2014年8月23日公開 イタリア 101分
ローマの公立高校。「教育は学校の中だけでいい」という考えのもと校長を務めるジュリアーナ(マルゲリータ・ブイ)は、ある時なりゆきから親に見捨てられた男性生徒ブルニョーリの面倒をみることになる。生徒に意欲を沸かせようと熱血ぶりを発揮する国語の臨時教員ジョヴァンニ(リッカルド・スカマルチョ)は、ずる休みを繰り返す生徒アンジェラに振り回されていた。美術史の老教師フィオリート(ロベルト・エルリツカ)は、教育に対する情熱を失っていく中、かつての教え子と再会する。やがてそれぞれの生徒たちとの交流によって、3人の教師の人生にある変化が訪れる。
ローマの高校を舞台に、タイプの異なる3人に教師がそれぞれに価値観や人生を変える生徒と出会うさまを描いています。
かつての情熱は遠い昔に打ち捨てられ、今や惰性の中に教師を続けているフィオリートにとって、若く情熱に溢れるジョバンニは目障りで鬱陶しい存在。何かにつけて冷たく当たります。でもそれは昔の自分を思い出すからなのかな?そしてその先にある挫折を知っているからこそなのかな
そんな彼のもとに現れた昔の教え子からの感謝の言葉。教育に情熱を持っていた頃の自分を思い出すきっかけになったのか・・・な
ジョバンニは学習に身が入らず欠席を繰り返すアンジェラを何とか授業に興味を持ってもらおうと奮闘するのですが、空回りに終わります。遂には彼女が嘘を付いていると誤解し見放してしまうのです。嘘でなかったと気づいたときのジョバンニの何とも言えない表情が印象に残りました。さて、彼はこの先も教師としての情熱を保てるのでしょうか
二人に比べると、ジュリアーナのほうがよほど人情味があるような気がします
仕事優先で料理も夫が作ることが多い彼女は家庭を切り盛りする能力に欠けていることを自覚しています。(だから母となることを選択しなかったようです。)
教育にのめり込みすぎないよう無意識に自制している彼女だからこそ「教育は学校の中だけで~」というセリフになるのだと思いました。ところがある日、母親に置き去りにされた生徒の面倒を見る羽目になります。福祉局に丸投げにしても良いのについお見舞いに行ってしまう彼女こそが本来の情味のある姿ではないかしら?
三人とも聖人君子ではない。そう、先生が聖職なんてのは遠い昔の幻想
生身の人間として悩み苦しみ、時には怠惰に逃げ込みながらも生きているのです。生徒の方だって色んな事情があります。ルーマニア移民の子のアダムは優等生で父親からは将来を期待されていますがそれがストレスとなっていて、GFとの関係も何だか微妙
ブルニョーリは母親がもう帰ってこないだろうことを予感しているし、アンジェラは学校より価値あるものを外に見出しています。
でも彼らが大人になり、いつか高校時代を思う時、そこにあるのは友人との何気ない会話や、聞き流していた授業の一説だったりするのかも
佳い作品とは思いますが・・・・結論のない物語は少々苦手です
ローマの公立高校。「教育は学校の中だけでいい」という考えのもと校長を務めるジュリアーナ(マルゲリータ・ブイ)は、ある時なりゆきから親に見捨てられた男性生徒ブルニョーリの面倒をみることになる。生徒に意欲を沸かせようと熱血ぶりを発揮する国語の臨時教員ジョヴァンニ(リッカルド・スカマルチョ)は、ずる休みを繰り返す生徒アンジェラに振り回されていた。美術史の老教師フィオリート(ロベルト・エルリツカ)は、教育に対する情熱を失っていく中、かつての教え子と再会する。やがてそれぞれの生徒たちとの交流によって、3人の教師の人生にある変化が訪れる。
ローマの高校を舞台に、タイプの異なる3人に教師がそれぞれに価値観や人生を変える生徒と出会うさまを描いています。
かつての情熱は遠い昔に打ち捨てられ、今や惰性の中に教師を続けているフィオリートにとって、若く情熱に溢れるジョバンニは目障りで鬱陶しい存在。何かにつけて冷たく当たります。でもそれは昔の自分を思い出すからなのかな?そしてその先にある挫折を知っているからこそなのかな


ジョバンニは学習に身が入らず欠席を繰り返すアンジェラを何とか授業に興味を持ってもらおうと奮闘するのですが、空回りに終わります。遂には彼女が嘘を付いていると誤解し見放してしまうのです。嘘でなかったと気づいたときのジョバンニの何とも言えない表情が印象に残りました。さて、彼はこの先も教師としての情熱を保てるのでしょうか

二人に比べると、ジュリアーナのほうがよほど人情味があるような気がします

仕事優先で料理も夫が作ることが多い彼女は家庭を切り盛りする能力に欠けていることを自覚しています。(だから母となることを選択しなかったようです。)
教育にのめり込みすぎないよう無意識に自制している彼女だからこそ「教育は学校の中だけで~」というセリフになるのだと思いました。ところがある日、母親に置き去りにされた生徒の面倒を見る羽目になります。福祉局に丸投げにしても良いのについお見舞いに行ってしまう彼女こそが本来の情味のある姿ではないかしら?
三人とも聖人君子ではない。そう、先生が聖職なんてのは遠い昔の幻想


でも彼らが大人になり、いつか高校時代を思う時、そこにあるのは友人との何気ない会話や、聞き流していた授業の一説だったりするのかも

佳い作品とは思いますが・・・・結論のない物語は少々苦手です
