斑入り葉のモンステラ茎挿し苗をもらった。
毎日すこしずつ葉が痛んでいく。
毎日ていねいに褐色になった枯れた部分を切り取って葉水を与える。
甦れ!
毎日すこしずつ葉が痛んでいく。
毎日ていねいに褐色になった枯れた部分を切り取って葉水を与える。
甦れ!
ある場合には運命っていうのは、
絶え間なく進行方向を変える局地的な砂嵐に似ている。
君はそれを避けようと足どりを変える。
そうすると、嵐も君にあわせるように足どりを変える。
君はもう一度足どりを変える。
すると嵐もまた同じように足どりを変える。
何度でも、何度でも、
まるで夜明け前に死神と踊る不吉なダンスみたいに、それが繰り返される。
その嵐はどこか遠くからやってきた無関係ななにかじゃないからだ。
そいつはつまり、君自身のことなんだ。
君の中にあるなにかなんだ。
だから君にできることといえば、その嵐の中にまっすぐ足を踏み入れることなんだ。
その嵐は千の剃刀のようにするどく生身を切り裂くんだ。
何人もの人たちがそこで血を流し、
君は両手にその血を受けるだろう。
それは君の血であり、
ほかの人たちの血でもある。
そしてその砂嵐が終わったとき、
どうやって自分がそいつをくぐり抜けて生き延びることができたのか、
君にはよく理解できないはずだ。
でもひとつだけ、はっきりしていることがある。
その嵐から出てきた後、君の人生は変わっているんだ。
ビューティフルに。
絶え間なく進行方向を変える局地的な砂嵐に似ている。
君はそれを避けようと足どりを変える。
そうすると、嵐も君にあわせるように足どりを変える。
君はもう一度足どりを変える。
すると嵐もまた同じように足どりを変える。
何度でも、何度でも、
まるで夜明け前に死神と踊る不吉なダンスみたいに、それが繰り返される。
その嵐はどこか遠くからやってきた無関係ななにかじゃないからだ。
そいつはつまり、君自身のことなんだ。
君の中にあるなにかなんだ。
だから君にできることといえば、その嵐の中にまっすぐ足を踏み入れることなんだ。
その嵐は千の剃刀のようにするどく生身を切り裂くんだ。
何人もの人たちがそこで血を流し、
君は両手にその血を受けるだろう。
それは君の血であり、
ほかの人たちの血でもある。
そしてその砂嵐が終わったとき、
どうやって自分がそいつをくぐり抜けて生き延びることができたのか、
君にはよく理解できないはずだ。
でもひとつだけ、はっきりしていることがある。
その嵐から出てきた後、君の人生は変わっているんだ。
ビューティフルに。
村上春樹が監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥに捧げた『海辺のカフカ』よりの章節
週末に会社帰りに映画を観てきた。
タイトルはBIUTIFULだが正しいスペルはBEAUTIFULだ。
このタイトルひとつにも主人公が育ってきた貧しい環境が分かる。
どうしても観たかった映画だが、これはまぎれもない父性愛の映画だ。
だから女子や子どもを持ったことのない青年が観ても、もしかすると深く理解されないかもしれない。
母性が肉体的なものとすれば父性はきわめてメンタルなものだ。
それは母性が卵子とともに子宮のなかで10ヶ月過ごしたことと違って父性は自分の意思とは無関係に酸の海(?)をひたすら泳ぎ到達した一匹の精子の違いだろうか(笑)
監督イニャリトゥ作品は『21g』と『バベル』を見たが今までの集大成といっても言い過ぎでない秀作だ。
『21g』のベニチオ・デル・トロが好演した裏社会に生きる信仰深い男と、この映画のハビエル・バルデムが演じるウスバルという男が僕には重なって見えてしまう。
映画は2ヶ月の余命を宣告された男に、これでもかというほど辛い試練と悲しい出来事が起こる。
主役を演じたハビエル・バルデムは『ノーカントリー』でみせた怪演とはうって変わって次第に受難者イエスをも彷彿とさせる悲しみと慈愛に満ちた表情に変わっていく。
彼はこの役のために過酷なダイエットをして別人のようになっていた。
心を病む妻のマランブラ役のマリセル・アルバレスは舞台の振付、演出家で今回初のオーデションに合格した、まったく無名の素人同然の演技者だが切ないほどマランブラに成り切っていた。
最後まで決まらなかった、この映画の重要な役どころの娘のアナは学校帰りに撮影を見学していて自分から『私もこの映画に出てみたい』と監督に声をかけた小学生だというから驚きだ。
さまざまなこの映画のレビューでは『終りを知ったものだけが見せる、力強く美しい人間の姿』とあるがこれはまったく的はずれな解説で(失礼でごめんなさい)
彼は結局、根本的なことはなにひとつ解決できずに弱々しく惨めな最期を迎える。
ただ、死を前にして彷徨える死者と意思を通じ合える能力を持つウスバルがずっと探しつづけていた若き日の父と会話をしながら、愛する娘にその父からの形見の指輪を譲る
シーンに30数年生きてきて、おそらくいい事など数えることほども無かっただろうこの男に人生最期のささやかな幸せが見えた。
移民問題や同性愛、家族のありかたを静かに問いかける映画だ。
イタリアのバルセロナの裏町はとても汚く、そしてとても美しい。
音楽は素晴らしくワンカットがまるで今はないコダクローム25で撮られたような深い美しさに満ち溢れ、映画を見終わったあと数千枚という心に刻みつけられるPORTRAIT写真を
見せられたような感動で僕は息苦しささえ覚えた。
最近新しい映画の情報に疎くなってしまってますが、「村上春樹」「デル、トロ」「ノーカントリー」とツボワードがてんこ盛りで気になってしまいました。
ビューティフルの公式サイトも見ましたが
ハビエル・バルデムが本当に別人ですね。
もう見たくて仕方ありません。
でも映画館に行く時間が無いのでDVD化まで
辛抱です。
21gからショーンペンも思い出し「ミスティックリバー」をもう一度見たくなりました。
2回目になるけど、21g同様やはり難解です。
でも写真と同じようにいろんな解釈が観る側によって出来ることが良い映画なのでしょう。
3回観たら頭の悪い自分にも理解できるかな(笑)