アンの絵本日記&g

大人にも楽しめる絵本の紹介と
稲垣吾郎さんについて(時々)語ります。

今日の絵本

2013-10-30 13:31:21 | 絵本
「羅生門」(7分半)
日野多香子:文
早川純子:絵
金の星社:発行
2012.8初版(1300円)

母に捨てられ、盗人に育てられた、ゆきまろ。
荒れ果てた京の都に現れるオニの子。
オニの子、ゆきまろ。
人はどちらにもなる、人はどちらにもなれる。
人の心は、そういうもの。

・・・・・*・・・・・

「オニは最初からオニだったわけではない。
時の権力や社会に虐げられて、追われていった気の毒な人たちの、終の姿なのだ。」
このことを聞いたのはいつのことだったのでしょうか。
それ以来、私の心には、オニは悲しい身の上の人たちという思いが宿りました。
(中略)
今から千年以上も前の平安時代、京のみやこには、中心部と外とを区切る大きな門がありました。
それが羅生門です。
羅城門とも呼ばれていたこの門は、平安中期にはさびれて、盗賊たちの住処にさえなったといわれます。
羅生門を中心にした話は、平安末期の『今昔物語集』などにもありますが、それを現代風に書き改めた一編に、芥川龍之介の『羅生門』があります。
時代は変わり、住む人たちの暮らしは変わっても、人々の心は変わらない。
私はそう信じています。
(作者あとがきより)