釘宮 透明水彩
寒くて布団に入るとうっかりそのまま寝てしまうことが多いです、ナツメです。今回は日曜クラスの釘宮さんの作品をご紹介します!
基礎デッサンが終わって、初めての水彩画ですが、とても丁寧な仕事を積み上げ完成されました。一見、苦労なく仕上がったように見えますが、立ち枯れした木の遠近感が出せず試行錯誤されました。遠近法にも多くの種類がありますが、ただ背が高い・幹が太い・下の方にある、というだけでは手前に感じません。濃淡の強弱が必要です。空気遠近法といって遠くのものほど大気の影響で霞んでいくことから、手前を濃く、奥にあるものを淡く塗ると遠近感が出ます。あまり強弱をつけすぎてしまうとうんと遠い場所にあるかのように見えてしまうためその調整が難しかったようですが、細やかな仕事によって見事に木で構成された空間を表現されています!
晴れた空や周囲がくっきりと映るほど風もなく静かな様子に、この場所に立って深呼吸したくなるような澄んだ空気を感じますね。くっきり、と書きましたが水面に映っている木は虚像ですので、少しぼんやりしていて暗めになり、そのポイントもしっかりと抑えられているため実像の木にすっと目がいきます。そしてその木や雲の影など、僅かな色の違いや変化に反応されているのも見事です!例えば模写やデッサンなどでそっくり同じものを描きたい時も右から左へと機械的には写せず、一度自分にインプットしてからそれを出力する、という作業になります。自分が認識した分の情報しか描けないため、この絵からは釘宮さんが情報の読み取りに長けていることまで伺えます!
一作目の今回は透明水彩でしたが、ぜひ色々な画材に挑戦して好きな絵の具や表現方法を見つけて欲しいです。今後の作品にも期待大ですね!!