
周りを映し込む金属はとても美しいのですが、絵に描こうとすると難しいです。映り込みと形と金属の色、それに硬さや重さなど。どこから描き始めればいいのか、どれを活かせばいいのか描いているうちにどんどん迷ってしまいます。
鷲見さんの作品のように自然に見えるように描くことは簡単ではありませんが、それができると見所のある力強いデッサンになります。金属の質感が良く出ていて絵に近付いて見てみたくなりますよね。さらにこの絵には紅茶の缶という別の金属までありますが、ちゃんと描き分けてつや消しのきらっとした感じも出ています。
全体的にバランスよく描いていければベストなのですが、まずは映り込みからでも形からでも気になった方からガツガツ描いてみる事をお勧めします。その後上から描いたり全体に色を落としたりして、調整してください。ここで大事なのは最初に描いた部分を壊すのを恐れないこと。“せっかく描いたのに・・・”と思わない事です。勇気はいりますが、深みや重さも出るので試してみる価値はあると思いますよ。
あかね