念願の懐中猫

 藤田嗣治の自画像に、猫を懐に入れているのがあって、自分もやりたいと思っていた。
 しかし抱っこ嫌いのみゆちゃんでは到底無理だろうから、懐に猫はあきらめてしばらく忘れていたのだけれど、近ごろふくちゃんがしょっちゅう膝の上に乗ってくるので、ふとふくちゃんなら出来るかもしれないと思って、部屋着にしている大きめのフリースの上着の中に入れてみたら、ごろごろのどを鳴らして落ち着いた。念願の懐中猫である。
 食事の用意をしたり皿を洗ったりしている最中に、抱っこしてにゃあとやってきたときにも、上着の中へすぽりと入れる。こうすると、ふくちゃんを抱えながらも両手が使えるから用事が出来るし、お腹がぽかぽかあったかくて気持ちがいい。
 ごろごろ、ぽかぽかで油断していると、上着のファスナーのあいだから、ひゅっと猫パンチが飛び出してくる。右や左へ動く私の腕の動きに反応して狙ってくるのである。そのほか、上着の内側からもがりがりパンチやキックをしてくるから、なんとも落ち着きのない懐中猫である。
(ちなみに、猫好きで知られる江戸の浮世絵師の歌川国芳は、いつも懐に二匹(!)くらい猫を入れていたらしい。また、のりさんちのみるくちゃんもそうです。)
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