田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

舞台人、あの頃の自分

2016年03月13日 | 日記
「1度や2度の挑戦で上手くいかないからって、
簡単に諦めたらダメだ。何度でも挑戦すべきだ!」

これは正論ですね。
でも、僕は僕に対して思うんです、

「10年も20年もやり続けて上手くいかないことを、
いつまでも追い続けていたらダメだ。いい加減に諦めろ!」

と、これも正論だと身にしみて思うのです。



今から約15年前。
30を過ぎた僕はフリーランスになって舞台のプロデュースを開始しました。
沢山の人に協力して頂き、沢山の人に応援して頂きましたが、
結果的には多額の負債を抱えて身動きが取れなくなり、一旦活動停止。

その後は運良くテーマパークのショーに出演し、
毎日舞台に立ちながらギャラまで貰えるという天国のような日々を過ごしていましたが、
やがて会社からはアクターとしてではなく、
スタッフの仕事につくことを求められるようになり、
生活のためと割り切って裏方に徹していました。


でも、舞台に立ちたかったんです。


それから色んなアルバイトを兼業して、
借金を返済して、
もう一度自分で舞台をプロデュースしようと決意しました。
34歳になっていました。

まず僕がプロデュースしたのは自作自演のひとり芝居。
ひとり芝居を選んだのはコストパフォーマンスのため、ただそれだけです。
既に多額の負債を抱える失敗を経験していましたから、
とにかく制作費を抑えようと考えたのです。
そのための苦肉の策がひとり芝居なのでした。

また沢山の人に協力して頂き、沢山の人に応援して頂き、
2本のひとり芝居を無事に上演することが出来ました。

が…

僕は、失敗だったと思って今日まで生きてきました。
2本のひとり芝居だけではなく、
その後も僕がプロデュースした芝居、公演、全てが失敗だったと思っているのです。
「失敗だった」という過去形ではなく現在進行形の失敗。
つまり今も僕はその失敗を継続し背負っている。
まだ何も終わってなくて、今も気持ちの上では次の舞台を追い続けているんです。

幸か不幸か、もはや僕にとって演劇とは、
作品ではなく商品になってしまっているんですね。
そして僕には、その商品を売る力がない。
故に僕は舞台をプロデュース出来ない。
そう思って長い時間立ち止まったままでした。


しかし、


この夏、久しぶりにひとり芝居をすることになりました。

今回も色んな人に協力をしてい頂き、
はやくもツイッターやfacebookで応援のコメントまで頂いています。
予算の問題はほぼクリアです。
でも、それでも、恐らくまた赤字公演です。
それでもやります。
結局、何年たっても諦められない。



演目は10年以上も前に上演した1本目のひとり芝居の再演です。
台本以外の資料や写真が手元になくて、
ネットで検索したら出てきました、当時の自分の写真が。

びっくりするぐらい若いです。
(この後、身も心もボロボロになり、一気に老けましたけどね(^^;)
写真を見てるとまるで他人のような気がします。
ほんまに自分じゃないみたい。
過去の自分というより前世の記憶?みたいな感じです。





あの頃の自分の意志を継げるのは今の自分だけ。

頑張ります。


上演は7月上旬、今回は平日の夜1ステージのみになりますm(_ _)m
詳細は間もなく正式に発表致しますので、暫くお待ちください。


どうぞお楽しみに☆
コメント
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