秋空の雲

 からっとした風の吹く、よく晴れた朝になった。
 この家に引っ越してきてから、ずいぶん背丈が伸びたサルスベリやサザンカの木の葉のあいだから、朝の太陽がきらきら光った。
 きれいに澄んだ青空なので、庭に出て洗濯物を干しながら見上げると、小さな千切れ雲が形を変えながら、ゆっくりと頭上を流れていった。
 雲が流れるのを眺めたりすることは、ここしばらくのあいだ忘れていた。
 どこか、もっと空の広い場所へ行きたくなった。
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