同じ町内の従兄弟からの連絡によると、どうやらこの3月下旬に、例の終末施設に入院していた末期癌の従姉妹が死んで、家族葬も済ませたらしい。一切知らせがなかったし、新聞掲載もなかったので、知らないまま、過ぎている。
彼女に子供もいないし、血縁が切れる。親戚付き合いは強制されるものではない。町内にも知らせがなく、香典や供物も一切受け取らないというから、それはそれで、旦那の望み通りにすればいいと私は思う。
今死んだ従姉妹とは、それなりに知っているが、親しく交友があったわけではない。彼女の為に、線香の一本もあげたい気持ちはあるけれど、まあ、こっちだって、そのうち彼女の世界に行くのだから、慌てることはない。
自分たちが築きあげてきた、あるいは築きあげられなかった家庭であり人生だから、思い残すことも多かったに違いないが、満足のいく人生など、そうそう、あるものではない。