-今日の独言-
紀宮の皇族退職金? 1億5250万円。
皇室経済法という法律があるそうだ。紀宮が結婚によって近く皇族から離れることになるが、その折に一時金として支払われる金額が1億5250万円と決まったことが報道されている。いわば皇族退職金のようなものだ。この額がわれわれの生活感覚からして理に適った妥当なものか、その判断は各々意見も分かれよう。
この額を決定する根拠となるのが皇室経済法なのだが、この法の規定に基づく最高限度額がこの数字になるらしい。件の法律がどんなものなのかNetで読んでみたが、平成9年以降の改正事項は有料となっていたので、さらに追うのはやめにした。
女性問題や年金未納のスキャンダルで相変わらず話題をふりまいてくれる小泉チルドレン杉村太蔵クンに、歳費と通信費等で年間3600万円支給されるのに比べれば、ごくつましいものと感じられもするから、この日本という国、なかなか奇妙な国ではある。
<歌詠みの世界-「清唱千首」塚本邦雄選より>
<雜-1>
東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ
柿本人麿
万葉集巻一、詞書に軽皇子の安騎の野に宿りましし時。あまりにも人口に膾炙した人麿の代表的秀句。
「炎-かぎろひ」とはきらきらする光。野の果てから昇りはじめる陽光の兆し、曙光である。
一望千里というか遥々とした眺めの雄大さは格調高い。結句は万葉集原文では「月西渡」と表記されのだが、まだ西空に月の残る景が<時間>を感じさせるか。
契らねど一夜は過ぎぬ清見潟波に別るるあかつきの雲
藤原家隆
新古今集、羈旅の歌。偶々縁あって駿河の国は清見の港に一泊、寄せては返す波と別れてゆくかのように、遥かにみえる暁の雲。その雲に漂白の身が重ねられているのだろうか。三句と結句の体言止めが結構を強めている。
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