山頭火つれづれ-四方館日記

放浪の俳人山頭火をひとり語りで演じる林田鉄の日々徒然記

まゝよ法衣は汗で朽ちた

2009-07-22 11:39:08 | 文化・芸術
Dc090315079

―山頭火の一句―昭和5年の行乞記、10月9日の稿に
10月9日、曇、時雨、行程3里、上ノ町、古松屋

嫁の開けないうちに眼がさめる、雨の音が聞こえる、朝飯を食べて煙草を吸うて、ゆつくりしてゐるうちに、雲が切れて四方が明るくなる、大したこともあるまいといふので出立したが、降つたり止んだり合羽を出したり入れたりする、そして2.30戸集まってゐるところを3ヶ所ほど行乞する、それでやつと今日の必要だけは頂戴した。-略-

今日の道は山路だからよかつた、萩がうれしかつた、自動車よ、あまり走るな、萩がこぼれます。-略-

一昨日、書き洩らしてはならない珍問答を書き洩らしてゐた、大堂津で藷焼酎の生一本をひつかけて、ほろほろ気嫌で、やつてくると、妙な中年男がいやに丁寧にお辞儀をした、そして私が僧侶-?!-であることをたしかめてから、問うて曰く「道とは何でせうか」また曰く「心は何処に在りますか」道は遠きにあらず近きにあり、趙州曰く、平常心是道、堂済大師曰く、逢茶喫茶、逢飯食飯、親に孝行なさい、子を可愛がりなさい-心は内にあらず外にあらず、さてどこにあるか、昔、達磨大師は慧可大師に何といはれたか、-あゝあなたは法華宗ですか、では自我偈を専念に読誦なすつたらいゝでせう-彼はまた丁寧にお辞儀して去つた、私は歩きつゝ微苦笑する外なかつた。-略-

※揚げた句の他に「ゆつくり歩こう萩がこぼれる」
また訂正二句として、次の2句を記す
「酔うてこほろぎと寝てゐたよ」
「大地したしう夜を明かしたり波の音」

―世間虚仮― 前代未聞解散

国会がとうとう解散した。’05年の小泉総理による解散も、郵政改革に反撥する党内勢力を一掃しようとした前代未聞のものだったが、それから4年、小泉、安倍、福田、麻生と、一年毎に表の顔を掛け替えてきて、とうとう任期満了の際にまで至ってのこのたびの解散も、いろいろな意味で前代未聞の解散劇だ。

そもそも昨年9月の福田退陣から麻生総理誕生の交代劇は、直ちに解散総選挙を想定されたものであった筈なのに、秋、年末そして今年の春と、麻生内閣はその機を先送りしてきた挙げ句の、いわばもう逃げられぬ土壇場に追い詰められての解散である。

「予告解散」-党内の麻生降ろしの機先を制して東京都議選惨敗翌日というタイミングで発した前代未聞の解散予告、これにはマスコミもわれら国民もみな唖然とさせられたものである。

その直後から演じつづけられた反麻生グループとの党内抗争もなんとか制圧しての衆議院解散の詔勅-8月18日告示、々30日投票の、40日間というこれまた現憲法下最長の、長い長い夏の闘いのはじまりだ。

このたびの解散で政界を引退する自民党議員は、小泉純一郎をはじめ18人にのぼるという。そのなかの一人、河野洋平-衆議院議長-は退任会見で「衆院が新しい意思、要請に耳を傾ける大事な選挙だ。国民の負託に応える立派な国会であってほしい」と言ったという。


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