最近、妙に1日が「長く」感じるようになった。もちろん、冬場に比べて「彼岸入り」の今日、日中が長くなってきているのだが、そんな天文学的な話ではなく、1日24時間が、妙に「長いなあ」と感じる。
「ぼんやり」している時間がたっぷりあるのだ。ふっと、2、3年前「親父やお袋」が施設に入る前の頃、二人とも体が動いていたのだから、もっと「海」とか、「足羽山」とか、近辺でいいからドライブに連れて行ってやればよかったなあ、と思う。
95歳すぎまで自分で車で動いていたのだが、次第に福井市内の目的地まで行けなくなっていた。どこを走っているか、わからなくなってしまう。無事に家に帰ってこれたのが不思議だと思えるようになって、最後に電柱にぶつけた自損事故で車を取り上げたのだが、二人を乗せて、しょっちゅう医者通いはしたが、ドライブは考えもしなかった。
日常生活の二人の介護に必死で、デーサービスに行かない日に、時間を持て余していた二人を、どこかに連れて行くなんて、思いつく余裕がなかった。まだ、何年も生きるだろう、と、何年も続くだろう介護生活の大変さが先に頭にのしかかるばかり。あっけなく、二人がいなくなってみると、ふっと、どこかに連れて行ってやれば、よかったなあ、って。
一度、二人を福龍ラーメンに連れて行ったら、大声で喋る親父に「元気だねえ」とマスターがびっくりしていた。それだけしか、記憶はない。