―山頭火の一句― 昭和5年の行乞記、10月11日の稿に
10月11日、晴、曇、志布志町行乞、宿は同前-鹿児島屋-
9時から11時まで行乞、こんなに早う止めるつもりはなかつたけれど、巡査にやかましくいはれたので、裏町へ出て、駅で新聞を読んで戻つて来たのである。-略-
今日はまた、代筆デーだつた。あんまさんにハガキ2枚、とぎやさんに4枚、やまいもほりさんに6枚書いてあげた、代筆代をくれやうとした人もあるし、あまり礼をいはない人もある。-略-
隣室に行商の志那人5人組が来たので、相客2人増しとなる、どれもこれもアル中毒者だ-私もその一人であることに間違ひない-、朝から飲んでゐる-飲むといへばこの地方では藷焼酎の外の何物でもない-、彼等は彼等にふさはしい人生観を持つてゐる、体験の宗教とでもいはうか。
コロリ往生-脳溢血乃至心臓麻痺でくたばる事だ-のありがたさ、望ましさを語つたり語られたりする。
酒壺洞君の厚意で、寝つかれない一夜がさほど苦しくなかつた、文芸春秋はかういふばあいの読物としてよろしい。-略-
※表題の句は、10月10日付に記されたものの一句
―四方のたより―今日のYou Tube-vol.26-
「KASANE-2-Scene.2-in Alti Buyoh Festival 2008」
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