あなたを見つめて。。 monochrome life

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白詰草の咲くころに。  part2

2010年08月09日 02時10分27秒 | 白詰草の咲くころに。
camera:Canon New F-1
lens:Biometar 120mm f2.8(PENTACON 6)
adapter:Ukraina tilt+M42+FD
film:ILFORD PANF PLUS(ISO50)
developer:XTOL1:1 20℃ 8min
scanner:EPSON GT-X970



























白詰草の咲くころに。Part1
世間では一週間ものお盆休みが当然だが僕は相変わらず4日しか休めない。
それも前2日のみで後2日は自宅に居なければいけない用がある。
だから、この2日がとても愉しみで待ち遠しくてしかたない。
今回は3度目となる尾道でひなびた個人経営の温泉に数ヶ月まえから予約を入れていた。
尾道は飽きることのない美しい町だが、もうひとつぜひ行きたかった場所がある。
数年前に見た映画のロケ地である大三島へ尾道港からフェリーで渡って、『船を降りたら彼女の島』での旧木造校舎へ行くことだった。
主人公の木村佳乃が演ずる久里子は東京で新聞記者として自立する女性だ。
カメラマンとの結婚を報告するために生まれ育ったこの島に帰ってくる。
幼い頃の断片的な記憶、鶴姫伝説にまつわる初恋が美しい景色とともに綴られていく。
大杉蓮の演じる無口だが優しい父が校長を引退したあと廃校になった校舎でいまは民宿を経営している。
久しぶりの父と娘のどこかぎこちない会話が島の生活と都会の生活をするものの間に瀬戸内の海峡のように超えれない垣根を作ってしまうが、鶴姫伝説の鈴を求めて彼女が島を探すうち都会で身に付いた澱のようなものが洗われて、次第に父の優しさに心を癒されていく。
DVDのキャプションでは『船を降りたら彼女の島』は、ひとりの女性の心の旅を、緻密に織りなされたタペストリーのように丹念に描き、静かな感動を与えてくれます…と書かれているように切なくも美しく見終わったあと心に優しく余韻が残る映画です。
海外でも高い評価をされているこの映画はどこか小津安二郎の『東京物語』に通じるものがあると思います。
コメント (6)
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