杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

スノーホワイト 氷の王国

2016年05月27日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2016年5月27日公開 アメリカ 114分

スノーホワイトとエリックにより滅ぼされたラヴェンナ女王(シャーリーズ・セロン)には、フレイヤ(エミリー・ブラント)という愛情深い妹がいたが、ある事件をきっかけに、フレイヤは大きな悲しみに襲われ、悲しみと引き換えに強大な魔力を手に入れた。姉のもとを離れたフレイヤは、北の大地で自分だけの氷の王国を築いていたが、そんな彼女のもとに、姉のラヴェンナがハンターのエリック(クリス・ヘムズワース)の剣によって滅ぼされたとの報せが届く。姉の死を知ったフレイヤは、配下の軍団に「魔法の鏡」を奪ってくるよう命じる。これを知ったエリックは、陰謀を阻止するためかつて自分の故郷でもあった氷の王国に戻り、鏡を破壊しようと試みる。しかしそこに現れたのは、死んだはずの最愛の女性・サラ(ジェシカ・チャステイン)だった……。


グリム童話の「白雪姫」を大胆にアレンジして描いたダークファンタジー「スノーホワイト」の続編です。
とはいえ、白雪姫の登場は後ろ姿だけ。しかも主役は女王姉妹じゃなくて、エリックとサラだったのね

フレイヤはかつては優しく愛情深い女性でしたが、愛する男の裏切りにより娘を失い感情が凍り付いてしまいます。ネタバレしちゃうと、ラヴェンナが妹の能力覚醒のために仕組んだ罠だったのですが、本当は妹の娘が自分より美しく成長することが許せなかったという実に身勝手な動機なのでした。

姉の策略に見事にかかったフレイヤは自らの氷の王国を作り上げ、周辺の国を傘下に収めていきます。捉えてきた子供たちを自分の兵士として育て、彼らに愛を信じるなと教え込むの。実はエリックやサラもその子供たちのうちの一人だったということが明かされます。しかしエリックとサラは愛し合うようになり、氷の王国から逃げようとした二人は、フレイヤからエリックにはサラが殺された幻影を、サラにはエリックが逃げ出した幻影をみせられて引き裂かれてしまったのですが、この時二人を殺さなかったことに、フレイヤにほんの少し残っていた「愛」を感じることができます。

エリックとサラのシーンが二度も登場するあたりは、お子様向けのファンタジーじゃないのは確か
「アナと雪の女王」を連想して小さなお子様連れで鑑賞しては慌てることになります。(吹替版は知らないけど)
彼らの珍道中に加わるのは前作でも登場したドワーフたちと新たに女性ドワーフが二人。もういかにもカップル成立でしょ!という筋書きですが、面白かったから
裏切られたと誤解していたサラがエリックの言葉を受け入れた後は、彼女の行動に裏があることも読めちゃいます。前振りで何度か出てくる「私、失敗しないので」…あ、違った「私、(矢を)外しませんから」のセリフはエリックの胸に突き刺さった矢が本当は何を射たか・・バレバレですね

宣伝では妹が姉を復活させて共に勢力を広げようとしたように書かれていますが、本編を見た限りでは、体は滅ぼされたものの、鏡の中に潜んでいたラヴェンナが妹の力を利用して復活したという印象です。妹に高圧的に接し、その軍隊を自分の復讐のために勝手に使おうとするので、さすがにフレイヤの中に躊躇が生まれます。そんな妹に思わず「その力を引き出したのは私」と口走ってしまい、かつての悪事が暴かれることに普段大人しい人ほど怒ると恐いんだぞ~~
フレイヤにとっては、エリックやサラも含めて兵士たちは亡くした娘同様の可愛い子供たちだったのでしょう。間違った愛情だったとしてもね。

さすがにシャーリーズ・セロン演じるラヴェンナは迫力が違います。まさに悪の権化、悪の華。登場は後半の山場からなのに、インパクト絶大でした。
ただね・・諸悪の根源はあの魔法の鏡なんじゃないかしらん?

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