僕の住まいは大阪市内だが、毎月の月初めには必ず隣の奈良県生駒山へ足を運んでいる。
「お一日詣り」(おついたちまいり)という昔ながらの願かけ詣りを先代の父が40年ほど前に初めて、その父が亡くなったあと16年経つが後を引継いでつづけている。
遺言ではないけれど、日ごろから自分が動けなくなってお山へ詣ることができなくなったら頼むな、ということを聞かされていたから無信心な人間だが長いようで、
あっという間に16年も続いていまさら止めるわけにいかない。(笑)
この宝山寺というお寺は、聖天さん(歓喜天)ヒンドゥー教のガネーシャがルーツで、お寺と神社が混合されている。
麓からはケーブルが出ていて6、7分で着くのだが、境内までは380段の石段を登らないといけない。(前に数えました)
平坦な道はまったく平気なのだが、ちかごろ心臓が弱いせいか?息があがって途中で2回は一服しないと辛くて、同じようなお一日詣りのお爺さんに抜かれる始末(T_T)
で、最近は鳥居下までタクシー(1メーター)で行って、帰りのみケーブルを利用している。
親父がタクシーを片道使ったら楽やぞという言葉をいまさら思い出して、もっと前にそうすれば良かったと思う。
この日は、たまたま日曜だったがそんな日は年に1度あるかないかで、普段は仕事帰りのままで行くので夜8時ころのお詣りだ。
あいにくの朝から強い雨だったが、久しぶりにケーブルを使わずに麓まで降りる計画をした。
途中の分かれ道で暗峠という標識が前から気になっていたので、雨、暗がり、ウエット…(笑)という連想で極めてウエットな描写をする、Carl Zeiss Distagon 28mm F2を5Dに付けっぱなしで家を出た。
デジタル一眼を使うのも久しぶりだが、山道の雨の夕暮れということで、感度を400以上にに上げないといかないかなと、仕方なく(笑)フィルムカメラを置いてきた。
日曜でも用事は山のようにあって出るのが遅くなり、雨は降りやまず日も傾きかけて、すれ違う人もなく山道はとても不気味で怖かった。
ナビを見ながら歩いたが、1.5時間はまだこのあと登り坂がつづきそうで、柔な根性が頭をもちあげて途中で断念しました。