杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ジョーカー

2020年02月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年10月4日公開 アメリカ 122分 R15+

アーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)はコメディアンを夢見る心優しい男。母親から「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」と教わった彼は、大都会で大道芸人として暮らしながら、いつの日か世界中に笑顔を届けようと心に誓う。しかし、周囲から冷たい反応や暴力を受け、しだいに精神を病んでいった彼は、自ら施したピエロメイクの悪“ジョーカー”へ変貌を遂げる。(MovieWalkerより)

 

「バットマン」の悪役・ジョーカー。道化師のメイクを施し、恐るべき狂気で人々を恐怖に陥れる悪のカリスマが、いかにして誕生したのかを、原作にはないオリジナルストーリーで描いています。

ヒース・レジャーがジョーカーを演じた『ダーク・ナイト』が強烈なインパクトがありましたが、今作では、悪役としての姿より、彼をそのようにした背景・状況の方に焦点が当てられていて、恐さより哀しさを強く感じました。

心優しく繊細なことが仇となって、自分を追い込み精神的に破綻し壊れていく様が何ともやりきれません。

持病としてストレス状態になると笑いが止まらなくなるという症状を抱えていることで、より困難な状況に追い込まれていくアーサーー。彼の母親はトーマス・ウェインの屋敷で働いていたことがあり、何故かアーサーは彼の子供だと思い込んでいます。彼の精神破綻の原因の一因に母親の妄想気質を引き継いでいる?母の言葉を信じたジョーカーでしたが、やがて「真実」に辿り着いた時、彼の中で守るべきものも失うものも何一つなくなったのですね。

人を形作るのは、遺伝子ではなく環境だということに異論はありませんが、なんとも残酷で切ない結末です。


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町田くんの世界

2020年02月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年6月7日公開 120分

運動も勉強も苦手で、見た目も地味で、何も取り柄がなさそうに見える町田くん(細田佳央太)には、人を愛することにかけてズバ抜けた才能があった。困った人のことは絶対に見逃さず、接した人々の心を癒し、世界を変えてしまう不思議な力をもつ町田くん。しかし、そんな彼の前に現れた女の子・猪原さん(関水渚)は、これまでの人々とは違っていた。初めてのことに戸惑い、自分でも「わからない感情」が胸に渦巻く町田くんだったが、「わからないことから目を背けてはいけない」という父親の言葉を胸に、「わからない」の答えを求めていく。(映画.comより)

 

「別冊マーガレット」に連載され、第20回手塚治虫文化賞で新生賞を受賞した安藤ゆきの同名コミックを実写映画化した作品です。

人間不信気味の猪原さんにとって、誰にでも全力で善意を示そうとする町田くんは理解の範疇を超えた存在です。同時に興味も引かれます。自分にないものが気になるのはごく自然なこと。お互いの距離が徐々に縮まっていきます

モデルもしている氷室(岩田剛典)のチャラさに悩み別れを切り出したさくら(高畑充希)は、傷心を町田くんに全力で慰められたことで彼に好意を示します。猪原さんは彼女の出現に心揺れ、思わぬ事態に戸惑う町田くんは、初めて恋愛について考えることになります。う~~ん、青春だ!

町田くんの両親(北村有起哉、松嶋菜々子)は大らかな人たちで、こんな両親だから彼のような素直で優しい子になったのだと素直に思わせてくれますね。

猪原さんへの感情が恋であることを自覚し、留学を決めた彼女を追う町田くんを、これまで彼から善意を受け取ってきた学校中の人間が背中を押してくれます。

週刊誌記者の吉高(池松壮亮)は仕事に意欲が持てず妻(戸田恵梨香)ともすれ違いが生じていましたが、町田くんとの出会いにより気持ちに変化が生じていきます。彼は『町田くんの世界』という題の原稿を猪原さんに渡し、それを読んだ彼女は町田君に会いたくなり・・

町田くんとの出会いが、周囲の人間を変えていき、逆に彼の初恋を皆が応援する・・・一種のファンタジーですね。

他に、クラスメイト役で前田敦子、吉高の上司役で佐藤浩市も出演していて、なかなか豪華な脇役が揃っていました。


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