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<連句の世界-安東次男「風狂始末-芭蕉連句評釈」より>
「空豆の巻」-25
客を送りて提る燭台
今のまに雪の厚さを指てみる 孤屋
次男曰く、「送りて」とあるから付けて作りは送られる客の体である。
「今のまに」とは、時間の経過、雪の降り様、積り様を予測したことばだが、この雪は夜更にかけて深くなると考え、帰路の難波を気にかける人の様子も自ら現れている。「指てみる」はむろん深さを棒などで測ってみることで、方向を指すことではない。
婚礼の宴でもよいが、話をドラマティックに拵えたければ謀議と眺めるのも面白かろう。「今のまに」が、沈々として凍てる夜の緊張をよく伝えて、これはよいはこびだ。取込事にせよ相談事にせよ、当座は無事に済んだが後始末はまだ残っている。それが辞して帰る客の側の心のことであれば、自家の工夫の重みがそこにのぞく。今晩は大雪になりそうだというのは単に表面上のことにすぎなくて、そう口にする人のこれからが大変だという心の奥をあれこれと想像させる。興をそそる句だろう、と。
―四方のたより―今日のYou Tube-vol.26-
「KASANE-2-Scene.3-in Alti Buyoh Festival 2008」
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