田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

夜の橋、芝居を渡る

2019年05月01日 | 日記


芝居が始まれば、稽古に入れば、
情緒不安定になる。
そもそも役者は情緒不安定な生き物、だろ?
違うかな?
人にもよるね。

日常は歌のように流れていく…
って言いたいけれど、
だとしたら随分とつまらない歌だよね。
そうかな?
どうだろう。

嘆いていないよ。
救いならいくらでもあるし、
拗ねてばかりもいられない。
恵みの雨のように、
時々歌が流れて、
心を慰めてくれる。
皆そうやって音楽に心を開いているのかな。


音は心を通過する。


芝居に入れば情緒不安定。
まともな精神じゃとてもじゃなけど舞台に立てない。
少なくとも俺はね。

もう声が出なくなるんじゃないだろうかとか、
体力もたないんんじゃないだろうかとか、
心の中で逃げ口上を並べては、
あからさまに弱さをつぶやく毎日。
強がってもかっこ悪いし、
正直になってもみっともない。



せめてそれが正直な自分ならば、
それが本当の自分ならば、
って思う。



憧れていた世界に辿り着けないまま、
気がつけば通り過ぎてしまっている、
そんなことに気付いた。
壁を越えるでなく、
向こう岸に行くでもなく、
夜の橋、芝居を渡る。




コメント
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