ハッブル宇宙望遠鏡、ミッション1の30周年を祝う
1993年12月2日の夜明け前、スペースシャトル「エンデバー」は、NASAのハッブル宇宙望遠鏡を修理するという重要なミッションのために、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。
ハッブル宇宙望遠鏡の打上前には、最初のサービス(保全)ミッションがこれほど緊急になるとは誰も予想していなかった。1990年の打ち上げ以来、この望遠鏡は主鏡の形状に欠陥があったため、ぼやけた画像を地球に送り返していた。鏡からの光の焦点が合わなかった。イメージは地球から撮影されたものよりもまだ優れてはいたが、その品質は世界が期待するものではなかった。(右にその例)
--- 以下略。
<付記>: 今日、宇宙の鮮明なイメージを撮り、天文学の最先端を走り続けているハッブル宇宙望遠鏡だが、その最初の成果は惨憺たるもので失敗作とまで言われた。3年後の第一回保全ミッションでは、ほぼ全てと言えるほど主要な機能の大幅な交換・改修が行われた。上の写真は、その保全ミッションでの、スペースシャトルの背面の保管室(下部)、後方に立っているのが捕らえられ接合されたハッブル宇宙望遠鏡である。
なお更に重要なことがある。スペースシャトルが設計上の欠陥によって廃止となり、望遠鏡を修理する術がなくなったことである。
NASAは、2003年のスペースシャトルコロンビアの事故の反省から、クルーが救済機の到来を待つことができる国際宇宙ステーションのような宇宙船以外は有人宇宙船は使わないと決定している。ハッブル宇宙望遠鏡は一時廃止が決定され、その後利用できる範囲で使うことに変更された。従って、現在の機器を使い果たせば廃止せざるを得ないことになる。
ハッブル宇宙望遠鏡は、現在、設計上必要な3台のジャイロスコープの1台が故障し調査中である。修復不能であれば設計外の1台ごとでの運用を試みることになるだろう。
<ひとこと>: 大判はイメージのリンクから。
<出典>: NASA Hubble Mission Team
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