「夜のお茶会」坂田靖子(1977年 LaLa7月号)
とびっきりの短編ばっかり、9本。
愛すべき小品って言葉は、こういう作品たちのためにあるんだと思う。
外国が舞台のものが多いですが、なかには日本の時代物もはいってたりして、バラエティゆたかです。
内容も、子どもたちが生き生きと動くハッピーな話から、実の母親に恋をする美少年の切ない話まで、これまたいろいろ。
シンプルな仕上がりなのに、実は深遠。
コミカルでおとぼけ風味なのに、実はすごく知的。
魅力のあるマンガ家さんって、そういう相反する要素を自然にあわせもっていますよね。
片方だけをうまく描ける人ならいっぱいいる。でもプロの作品だなあと思うのは、別々に見える要素がひとつの作品の中でとけあっていることを感じたときです。
このお話は、とくに気に入っていたので記念にのせちゃいました。
雑誌未発表のものらしいんだけど、なんで未発表? まさかこんな良い話がボツにされたわけじゃないよね・・・あ、同人誌にでも出したのかな。
坂田靖子さんの作品では「バジル氏の優雅な生活」というのが、かなり長期間続いて有名だと思いますが、あいにく私は読んでいなくて。
ていうか、この単行本以外の作品をほとんど読んでいないことに、たったいま気づいた。
あれ~?? 変だわ、名前はいつも意識していたはずなのに・・・。ウィキによると、かなり大量の作品があるみたいなのに、なんで追っかけてなかったのかなあ。
と思いながら、アマゾンを探してみたら、おいしそうな本がこりゃまたいっぱい。あらら、知らなかった。
そういうわけで、あまり語れなくて残念です。
ただ、上にあげた単行本は、坂田さんデビュー後2冊目という初期の初期で、それをいまでも保管している自分がちょっとうれしかったので、ここに取り上げさせていただきました。
つづきます