杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~

2009年08月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2009年8月22日公開 

幼い頃に母を亡くした女子高生・遥は、不在がちな父との関係も少しギクシャクしていた。ある日遥は子供の頃に願い事をした神社で不思議な光景を目にする。小さな“きつね”がおもちゃのゴム式飛行機をどこかへ運んでいるのだ。後を追って森の奥に入った遥は不思議な世界に迷い込む。そこは人間が忘れた「ホッタラケ」を集めて暮らす住人が住む世界だった…。

東京・武蔵野にある神社にまつわる伝説がベースになっているとのこと。
映画の冒頭は「日本昔話」か?と見紛う絵だが、すぐにCGアニメの世界になりました。自然の残る東京郊外の素朴な風景や、様々な「ホッタラケ」で構築された不思議な島が細部まで丁寧に描きこまれていて、色彩も豊かで楽しいです。

テオを追って水たまりに吸い込まれるシーンは「不思議の国のアリス」を思わせ、島の描写は「千と千尋~」を、鏡は「鏡の国のアリス」を意識させます。

遥役の声は綾瀬はるか、父母には大森南朋・戸田菜穂が、島の住人の声は声優さん (沢城みゆき 、谷村美月 、家弓家正 )が演じてます。台詞を先に収録し、アニメーションをそれに合わせて制作するプレスコという手法で作られたそうです。

昔はとても大事にしていたのにいつの間にか忘れ置き去られたものたちへの気持ちを思い起こさせる映画です。

遥が大切にしていた母から貰った手鏡の他に、幼い日の誕生日に貰ったコットンという名のぬいぐるみが登場するのですが、このキャラがもう可愛くていじらしくてやられちゃいました。画面から手触りや質感までが伝わってくるようです。

テオは魔法の力が弱いというコンプレックスを持っていて島の住人に疎外感を感じています。遥も父とのぎくしゃくした関係に閉塞感があり、そんな二人が手鏡を探すうちに変り成長する姿が描かれていきます。

敵役の男爵にも実は容姿・外見へのコンプレックスがあるのが面白い点。
人間の「ホッタラケ」で飽き足らずに人間界に攻めていこうとする男爵との戦いはなかなかドキドキする面白さがありました。

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