアはなぜかあまり食いつかない)。
私生活では結構酒好き。実は実家は有名な越後杜氏の家。

このマッキーの元ネタは往年の名ドラマ「プレイガール」のリーダー沢村たまきです。なるほど…という感じです。

横田夏子(音楽講師)…ショパン
マッキーと同郷。高校途中から上京して音大卒業後に盛岡学園でピアノを弾く先生に。ピアノの腕は一級品だが、実は音痴。

これは僕の敬愛するある芸能人(?かな??)へのオマージュです。

白澤美雪…ホワイト
マッキーのクラスの生徒。バスケ部のほか空手部、陸上部もこなす。

斉藤葵…アロー
マッキーのクラスの生徒。クラス委員。部活は弓道部。現在は叔父の経営する会社の寮(アパート)から通学している。

荒川まどか…エース
女子サッカー部のエースストライカー。フットサルのユニットをつくるのが好き。明るく元気な生粋の女子校生。

高橋弥生…ウィング
福岡の名門女子校から突然転校し、バスケ部のキャプテンに。なお社会人になってから高橋から鹿野に姓が変わっていたりする(??)

太田カナ…カナ
生徒会長兼弓道部キャプテン。決して葉っぱのエロゲーではありません。

田村愛里…アイリ
美雪や弥生の後輩になるバスケ部員。弥生やカナが使えないときには役に立つバックアップメンバー。

生徒を一応簡単に紹介しましたが、カンのいい人は「これは…」と思いましたかね。

・スタイル
事件発生⇒行動開始⇒作戦会議⇒ハンギング
そして物語のどこかで「バッキャロー!!」とマッキーの雄叫び。
本家「ザ・ハングマン」を参考にしながらも、岩手らしく、現代に即したハンギングを日夜考えております。

消えたキャプテン?

2008-10-16 17:20:32 | ザ・ハングタン
牧村環は材木町を歩いていた。そしてそこで昔の友人と出会った。
「あれ?順子…」
環の友人の順子は材木町の小路で菊池と言う男からの献金をもらった。
「菊池さん、明日また」
「わかった」

放課後、バスケ部の練習を終えたハングタンたち。高橋弥生、白澤美雪、田村愛里の3人は青山通りを歩いていた。
「でも、マッキーの頼みだもん。冬休みはバスケ観戦」
「いいねぇ」
「それでね、栃木ブレックスなの」
「ええっ!?」
「川村君に会えるじゃないの、やったじゃん」
「何人分??」
美雪はチケット4枚を見せ付けた。
「先生とみんなの分よ」
「すげぇ」
そこを一台のリッターカーが通りかかった。後部座席の女、つまり順子は弥生を見て驚いていた。
「あの子、確か勇樹君と付き合ってた」
そして客は窓を開けた。
「あの、わたしが送りますから」
「いえいえ」
そして順子は弥生に声をかけ、勇樹のことで話があると言って弥生を車に乗せた。

翌日、体育館へ行く環だったが、そこにはいつもいるはずの高橋弥生の姿がない。しかも学校を休むと言う連絡はない。
「元気な弥生ちゃんが、どうしたのかしら」
そのとき白澤美雪と田村愛里がこんなことを言った。
「もしかして、弥生を見て驚いていたあの?」
「そうそう」

ところが美雪と愛里が目撃した車の運転手は順子にどつかれて死んだ。そこへスティングこと原俊彦がやってきた。
「あれ?」
すると順子は高橋弥生を連れていることにスティングが気付く。

殺されたスナックのママと順子が会っていた菊池透は元夫婦。しかし菊池透は順子と付き合い始めていた。そして菊池透の息子と言うのが盛岡学園の2年A組の生徒で弥生と交際していたのだ。さっそくスティングの陣頭指揮の下マッキー(環)以下ハングタンたちは動き出した。
マッキーがはじめに指令を読む。
「平井順子がなぜ菊池透の元妻に接触したか、そして順子がなぜ盛岡で弥生を連れて行く必要があったのか…」
美雪と荒川まどかは菊池透の息子・勇樹に話を聞くが、別に知らないと言う。一方斉藤葵は叔父の斉藤勲に頼んで街中を捜索することに。そしてスティングとマッキー、ショパンは勲たちシーウェイブ急便の面々と連絡を取りながら捜査線を広げていく。

平井順子は大通りのマンションに住んでいた。
「確か、この前の子は牧村の…」
クローゼットの中には弥生が閉じ込められていた。
「牧村の教え子だって言ってたわね」
弥生は口枷をされているから声が出ない。

スティングは警察の発表で殺されたママの対人関係から菊池と順子、そしてもう一人の人物が浮上したと報告。しかし警察は順子を疑っていた。
「平井順子は間違いなくクロだ」
「そんな…順子は悪くない」
マッキーにとって順子は大学のバスケ部の先輩後輩の関係だった。しかし順子はすぐに結婚してしまいバスケを引退していた。ところが半年前に主人と連れ子だった娘が交通事故で死んだために未亡人となっていた。
「そして平井順子は生活のためにと事務の仕事を全国で探し回って、やっと着いたのがこの盛岡だったと言うわけさ」
「順子にそんなことが…じゃ、菊池さんは?」
「そうよ、菊池さんが一番怪しいんじゃないの」
「そこなんだよ。菊池透は順子に献金と称して250万円を貢いでいる」
「じゃあなんで」
「まずは人柄。岩手の人間って得てしてああだけど、内向的でヘタレと言うか…」
「まったく」
「それに順子さんを真剣に愛している」
「で、アリバイとかは」
「市内のスナックにいたよ。日報の近くだから桜山町だな」
「それで成立と言うわけね」
そこでマッキーはもう一人は誰だと言った。スティングは警察の知らない情報をキャッチしていた。
「合田大介、29歳。実はあの晩僕は彼と会った」
それを聞いたハングタンたちは驚いた。合田は近所のビルのママが昔の旦那とよりを戻そうとしてたことをスティングに伝えようとしてたのだ。そして順子が居合わせた後で合田も店に入った。
「じゃ、合田が犯人」
「残念だが今の状況と物証から、平井順子が犯人にされる可能性はきわめて高い。逆に言えば合田大介が犯人だと言う可能性は警察の常識では1%もないだろう」
その言葉にマッキーは泣いた。さらに生徒たちもスティングにすがる。
「じゃあどうしたらいいんですか。このままじゃ先生と」
「弥生がかわいそう」
「先輩を助けないでどうしろって言うんですか?」
スティングは困ったが、すぐに檄を飛ばした。
「平たく言えば、警察より先に合田大介を捕縛し、平井順子の無実を証明させるしかないのだ。そしてそれができるのは…」
スティングはハングタンたちを指差した。
「わかってる、あたしたちしかいないのよ」
「弥生…待っててね」

さて、合田大介は平井順子が罪をかぶったと確信した。
「今夜は寝るか。明日にはあの女殺人犯にされるんだ…」
しかし合田は別に何かを考えていた。
順子のマンションに合田がやってきた。だがすでにマッキーとシーウェイブ急便の車が待ち構えていた。順子の部屋にはショパンと葵が向かい、順子と話がしたいといった。
「順子さん、平井順子さん、シーウェイブ急便です」
「ちょっとお話があります。開けてください」
そして順子がドアを開けると、美雪、愛里、まどかが部屋を物色。そして弥生を助けた。
「先輩!」
愛里が弥生に抱きついた。それを見た順子は涙を流してハングタンのメンバーに色々言った。マッキーが言ったように、大学卒業後すぐに結婚してバスケットボールを引退したが、結婚したことを後悔していると言う。そして弥生と言うのは半年前に交通事故で死んだ娘の名前だったのだ。だからバスケ部のキャプテンの弥生は自分の過去の琴線に触れる子だったわけだ。
「その弥生ちゃんが、菊池さんの子供と付き合ってるなんて」
「ひどい!!」
「そうよ、バッキャロー!!!!」
そう言って弥生が怒りをあらわにした。そこへ合田がやってきた。
「平井順子!貴様は明日自殺死体となってさらされる」
そう言って合田は順子に襲い掛かる。だがハングタンとシーウェイブ急便の面々が飛び掛って合田と取り巻きの男を撃退した。
「…あのママみたいにするって寸法か」
「そうだよ、あのママ借金で首が回らない俺とこの和田に…」
スティングは勲と一緒に二人を締め上げた。
「平井順子に罪をかぶせ、菊池透を利用し酒を飲んだアリバイを立証させて、挙句口封じか」
「ああ、真相は闇の中さ」
「いや、おめぇの心ん中だべさ」
勲が合田を突き飛ばした。
「助けて」

翌朝、盛岡駅の滝の広場に合田と和田が滝に打たれる姿があった。そして昨夜の自白がテープレコーダーから流れてきた。
「あのママ、多額の借金で首が回らない俺とこの和田に金出してくれたんだ。だけど…」
「この前俺が借金を断られて、俺がかっとなって…あとはアリバイ作りのために菊池ゆすったんだよ」
ほどなくパトカーがやってきた。それをIGR盛岡駅に向かうハングタンたちもしっかりと見届けた。

祝!ハングタン誕生(その3)

2008-10-14 07:10:34 | ザ・ハングタン
生徒たちの理解を得て、ついに最後の詰めに入ったハングタン。

山瀬学園の校門で牧村環、白澤美雪、高橋弥生、田村愛里の4人は教諭の石井と藤崎を操る鳥越と言う男を待ち構えていた。
環「あれが石井と鳥越、これから藤崎を待つのね」
弥生「藤崎さんとつながってるの?」
弥生は泣いてしまった。
美雪「弥生、泣かないで」
愛里「先輩!」
そして藤崎の車がやってきた。それを追いかけたのは横田夏子、斉藤葵、荒川まどか、それに国分繁治だ。
環「お姉ちゃん」
繁治「みんな大丈夫か」
弥生「大丈夫、先生もいるし」
それを聞いた繁治は笑顔だった。あとは3人が出てきたところで一気に…と行きたいところ。

山瀬学園の視聴覚室で鳥越正彦が石井にこう言った。
鳥越「石井先生、あなたは殺した教え子が高橋弥生でないと知って驚いてますね」
石井は驚いていたが、鳥越の指摘はごもっともと容疑を認めた。そこへ藤崎がやってきて、石井の首をロープで絞めた。石井は悶えながら死んでしまった。
藤崎「これで最後の口も封じた」
鳥越「高橋弥生の首は確かに絞めたんだろうな」
藤崎「はい」
鳥越と藤崎が車に乗り込んだ。しかし石井の姿はない。
繁治「おや?」
環「石井の姿が見えないですね」
夏子「石井先生は学校の中じゃないのかな」
しばらくして生徒が石井先生の首吊り死体を発見、石井は佐々木まゆみ絞殺の容疑を認めて首吊り自殺と言うことでかたがついてしまった。その頃鳥越と藤崎は中の橋のデパートの食堂で食事中だった。
藤崎「しかし、あそこまでやらなくても」
鳥越「いえいえ」
藤崎「あの首吊り自殺があなたの犯行ではないかと言うことはわたしにはわかっていました。でも、それを高橋弥生は知ってしまった」
鳥越「そこで口止めにいろいろな妨害工作を」
藤崎「そうです。バスケ部員の中にもあの子に不満を漏らす子がいましてね」
鳥越「うまく利用しましたね」
藤崎「最後はスケバンとか言ってドロップアウトした子まで利用して、口封じまで…」
鳥越は勝ち誇ったように笑みを浮かべる。だがそのそばにはじゃーじゃー麺を食べる原俊彦がいた。

夕方のニュースでハングタンたちは石井の首吊り自殺を知った。
環「ちくしょう」
繁治「また犠牲者が出ちまったよ」
繁治は机を叩いた。そこへ俊彦が証拠が見つかったと言うことでやってきた。
俊彦「さっきまでデパートのラーメン屋にいたんだ。そこで入手した極秘の会話だよ」
俊彦は先ほどの会話を録音したテープを聞かせた。それを聞いた弥生はただただ泣くばかり。
環「高橋!泣くな!」
夏子「しかし教え子を手にかけるなんて、何て酷い先生かしら」
環「もう黙っていられないわ」
俊彦「あの二人とっちめてハンギングだ!」

夜10時、鳥越と藤崎はスナックを後にした帰りだった。そこに弥生が立った。
弥生「覚えていますか?藤崎先生」
藤崎「高橋!貴様生きてたのか」
そこへ夏子のへたくそな歌が始まり、その歌に我慢ならなかった二人を環たち残りのハングタンが身柄確保。そして山瀬学園の校門に首輪をつなぐロープをくくりつけた。
鳥越「何をする!わたしは私学研究所の鳥越だぞ」
環「その私学研究所がどうして教師に生徒殺害を命じたりするのかしら」
鳥越「冗談じゃない、すべてこの藤崎が勝手にやったことだ」
藤崎「そんな馬鹿な、鳥越さん、藤川を絞め殺して自殺に見せかけたのはあんたでしょ」
鳥越「さぁ…」
すると夏子が俊彦のボイスレコーダーを持ってやってきた。
夏子「これでもまだやっていないと言えるかしら」
環「反省しなさい!」

翌朝、鳥越と藤崎は山瀬学園の生徒たちにぼろくそに言われてしまった。
鳥越「石井先生を死なせたのはこいつだ」
藤崎「何を言うんですか、僕を救ってくれたのはあんただ」
鳥越「その恩を仇で返すことになりそうだったから、石井さんを殺したんでしょ」
藤崎「あんただって、うちの教え子だった生徒を…しかも二度も」
鳥越「うるさい!」
生徒A「うるさいのはお前だ」
女生徒「石井先生を…返して!」
生徒B「そうだそうだ」
生徒C「まゆみちゃんも殺したんだな」
藤崎「ああ、そうだ」
そしてパトカーがやってきて鳥越と藤崎は逮捕された。その模様をハングタンたちも見届けた。

祝!ハングタン誕生(その2)

2008-10-14 05:24:01 | ザ・ハングタン
その1はこちらから

夜、横田夏子と牧村環は清水町のマンションの一室で話し合っていた。
夏子「サッカー部の荒川まどかがいいと思うの。弥生とか使えないときあるじゃない」
環「それもそうね。そう言うときのピンチヒッターは必要だし、それに…」
夏子「それに?」
環「うちの部員でもひとり有望なバックアップメンバーがいるのよ」
夏子「それは?」
環「弥生についてってる田村」
夏子「2年生よね。レギュラー張れるの?」
環「こっちも弥生によくついていけるなぁって感心してるから…レギュラー格かもね」
環は愛里が使えないと判断してしまったようだ。そこに俊彦が。
俊彦「失礼します」
夏子「あら、原君じゃないの」
俊彦は斉藤勲と一緒だった。
夏子「斉藤さん…どうしてここに」
勲「いやぁ、葵からここだって聞いたもんで」
俊彦「先生、新選組も揃いましたからひとつここらで」
夏子「で、でも」
強引に押しかけてきた新選組メンバーに夏子は四苦八苦。環はバッキャローで一喝するが、俊彦はいい話を持ちかけた。
俊彦「実はいい話がある。生徒会長をハングタンのバックアップメンバーに入れて欲しい」
夏子「ええっ?」
俊彦「生徒会長がハングタンに関われば、生徒たちも悪いことが出来なくなるってことさ」
環はそんな俊彦の屁理屈に疑問を抱いた。
環「でも、そんなことしてたら生徒会長でなくてもいいんじゃないの」
夏子「マッキー、そんなこと言っちゃいけないの。これは大事な話なんだから」
環「じゃ、うちのバスケ部員もバックアップメンバーに」
俊彦「それはいい」
勲「まぁトシやシゲやオラや先生のようなオトナはともかく、高校生じゃな」
俊彦「んだな」
こうして2008年度のハングタンの骨子が出来た。あとはゴッド、つまり理事長の大谷正治に見せればいい。
翌朝、理事長室に環がいた。
環「徹夜して完成させました。どうか見てやってください」
大谷は環が夏子や俊彦と一緒に作ったメンバーリストを見た。
大谷「バックアップメンバー、か…この学園の関係者全員がハングタンのバックアップメンバーだと考えてくれ」
環「わかりました」
大谷「とくに信頼できる人間、バスケ部の君のパートナーで寮長の間宮由香、女子サッカー部監督の内田亨、そしてわたしが信頼する若者原俊彦」
環「原さんってそんなにすごい人なんですか?」
大谷は東北日報の社会面を環に見せた。そこには俊彦が書いたコラムが掲載されていた。
大谷「彼は文筆活動で岩手の現状を憂い、主張し続けている。そしてそんな彼を見込んでつくったのがザ・新選組だ。そこに紅一点のメンバーとして入れたのが横田君」
そこで夏子が入ってきた。
夏子「だから今回、原君はじめ新選組メンバーにも協力をお願いしたのよ」
夏子は胸ポケットから俊彦、勲ともうひとりの若者の写真を見せた。
夏子「原君と葵ちゃんの叔父さんはわかるわね。もうひとりは国分繁治さんと言って、元自衛官よ」
大谷「ほほぉ、さすがに君も勉強したな。よし、このメンバーでとりあえず行動開始だ」

大谷はさっそくある事件について調べて欲しいと言った。その事件は5日前の高松の池ほとりでの事件だった。
大谷「実は女子校生がそこで首を絞められて殺された」
ということで、ハングタンたちは高松の池へ。近くには殺された生徒が通っていた高校がある。
環「下校中を狙って人殺しなんて…許せないわ」
夏子「でもそれだけじゃあたしたちの出番がないわ」
環「そうよ」
そこへひとりの男がやってきた。
男「だから俺たちが助けてやろうじゃないかってわけだよ」
夏子「あなたは誰」
男「僕は国分繁治、コードネームはバトラー」
夏子「横田夏子です。コードネームはショパン」
環「あたし牧村環、よろしく」
繁治「さて本題だ。牧村先生、この事件にはあまり関わらないほうがいい」
いきなり繁治は環に事件に関わるなと忠告した。
環「どうして」
繁治「実は、殺されたまゆみって子が…」
繁治は泣きながら続きを言った。
繁治「先生の教え子とそっくりなんだよ」
環「ええっ?」
繁治「実は5日前に大通りで原さんと一緒に歩いていたときのことだ」

5日前の夜、つまり事件の夜に俊彦と繁治はバーを出て駅の方面へ向かっていた。
俊彦「帰ったらもう原稿が手につかないよ」
繁治「おい、もう帰るのか」
俊彦「だいたいネットカフェとか泊まって犯罪に巻き込まれたら…」
繁治「大丈夫だろ、免許証見せれば」
俊彦「それ以前の問題だよ」
銀行の近くでまゆみは男と二人組のスケバン風の女子校生に絡まれていた。
繁治「こらぁ」
するとまゆみは男に噛み付いた。そこをスケバン風の女子校生に押さえつけられたのだ。まゆみは男に言いくるめられてどこかへ連れ去られた。
男「ふざけんな」
そして男が高松の池のほとりでまゆみを絞め殺した。まゆみは違う、あたしは弥生じゃなくてまゆみだと言いながら死んでいった。

繁治は悔しがった。
環「弥生って言ったのね。もしかして」
夏子「あの高橋弥生が?」
環は大谷の話を思い出した。もしかして福岡から弥生を狙った刺客が差し向けられたのかもしれない。
環「弥生が危ないわ」
繁治「わかった、それじゃ僕も協力する」
夏子「国分さんは原君と一緒に行動して。あとでまた連絡する」
環「落ち合う場所は大通りの地酒バー」
繁治もハングタンと契約することになった。

弥生はバスケットゴールを見つめながら沈黙した。
弥生「まさか、藤崎さんがここまで」
その姿を見た間宮は心配そうだったので保健室に弥生を連れた。
間宮「淳子先生」
養護教諭の鈴木淳子が弥生を診た。恋の病は専門外と言う淳子だったが、どうやら淳子の見立てでは藤崎という言葉が問題らしい。
淳子「藤崎って人なのかしら」
間宮「このこと、牧村先生に報告します」
間宮は環に弥生の無気力について報告。さらに藤崎と言う人物についても話した。
間宮「もしかして福岡でいじめに遭ったときの…」
環「福岡と関係があるのかな、やっぱり」
環は俊彦に電話をかけた。藤崎について何か知らないかということだった。わかり次第地酒バーで報告するということになった。

数日後、バスケの練習を終えた弥生、美雪、愛里をまゆみを絞殺した男と数人の取り巻きが包囲した。
弥生「ふ、藤崎さん」
美雪「うえっ、これが藤崎さん?」
藤崎はこぶしを鳴らした。
弥生「どうしてここが」
藤崎「俺がいちゃ悪いか?高橋」
愛里「弥生先輩、逃げて」
しかし藤崎の取り巻きたちが美雪と愛里の退路を塞いだ。そして藤崎は弥生の首を絞め、気道を完全に塞いだかに見えた…
弥生「もうダメ」
そこへ繁治がやってきて、藤崎と取り巻きたちを撃退した。
繁治「弥生ちゃん、弥生ちゃん…」
繁治は弥生をもう一度保健室へ。淳子は藤崎に絞め殺されそうになった弥生に人工呼吸など施し、弥生は意識を回復した。
弥生「藤崎さん…あたしは悪くないよ」
繁治はその言葉を聞いて弥生に藤崎のことを聞こうとしたが、淳子と間宮に静止される。

さて、環は弥生が危うく絞殺されたことを知り高松の池のほとりへ。
環「弥生ちゃん、弥生ちゃん…敵は絶対取るわよ」
と、環が叢を調べているとそこで例のスケバン二人組が追われていた。
スケバンA「助けて」
スケバンB「騙したのね」
そして二人は男にサイレンサーつきの猟銃で撃たれた。
環「うわっ」
そして環は悲鳴を上げながらその場を走り去った。そこへ携帯電話が。
「和水待君 原俊」
携帯の画面に書かれたこの文字、これは地酒バーに来いと言う合図だった。

地酒バーに環、夏子、俊彦、繁治がやってきた。
環「実は5日前のスケバンが、あの現場で殺されたのよ」
俊彦「藤崎友則め、やはり口封じだ」
夏子「だから誰よ、藤崎って」
俊彦は新聞や雑誌の情報から藤崎友則を調べ上げていた。
俊彦「藤崎友則、31歳。飛梅女学園の体育教師だった」
夏子「だった?」
環「どうして過去形なの」
俊彦「この春クビになってる」
環「それが弥生とどんな関係…あっ」
環は弥生が福岡から来たと言うことを思い出し、もしやと思った。飛梅女学園と言えば九州屈指のバスケ強豪、弥生の実力ならそこのレギュラーも十分だ。そこへ藤崎がそれを妬んだ生徒を使ってスキャンダルを起こせばいじめも同然。
環「…藤崎先生はどうしてクビに?」
俊彦「それが高橋弥生というバスケ部員と恋に墜ちたとかで。しかもクビになってすぐに離婚している」
繁治「それだけじゃない、弥生の先輩の藤川と言う生徒が首吊り自殺を図ったこともあった。それにも藤崎が一枚噛んでたってらしい」
夏子「でもどうやってここにいることを知ったのかしら」
繁治「藤崎の同僚やそういった筋が盛岡にいないかと、念のため見てみましたよ。すると…」
そして俊彦がプリントを環と夏子に見せた。
環「えっ?山瀬学園に…」
繁治「まゆみもバスケ部だった。多分弥生と似ていたから藤崎は勘違いして…」
俊彦「山瀬学園の石井、要注意だ」

翌朝、ずっと寮の布団に寝ていた弥生が目を覚ました。
弥生「…ここどこ?あたし、あれ、藤崎さんは?」
ここで環と美雪は弥生に状況を説明する。
環「昨日藤崎さんに囲まれて、首を絞められそうになったところをある人に助けられたのよ」
弥生「えっ?」
弥生は窓の外に繁治がいるのを確認した。繁治は手を振りながら歩いていた。
弥生「さ、がんばろう!あの人のために絶対練習出るから」
美雪「そうそう、その調子よ」
一方夏子は葵とまどかに相談。誰かをおとりにして石井に接近することにしようと考えたからだが、葵は気が乗らなかった。
葵「誰かをおとりにしようなんて、そんなことなら先生が」
まどか「そうよ、すでに弥生ちゃんが被害に遭ったのよ。何とかして」
夏子「まぁそんなこと言わないで。あなたたちだって立派なハングタンよ」
そして夏子は立ち上がり、葵とまどかにハングタンのことを教えた。
夏子「ハングタンは学園内外のどうにもならならいような悪を制裁するの。そして社会的ダメージを与えて心のダメージを与える、これがハングタンの死刑執行よ」
葵「叔父さんもそういうことしてましたね」
夏子「そっか、葵ちゃんの叔父さんはラグビー選手で今は社長だもんね」
夏子は新選組のことは話さなかったようだ。